2000年11月28日(火)
夕雅流・おミズの花道
 そもそもうちは、実家が水商売であった。
 脱サラした父・タカシは、岐阜市内で1件の喫茶店を経営していたのだが、あれよあれよという間に店は居酒屋になり、またあれよあれよという間にもう1件増えたのである。

 あぁ、そうそう♪
 そのうちの2号店の騒動の件だが、先日、実家に電話したところ、募集に対してそこそこの人足も集い、質もまぁ悪くないとのこと。父・タカシのワンマンぶりについてゆけるのであれば、願ったり叶ったりではないか♪ ってなわけで、σ( ̄∇ ̄)の強制送還計画も自動的に先送りということになった(* ̄ー ̄)ニンマリ


 そんな環境で育った私は、サラリーをもらう仕事には義務教育の頃からてんで興味がなかった。例えば・・・・どんなにすばらしい先生に出会ったとしても、そういう人たちの影響を覿面に受けることはあったとしても、自ら教師になろうという発想にはならなかったし、病院には幼い頃からよくお世話になっていたので、綺麗でやさしい看護婦さんとかにもたくさん出会ってきたけれど、彼女たち個人のことは好きになっても、看護婦という仕事そのものに対する憧れだとか興味だとかはかなり薄かった。

 父・タカシはよくこう言った。
「こういう仕事はやった分だけもらえるからな・・・・。」
 彼はこの理念を貫徹するが如く、そりゃぁもう馬車馬のようによく働いた。1日の売上というのは、その日によって大幅に違ってくるものなのだが、最悪の時も最高の時も、アホみたいに働いていた。
 1度、そうやって汗水流して稼いだ金を強奪されてしまったなんてこともあった( ̄∇ ̄;) 我が家はてんやわんやの大騒ぎになったのであるが、そういうときですら、彼はいつもの倍の勢いで働いていた。
 こまっしゃくれて、物事に対する感動に薄い子供だったσ( ̄∇ ̄)ですら、こういうオヤジはとにかくすんごい!!と思っていた。
 思い起こせば、父・タカシの情けない場面など見たことがないような気がする。そりゃあ、お酒に酔えばモロ泥酔だし、基本的にとんでもない勢いのエロ親父だし、ヤなところは挙げればキリがない。だけど権力に屈するところだけには未だお目にかかったことがないのだ。とりあえず、店の経営者だから社長・・・・すなわち常にトップの位置にいる。だから上司に相当する人間にペコペコと頭を下げたり、媚びへつらう必要性などない。そうかと思えば、神様であろう客に対してだって好き放題。気に入らないヤツがいようものなら、
「代金はいらん。出てけ( ̄^ ̄)」
と一蹴する。背負ってる代紋が菱だろうが桜だろうが、そんなこともおかまいなしに対応する(爆)。自分中心に世界は在る!!とお思いのお人だから・・・・(爆)。何せ怖いモノなんかないのだ。
 が、こういう濃いキャラの父を慕って集まってくる物好きな客たちが、我が家の家計を支えているのである。あぁ・・・・ありがたい・・・・(なむなむ)

 こういう父・タカシを日々、眺めている母・サヨコ
 そういう母・サヨコにつもりつもった愚痴をとりあえず電話でうかがう娘のσ( ̄∇ ̄)。
 うまくできている。我が家の家族機構は・・・・(爆)。


 そんな私も、気づけば水商売の世界にいた。
 バイトも本業も、立派な水商売なのである。
 スナックホステスのことをこう呼ぶことは知っていても、役者もそうだというのは知らない人も案外多いんではなかろうか。

 先日・・・・。
「自分の仕事も、ある意味では水商売かもしれないなぁ・・・・。」
と、私に話してくれた、某大手に勤める証券マンがいた。
 う〜ん・・・・。
 確かにそうかも・・・・。
 会社でサラリーをもらっていはいるけれど、営業となれば、モロ水商売である。私は妙に納得してしまった。だいたい扱う品に確固たる保証がない上、証券会社というところは、色んな企業のブランド性や人気そのものを売り物(商品)にしているようなものだ。何て儚い仕事なんでしょ・・・・。
 それを思うと、そういう他の企業の人気の上下のために、予告なく全国各地へ出向させられて、ちゃんと仕事をしてしまう彼らって、ホントすごいと思う。

 そして思う・・・・。
 確かに給料を保証されているか否かという点では厳密に言うと違うのかもしれないが、第3次産業と呼ばれるものは、ほとんどが水商売と呼ばれる要素を持っている気がする。
 人を相手に、相場が次々と変動するものを媒介に扱いつつ、延々と続くと思われる攻防戦(笑顔の数だとか、饒舌さとか・・・・)を上手に勝ち抜いていく。・・・・水商売の基本だ。

 サラリーマンの中で、営業を担当されてる方々・・・・
 あなたたち、水商売人です!!! これを機に、ちょっと自覚しつつ仕事をしてみると、楽しいかと思います♪(とはいえ、もう多くの方々が気づいている事実ではあるんでしょうけど)


 小さい頃から、金というのはそうした攻防戦の中で稼ぎ出すものだと、こまっしゃくれた私はどこかでそう思い込んでいた。
 そのせいか、当時から変に狡賢く、自分の秀でた部分を逸早く認識し、必ず有利な立場に持ち込んでからじっくりと競争に持ち込む・・・・なんてことが好きだという、実にやりにくい子供なのだった。

 でも・・・・。
 本当は、競争なんか、嫌い。
 足並みそろえるのも嫌い。
 σ( ̄∇ ̄)は大人になっても、そういう同じ価値観の中でどっぷりと浸食されるのを避けるためだけに、こういう世界を選んでしまった、大人になりきれない大バカ野郎だったのです・・・・というオチでいかがでしょう?(爆)




三省堂 新明解国語辞典(第4版)より
【水商売】
 料飲業・タクシーの運転手・芸人など、客の人気、都合次第で収入が左右される不安定な職業。接客業。

三省堂 大辞林より
【第3次産業】
 C・クラークによる産業分類の1つ。商業・運輸・通信・金融・公務・サービス業などをいう。日本の統計では電気・ガス・水道業も含める。



あさみ


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