2001年03月05日(月)
「もう、疲れちゃったよ」
 普段はとても話し好きで、歌も上手な1人のお客さんがいる。
 ところが今日は少し様子が変なのだ。
 疲れきった顔で、大人しい。
 少しずつ話を窺っていると、この時期は花粉症で悩まされる他に、どうしても鬱々としてしまうのだという。何事にも集中できない、それでも仕事は忙しい、意識が外側に向いていかない・・・・などなど。大きな理由なんか人に聞かれても、自分ですらよく理解していないものだからどうすることもできず、この人は悶々と毎日を送っているのだという。とても苦しそうで、見ているこちらもやりきれなくなった・・・・というよりも、昨年の夏に、同じような症状で苦しんだ自分のことを思い出した。
 私は逃げて休むことを許された。
 彼はその許しをもらうことが出来ない。
 この差はとても大きいと思うのだ。

 病院へ行ってほしいな・・・・と思いつつ、この人にはきっとそんなヒマさえないんだろうな、と少し絶望に似た何かを感じた。
「4月になれば絶好調になるんだ。」
 彼はそう言って、疲れきった顔で儚く笑うと、力なくグラスを傾けた。

 早く4月が来るといい・・・・。
 このお客さんの、体と心が壊れてしまう前に・・・・。



 

あさみ


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