2002年05月31日(金)
|
再演祈念・・・・「ドクトル東京」の復活 |
あたくしが通っていた大学には、「演劇部」というものが存在しないかわりに、 学部公認では、「演劇映画放送研究会」(BDC:通称べディック) 「殺陣同志会」(真田広之らが設立)、 「ミュージカル研究会」(通称:ミュー研) というのがあった。
これら、公認サークルには部室や部費が与えられ、伝統や格式も高く、 無論、文化部とは思えないほどの縦社会バリバリで、 合宿には必ずOBがやってきて、新入生は 見も知らぬ人々に頭を下げねばならぬという理不尽さに、首を傾げていた。
「同志会」にしても「ミュー研」にしても、奇妙なオキテや稽古が存在していて それは見るからに、体育会系のノリであった。
そんな公認サークルの他に、非公認な即席の集まりが、我々の大学には それこそ星の数ほど存在した。 公演回数1回こっきりの劇団や、映画サークル、 何を発表するわけじゃないんだけど、何となく趣味が昂じて楽器を持ち歩いて 休み時間に、何となく集っては即席バンドになっている人々・・・・・・
とかく、アーティスティックな大学だったので、 まぁ、何でもアリな風潮がそうさせたのかもしれないけれど、 それでも、うちの大学から何度となく公演を重ねるうちに人気が出て、 今や、全国行脚なんかしているような劇団もあるにはある。 有名なところでは、三谷幸喜氏が立ち上げた 「東京サンシャインボーイズ」なんかは、 世間的に認知された劇団かもしれない。 劇団として今、とても頑張っているのが「TEAM 発砲B-Zin」と 「夏の第三角形」、 ここらは、いつの間にか事務所まで立ち上げちゃって、 あたくしも正直、驚いた(笑)。 同じ事務所なんだから、 あたくし的にもう1度ちゃんとした形で復活して欲しいのが 「コント加藤組」なのだけど・・・・。
そんなことはさておき。 そんなあたくしも、弱小1回公演系劇団に幾つも所属していた。 っていうか、構成員はあんまり変わってないのに、 名前だけがコロコロ変わる場合もあった(爆)。
基本になったのは、「劇団 茶柱」。 ここであたくしらは、酷い詐欺にあった事を知り(爆) 普段、マジギレしたことのないこのあたくしが、ブッチブチにキレて クーデターを起こすハメになった劇団である。 チラシもチケットも撒き始めていたので、公演中止にするわけにもいかず 何とか2週間で(あたくしが)本を書き換え、幕をとばした奇跡の集団だったのだ。 ゆえ、公演が始まる頃には喧嘩をしている余裕もなく、 結果、とっても団結して仲が良くなってしまったメンバーだったりもする。
このメンバーが、後に「八月の白鯨」という団体にほぼ吸収され、 ここでは、あたくしが個人的に演出家の人が好きだったので、 制作としてお手伝いした。 つかこうへい作の「広島に原爆を落とす日」という小説を 当時、同じ学科で1コ上の教養コースにいた、栄養があまり足りてない感じの いーじま(仮称)さんが戯曲として立ち上げたのを、あたくしが3日3晩寝ないで、ワープロで起こしたり・・・・なんていう若さゆえの暴挙をかましていたりしていた(オプションとしてリーダーの見張り付)。<これ以外にあまり制作として仕事をしていなかったのに、いーじま氏はとても優しくて(笑)「お前が一番頑張った」などと、奇妙な評価もしてくれた。制作は制作の中で仲良くなっていたのだな(爆)。
さらにその後、「〜白鯨」の弱りきったリーダーから逃げ出してきたメンバーと、 引き抜きに遭わなかったメンバーとで新たに「ドクトル東京」という劇団を立ち上げた。 ・・・・というよりも、「茶柱」時代から篩にかけて残ったメンバーで、 ホッとした空間を作ったという感じだ(苦笑)。
昨日。 「茶柱」時代からずっと一緒だった、あずみさんから、メールが来た。 あたくしが都落ちして、そろそろ1年くらいになるのだけど、 彼女とは、それこそ沢山の舞台を共にして来た。 あたくしよりも1つ年上で、今はミュージカルを主に歌で頑張っている。 あたくし好みの超天然で、美人。 今でも、共演したいと願ってやまない女優さんのうちの1人だ。
あたくしは、彼女に返事を書いた。
「『アタカの旅宿』、もう1回再演したいな・・・・」
これは、在京時代もそうだったけれど、都落ちしてきて更に深く思うようになった、あたくしの本音中の本音だ。 公演当時、あたくしは20歳。やった役は、確か30手前の宿女将の役だ。 というか、30手前くらいにしておかないと、あたくしが役を料理できないと踏んで、作・演出をやっていたイセ氏に相談した結果、ギリギリ自分と同じ20代の女性で良いとゴーサインをもらったのだ。 自分はカタギだけど、ヤクザに恋をして、 今やヒモみたいなその男を、親から継いだ宿に住まわせながら、 流行らない旅宿を切り盛りしていく・・・・みたいな役だった。 あずみさんは流行らない歌手の役で、借金に塗れて、宿の生活に介入してくる。 あたくしとの言い争いのシーンもあって、それがとても楽しかった。 マジでやるんだけど、マジになればなるほど あたくしらは仲が良くなっていったような気がしていた。
こっちに帰ってきてからも、本を読み返した。何度も。何度も。 既にボロボロになった台本。
あたくしは、あの頃演じた役に程近い年齢になっていた。 演るなら、今だ。 ひょっとしたら、今ならもっと、あの本を巧く料理できるかもしれない。 身体はすっかりボケて、カンも鈍っているかもしれない。 だけど、演るなら今だ。
あの時の配役をオリジナルで全て揃えるのは無理だ。 あたくしが恋する相手は、現実に公演後すぐ、つきあった男だったし(爆) ドラマを動かす2人の男女(恋人?)を演じていた子も、 今、役者をやっているのかどうかわからない。要するに消息不明。 一番、困るのは、作・演出を手がけた、イセ氏が行方不明なことである(爆爆)。
年月を経て、新たに読み返した本は、とても鮮烈で 当時は気づかなかったポイントが沢山あった。 よく書けている。 このまま埋没させておくのは勿体無い。
イセさ〜〜〜〜ん!!! お願いだから、出てきてちょうだい(笑)。
ところで、あずみさん・・・・・・・・。 あたくしら、トリオ(茶柱時代からともにした女3人組)を
ゾンビ
と呼称するのは、よしませんか?? ( ̄∇ ̄;)
|