まだ、結婚するう〜んと前に、ぷよ2の淡くて可愛らしい初恋の話は聞いた。 小学3〜4年生。男の子にしちゃマセている。 最初で最後になったデートでは、ここら地元の定番スポットでもあり、小学生でも気軽に足を運べる 動物園に一緒に出かけ、挙句の果てに、そこでチュ〜しちゃったとか(笑)。 デートまではいいよ。・・・・でもアンタ、チュ〜はどうなのっっ?? と、 この話を初めて聞いた時、そりゃもんすごく興奮気味に根掘り葉掘りやったんですが、 まぁ、小学3〜4年の記憶なんて実におぼろげで、曖昧で、こっちがどれだけ追究しても それ以上に何かが出てくるなど、よっぽどのことがない限りないな・・・・と、こっちが先に諦めたので 当時は明るみに出なかった詳細に関しては未だ謎のままだったんだけれど、 まさか、再び彼の「原点」に探りを入れちゃえる機会に出会えるとは・・・・( ̄ー ̄)ニヤリッ♪
実はこの日。しばらく行っていなかった名古屋の実家へ行き、ママさんにあれこれ買ってもらい、 物欲の隅々までを満たされて実家に戻ると、ぷよ2にとっては非常に懐かしいらしい、 「学童保育時代」の写真をママさんが新たに発掘したらしく、それを披露してくれた。 この写真らにぷよ2本人はほとんど写っていないらしく、当時のお友達の幼い顔ばかりで、 あたくしが直接会ったことのある人も何人かいたのだけど、面影を探り出すので手一杯だった。
その写真を見ている間は、ぷよ2も普通に懐かしさからくる興奮状態で以って、 「うわぁ〜♪」とか言ってるもんだと思ったんだけど、実はこの「うわぁ〜♪」の原因は 別んとこにあったらしい(爆)。
何と! 件の初恋の相手、ちかちゃん(仮名)がそのスナップのあちこちに写っていたらしいのだ。 写真は、まだ恋に落ちる前(爆)・・・・小学校に入学したての頃のもののようだ。 ちょっとタレ目だけれど、くりくりとしたどんぐり眼で、おかっぱ頭のちかちゃんは、 想像以上に可愛かった♪ 今頃、相当の美人になっているに違いない。 ・・・・当時のぷよ2がいくら子供サイズとはいえ、おっさん臭いに変わりはなく(爆笑)、 そんな2人が並んで授業を受けたり、挙句に動物園に出かけちゃう・・・・なんてことを想像すると、 途端、そのアンバランスさが奇妙で、その可笑しさゆえ笑えてくる・・・・そういった感じでもあり(爆)。
どうやらママさんは、もう時効ともいえるこの恋の話を全く知らないらしい。 あたくしは、この仲良し親子のことだから、何らかの形で知っていると思っていたのだけれど、 どうやら彼は、10歳の頃の思い出を親にまでひた隠しにして、30になったようで(笑)。 ぷよ2はこの写真に触発されて、当時のことを鮮明に思い出したらしい。 ママさんたちとは別れた帰りの車の中で、その時のことを色々と話してくれた。
「ちかちゃんはね、クラスの中でもわりと大人しくて目立たないような子で。 あれは、アレルギーだったのか鼻炎だったのか、いつも鼻をかまないといられない子だったんだ。 そういうのを『汚い!』とかいう、程度の低い小学生特有のいじめみたいなのもあってさぁ・・・・。 俺がそういうのを庇っとったげたのが、いつの間にか・・・・」
「恋になっちゃったんすか? ( ̄ー ̄)ニヤリッ♪」
「まだだよっ!!」
「( ̄ー ̄)ニヤリッ♪ で? ・・・・いつからっすか?」
「小学3〜4年と同じクラスで、俺は当時から体がデカかったし、そういういじめは大嫌いで。 いつの間にか、彼女は何か言われるようになると、俺の影にパパッと隠れるようになったんだ。」
「ふむふむ・・・・それで? ( ̄ー ̄)ニヤリッ♪」
「3年生の3学期、ちょうど隣の席がちかちゃんになって。 あれは確か給食が終わった後の授業中だったっけか・・・・。 左隣の彼女が俺の肘を、ツンツンって引っ張るんやて。 『ん?』と思って、そっち向くと、チョコをくれたんだよ〜〜〜っっ!!!」
「何ですと〜〜〜〜っっ?? ( ̄◇ ̄;) 」
「急いで机の中に隠したけどさぁ、そっからが問題で・・・・彼女がチョコをくれたのはいいけど、 コレを帰りまでにどうやってランドセルの中に移動させるかで、超あせって(苦笑)。」
「ふむ・・・・。ちかちゃん、なかなかやるよね。」
「何が?」
「だってさぁ・・・・冷静に考えてみ? そうやって低レベルないじめにも何も言えなかった子がよ? 休み時間でもなく、放課後でもなく、授業中にチョコレートを渡すなんて、めちゃくちゃ大胆やん♪ 彼女も同様に、いつ、机の中にそのチョコを隠したのか非常に気になるところではあるけれど、 絶対にばれないように考えに考えて、一番大胆な方法で以って遂行したんやから。 彼女の警戒心は、まさに野ウサギ級!! 小学3年ながらにして物凄いものがある!!
で・・・・そのチョコが『義理』であるとか、そういうのは考えへんかったわけ?」
「う・・・・そ、それは・・・・。」
「お手紙とか入ってへんかったわけ??」
「・・・・・・・・。」
「( ̄□ ̄;)!! まさかアンタ!! 読まずに鼻血だけ出しながら食べたとか、 そういうオチはこの際、いらんよ????」
「入ってたよ・・・・手紙。」
「何て? 何て? 『好きです』とか????」
「う・・・・うん・・・・(〃ー〃) 」
うきょーーーーーーーーっっ!! こっちまでテンション上がってきたし(爆)。 つか、当時のちかちゃんよ・・・・アンタって子は罪作り♪ お写真拝見する限り、とてもそんな大胆な策略を巡らすようには見えなくてよ♪ あなたのお友達も、きっとあなたを見縊っていたと思うわ♪ 何しろ、あれから20年も経とうとしているのに、このオトコはですね、頬を赤らめつつ、 「写真の君」を見ただけで、数年前までは思い出せなかった詳細部分にいたるまでの全てを 今明らかに思い出して、こうして喋っててくれるんだから(笑)。 もしあの時のあなたのお手紙を、コイツが「読まずに食べた」とか抜かしやがったら、 即刻極刑だったところなんですが、ちゃんとあなたの気持ちは彼に届いてたようです。よかったね♪
「で? で?」
「『で?』って・・・・」
「やだわぁ♪ チョコの返事がなきゃ、恋は始まらんでしょうが( ̄ー ̄)ニヤリッ♪」
「あぁ・・・・うん。彼女のことはね、勿論、『女の子』だってわかってたし、 それまでは、それ以上でもそれ以下でもなかったわけなんだけどね・・・・。 何だか、俺の方もそれ以来、何ていうんかな『異性』として、彼女を見始めちゃったっていうか・・・・。」
「まぁ、アレだ。つまるところ・・・・ 『俺のことを好きって言っててくれる、コイツのことが、俺も好きかも〜♪』 と、こんな感じなわけだ。」
「う・・・・。そ、そうかもしんない( ̄∇ ̄;)」
うきょーーーーーーーーっっ!! ますますボルテージが上がってきたんですけど(爆)。 王道ですよ、王道!! 小学生ならではの「うぶ」な気持ち同士がこんな形で「恋」に発展するなんて、 あたしゃ、マンガでしか見たことがなかったんですけどねっっ♪ ひょ〜♪ あるんですねっ、現実にっ♪ 素敵すぎ(笑)♪ っつうか、よっぽどそのへんに転がってるフィクションよりも、興味をそそられるっつうか、 めっちゃリアルで、かつ、年齢が年齢だけに可愛らしくて、好感が持てちゃうんですけど〜( ̄¬ ̄) ♪ そりゃ、そうだわ。これは紛いようのないノンフィクションで、作り物じゃない思い出話。 でも、ちかちゃんの気持ちとか、当時のぷよ2の動揺とかがストレートに飛んでくる。 小説やマンガだったら茶番になってしまうところ、ちかちゃんの何ともいえない繊細な部分が 聞いているこっちを実にリアルに興奮させてくれる。興味深い・・・・という意味で面白い。
確か・・・・。小学校の頃の卒業アルバムに彼女の写真がない=彼女は途中で転校してしまった・・・・ というエピソードを前に聞いたことがある。 そのへんのことを伺ってみることにした。
「3〜4年は持ち上がりで一緒のクラス、クラス替えはないんだけど、 5年になる時にクラス替えがあるわけだ。 そのクラス分けの掲示を見て、あぁ、自分は何組やなってことは確認して、4クラス分ある全部のクラスで 彼女の名前がどこにあるか、確認していったんやけど、見つからんくって・・・・。 すぐに朝礼が始まるから、一旦は引っ込んだんやけど、見落としとるかもしれんと思って、 朝礼が終わってからまだそのまんまにしてある掲示板をもう1回見直したんやけど、 彼女の名前はどこにもなかった。 後で、前も一緒のクラスで新しいクラスでも一緒になった、彼女と仲の良かった子に聞いたら、 『転校したよ』ってそこで初めて知らされて。」
「・・・・・・・・。そう。」
「・・・・本人から言ってほしかったなぁ。」
「言えなかったんじゃないかなぁ・・・・。」
「そういうもんかなぁ・・・・?」
「言ったら、そこからお別れのカウントダウンが始まっちゃうわけだし。 寂しかったから、余計に言えなかったんじゃないかなぁ・・・・。」
「そういうもんかね・・・・?」
「20年経ってるんだから、どう予想しても罰は当たらないと思うから、 とりあえず、一番当たり障りのない予想ではありますけど・・・・(苦笑)。」
それ以降、小学生の間は、何となくこのちかちゃんのことが忘れられずに、 正直なところ「引きずってしまったかも」なんてぷよ2は話していた。 ここから彼の恋愛談は、17になるまで一切先に進まずに、中学の時に誰を好きになっただとか、 告白をしただとかされただとかが一切途切れてしまう。 決して晩生ではなく、寧ろ早熟すぎるほどだというのに、ちょっとそれはおかしいな・・・・と不思議で、 中学のときの素性を洗ってみたりしたんだけど、もう少し学内でのスタンスが違っていたならば、 ひょっとしたら、少女たちが入り込むだけの隙間が生じたかもしれないところ、 彼は、この頃からちょうど柔道に目覚めてしまい、そっちにのめりこんだ上、 中学3年のクラスメイトたちとはくどいほど仲が良いというのに、そこでも浮いた話1つないのは、 彼がクラスの中で「お調子者」というポジションに納まっていたというところに理由が集約されて、 すぐに納得はできたんだけど( ̄∇ ̄;) ぷよ2自身は、「お調子者」であったことをしばらく認めようとしなかったのだけど、 彼らのクラスメイトたち(女の子)に直接素性を聞いてみたところ、異口同音に同じような反応をされたので あぁ・・・・なるほど・・・・と、それ以上聞くまでもない答えに行き着いたというわけ(笑)。
しかも、ちかちゃんとのこの恋が終わってしまって、その次の恋というと、 高校時代の留学先のカナダで出会った、学校のクラスメイトナンシー(仮名)まですっ飛ぶ。
ナンシーとはそれこそ、9ヶ月間の滞在中に、かなりしっぽりとした関係にまで発展したそうだが、 あの淡い初恋から7年・・・・恋愛市場においては、熟成期間・・・・否、ほぼ放置に近い状況だった彼が、 もっとそちら方面で鍛錬を積んでいたならば、この時期に遠距離恋愛、2度3度の失恋、 その他諸々、色々と経験できたかもしれない。 しかしながら、そんな環境にもめげず、女性に不自由しないための特技(=処世術)をこの後に 彼は身に着けるに至ってしまったので、どっちにせよ、10代を終わる頃には 同じ地点に立っていたものと思われる。
かなり疲れていたはずなのに、フルスロットルな会話をしながら高速を走っていたので、 一向に眠気が襲ってこず、挙句の果てには、名曲「ガラスの十代」を歌いながら家路に着くこととなった 「お調子者」夫婦の夜更けでありましたとさ(笑)。
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