”BLACK BEAUTY”な日々
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2004年06月16日(水) 晴れ 書評「ヘルタースケルター」

岡崎京子「ヘルタースケルター」を読む。
同作は朝日新聞社の手塚治虫文化省受賞作品。

ストーリーは全身整形によりスターダムにのし上がったアイドル「りりこ」がやがて来る人気の翳り、整形の後遺症に脅え、ひたすら「落ちていく」様を描いたもの。
この手の漫画、小説のラストは「主人公の死」が最も一般的である。読み手がそれを期待しているからだ。
ところが本作の主人公りりこは物語序盤あたりから精神的に死んでしまっている。従ってストーリのほとんどはりりこの「死んだ精神」が爛れ、腐敗していく様が描かれていく。
当然ながら読後感は決して良くはない。しかし作者が言うように「一人の女の子が落ちていく様を描きたかった」という狙いは十分達せられたと思う。
同時に男から見て女性の「美」に対する執着は男のそれをはるかに凌駕するものであると感じた事も付記する。


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