2001年02月12日(月) 偽善者

近頃よく思う。
私は偽善者ではないか、と。
そして同時に思う。
それは逃げでもあると。

自分を偽善者だと思い、他人を騙していると思うことによって、己を責めている。
それによって、贖罪が与えられる事を望んでいるのだ。
これはもっとも卑怯な逃げ方ではないのだろうか。

自分を責め続けるのは楽だ。
殻に閉じ篭もり、耳を塞いでいればいいのだから。
周囲の声を受け止め、立ち向かう勇気さえない。

全てを人のせいにして。
全てを自分のせいにして。

責任は自分にあると思うのは、どんなにか楽だろう。
他人の過ちを指摘し、傷つけるかもしれないという恐怖から逃れる事が出来るのだ。

けれど、常に私の中には相反する意見がある。
極端と極端との対立。
その時によって、どちらの私が表層に出るかは変わる。だが、その私は、一つの物事の中でも、簡単に立場を入れ替える。

どちらの私が本当なのか。
どちらの私が正しいのか。

その問いに答える者はない。


     


のあ