雨が降ると、何故か俺様は眠くなる。 今日は雨だ。 MILETがレッスンに行くというので、俺様は玄関まで 見送った。 その直前まで、俺様は布団に潜り込んで寝ていた。 だが。 MILETまで眠くなるとはどういうことだ? あいつは今日は出かけるというのに寝坊した。 俺様が起こすとでも思っていたんだろうか。 自分で起きてくれねば、困る。 MILETの相方を毎朝起こすのは俺様の朝食の為だ。 用もないのに、俺様が起こしているわけではない。 それを、どう勘違いしているんだか。 「起こしてくれたっていいじゃんよ〜」 と、きた。 …お前の相方が、6時半頃モーニングコールしただろ。 それで起きなかった、お前が悪い。 そう言ってやりたかった。 だが、俺様も眠くて仕方なかったので、MILETからの いわれのない抗議にも黙っていた。 うるさいヤツがいなくなると、雨音だけが静かに鳴る。 俺様は、雨の日がまんざらでもない。 雨のニオイはいい匂いだ。 なんだか、ゆったりと落ち着いた気持ちになれる。 思い返してみれば、MILETと初めてあったのも雨の日だった。 雨の日は俺様をノスタルジックに浸らせるらしい。 まぁ、おおざっぱで芸術を解せないMILETにはわからない 感性だろう。 そんなヤツが、よくピアノだの声楽だのをやっているものだ。 ヤツの先生が俺様は気の毒でならない。
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