今日はとても天気が良かった。 暖かだったし、空は良く晴れていた。 俺様はMILETをたたき起こすと、ベランダへの窓を 開けさせた。 ベランダから屋根へ飛び移り、風の匂いを嗅ぐ。 春はまだ遠いが、気のせいか花の香りがした。 MILETは、といえば寝室でしきりに鼻をかんでいた。 咳をしているようだ。 痰も絡んでいるのか、俺様を呼ぶ声が掠れている。 MILETは花粉症だ。 一昨年まではそうでなかった。 去年の三月半ばぐらいに、突然花粉症になったのだ。 かなりひどいらしく、粘膜という粘膜が 腫れ上がるらしい。 挙げ句には、体中に発疹が出るそうだ。 特に、喉と鼻がひどい。 この時期、MILETはいつも咳をしている。 俺様は気の毒に思いつつも、やはり外に出ていきたい。 窓に俺様用のドアを取り付けるとかすればいいだろうに。 そんな器用な真似は、ここの住人に出きるはずないか。 不器用なヤツらを選んでしまったのが、俺様唯一の後悔だ。 しかし、俺様が自由に出入りしたがるのを知っているMILETは 自分が苦しい思いをするというのに、窓を開け放ってくれる。 その点は、感謝せねばなるまい。
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