MILETがぽろぽろと涙をこぼしている。 何事かと思って顔を覗き込んだ。 すると、突然俺様を抱きしめて洟をすすった。 俺様の自慢の毛衣が台無しだ。 抗議しようとおもったが、尋常でない様子に 暫し様子を見ることにする。 涙の理由は一つの散文にあった。 寓話、というのだろうか。 ネットの中に出来上がった、一つの神話だ。 命を終えた動物たちが集う場所の話である。 それを読んでいたMILETが涙をこぼしたのだ。 天国の入り口に架かる虹の橋のたもとに この世で命を終えた動物が遊ぶ。 そして、彼らは現世に残してきた愛しいものを 思い出す。 ある日、彼は愛しい人を見つけ 二人は永遠の時間を天国で過ごすために 虹の橋を共に歩んでいく。 そんな内容の話だ。 おそらくMILETは 先代と、そしてその昔ともに暮らしてきた犬を 思い出したのだろう。 俺様も知らない、遠い遠い過去の話だ。 俺様とMILETにも いつか必ず、別れの時は来る。 そして… そしていつか必ず… 再会の時はあるだろう。
だが、そんな先の話に切なくなるよりも 今、俺様といる時間をもっと大事に思って貰いたい。 一番大切なのは、今を生きるということだろ?
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