昨日の続きである。 MILETの姉弟子から、今朝電話があった。 「やっぱり、時間的に無理だから」 何のことかといえば、土曜日のレッスンだ。 忘れたのはMILETの方だし、 当然、相手に負担をかけるわけには行かない。 MILETは 「そうだよね。うんうん」 と、泣く泣く電話を切った。 そのあと、なんと先生本人から電話を貰った。 「ごめんなさいね。やる気満々だったんだけど」 「そ、そんな。悪いのは私ですし」 …当たり前だ。 「やっぱり、時間がなくって」 「そ、そうですよね。我が儘申し上げて…」 「ホントにごめんなさいね」 「いや、あの、謝るのは私の方です」 それで、MILETは 先生の引越を手伝うと言っていた。 せめてものお詫びの気持ちと、 今までの恩返しがしたいのだろう。 MILETはよい師に恵まれたものだ。 レッスンをすっぽかすような生徒にさえ、 心を砕いて貰えるような師は そうそういない。 その師と、しばしの別れが今月末に 待っている。 MILETは感慨に耽るためか いつもより真面目に、ピアノに向かっていた。
|