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2004年06月27日(日) ■
◆続き『ルジマートフ&ロシア国立バレエ団』(Aプロ&Bプロ)ファルフ・ルジマートフ、ユリア・マハリナ、他 (04/07/04up)

(第1部感想の続き)

《第2部》

【シェヘラザード】
〔振付:M・フォーキン、 音楽:N・リムスキー=コルサコフ〕

ゾベイダ: ユリア・マハリナ
金の奴隷: ファルフ・ルジマートフ
シャリアール王: コンスタンチン・アヴェリン
宦官長: ドミトリー・ムラヴィネツ
     &ロシア国立バレエ団



ロシア国立バレエ団による『シェヘラザード』 。
幕が開いたら予想したとおり、それほど舞台美術に重厚なゴージャス感はなく、目が痛くなるような色彩の派手さが目に飛び込んできました。
衣装はまぁまぁかな...。でも、マハリナに羽織らせるガウンが、ホログラムのように反射する軽く安っぽい生地だったので、何とかして欲しかったですね。
宦官はかなり道化的に演じられていますが、王と王弟は細身のキリッとしたタイプで、大げさでなく良かったと思います。
以前に見たインペリアル・ロシア・バレエよりも、プロローグ部分や登場人物(王、王弟、宦官など)の演技など、あらすじを知らなくても解りやすく伝わるように演出がされていたように思います。

アラビアのシャリアール王宮廷ハーレム。王の愛を受けて一際輝く寵妃ゾベイダ役マハリナ 登場。

彼女は元々若手の頃から、眩いあでやかさとミステリアスな雰囲気で、可愛らしいとは対極の女の色香を漂わせるダンサーでした。
その昔、私は彼女の『白鳥の湖』(やはり相手はルジ)を見て、その独自ななまめかしさと柔らかい上半身に魅了され、「バレエ」が好きになった...。
なので、私にとってマハリナは永遠に特別な存在といえます。

今回彼女のゾベイダ役は、その役のハマり度といい、ルジマートフとの長年の信頼関係によるパートナーシップの上でも、感動的な『シェヘラザード』を見せてくれたと思います。
以前見たときより、胴周りが豊満なられたことは軽いショックでしたが、そのぶん女王的な迫力と色香で、濃厚な物語世界に誘ってくれました。

26日は女王として、上に立つ者のプライドが見え隠れし、最初から全てをさらけ出すというより、徐々に誘惑や愛の姿が濃厚になっていった感じに見えました。
妖艶な気高さを持ったゾベイダ=マハリナに最初から翻弄されて、ルジマートフの方はどんどんのめり込んでいく感じ。

27日は、品位は残しつつ、もう序盤から「金の奴隷」を愛しく思う“熱”が目線や表情から溢れていて、最後まで大変ドラマティックでした。
もう、床に仰向けで寝転がるところなんて、「私の身も心も全てあなたにあげます」と曝け出すかのように、役に入り込んだ濃厚な演技が凄い。
ゾベイダが自決する最後の瞬間までの一瞬一瞬の心の動き、細かい部分まで見事に演じていて、とても素晴らしかったです。
切ない状況ながらも優しい微笑み湛え、愛する人との逢瀬の時間だけは、満たされて幸福に感じている。最後はやはりグッときますね。王も悲しい...。

ルジマートフ以上に「金の奴隷」がピッタリなダンサーはいないと思いますが、彼女以上ゾベイダを見事に演じられるダンサーも、なかなか見当たらないのではないでしょうか。


さてルジマートフの方は驚くほど若返ってスッキリした印象。
鍵が開かれゾベイダの下に放たれた時は、自然な綺麗さと若々しさに驚かされました。
官能的な作品ではありますが、全く生々しくなくて浄化された美しさです。
両日とも踊りのキレがとても良かったですよ。
姿かたちも役のイメージにはやはりピッタリだと改めて思いましたが、やり過ぎない品位のあるところがこの舞台を最後まで美しい印象にしてくれたのだと思います。

マハリナ=ゾベイダを崇め、足元に縋り、目線を彼女に向けるところはまだ若い純粋な少年にも見えるほど一途です。
官能的な高まりも見て取れますが、その場だけの戯れの愛ではない。けっして彼からは馴れ馴れしくしないけれど、真っ直ぐな気持ちでゾベイダを崇拝し、愛する姿。
この2人でしか表現し得ない世界が、この古い作品を輝かせ感動的なものにしてくれる...見るものの心を揺さぶってくれるのでしょう。

しかし、結構この「金の奴隷」は、あっさり簡単に殺されてしまうのが毎度の事ながら残念。 断末魔の引きずりも殆ど無いので、もう少したっぷり見たいですね。
逆にゾベイダは絶望感を表したり、王に許しを請うなどの見せ場が用意されているので、彼女が最後に自害するまでの演技が特に印象に残りました。

個人的な印象ですが、この作品に限らずルジマートフがマハリナと踊るとき、どうもマハリナが年上というか主人のよう、もしくは憧れの対象というように見える。(勿論彼女も尽くされっぱなしじゃないのですが...)
何というか理解しあった大人の関係に見えて素敵なんですよ。


(カーテン・コール)

ところで、26日はルジマートフの誕生日という事で、カーテンコール時にキラキラしたテープ落ちと「Happy Birthday To You」のメロディが流れ観客と出演者全員から祝福されていました。お誕生日おめでとう♪
ルジマートフの方はちょっぴり戸惑っていたように見えましたが...(笑)

27日はツアー最終日という事で、前日とはまた違った演出で左右両脇から、紙ふぶきをドバッと噴出させるというもの。
その音が、大砲のようだったので、舞台上のマハリナさんは、かなりビックリしていました。私もドキッとしたわ。あれは心臓に悪い...。
素晴らしい熱演に感動した会場の皆さんは、スタンディング・オベーションで出演者達を讃えていました。





2004年06月26日(土) ■
◆『ルジマートフ&ロシア国立バレエ団』(Aプロ&Bプロ)ファルフ・ルジマートフ、ユリア・マハリナ、他 (04/07/04up)



6月26日16:00〜(Aプロ)
6月27日15:00〜(Bプロ)
Bunkamuraオーチャードホール
(音楽はテープによる演奏)

〔芸術監督:ヴァチェスラフ・ゴルデーエフ〕



26日(Aプロ)、27日(Bプロ)とルジマートフとマハリナの『シェヘラザード』を観に、渋谷のオーチャードホールに行ってきました。
私はこの二人の『シェヘラザード』が以前から好きで、公演のたびに感激して、暫くその高揚感が残ります。
リムスキーコルサコフの音楽が耳に残り、二人の熱演ぶりを思い出してしまいますね。

今回は約3年ぶりに1幕通しで拝見することが出来ました。
公演内容は、両日とも1部がロシア国立バレエ団による様々なガラ形式の踊り、2部に『シェヘラザード』です。


〖Aプロ〗6月26日
《第1部》
このAプロは滅多に上演されない作品が多くて興味深かったのですが...。


【ベニスのカーニバル】よりグラン・パ
〔振付:M・プティパ、 音楽:C・プーニ〕
アシキミナ、スモリャニノフ、ロシア国立バレエ団
コール・ド付きで、明るい幕開けには合っていますが、特に印象的でもなかったですね。


【くるみ割り人形】よりグラン・パ・ド・ドゥ
〔振付:V・ワイノーネン、 音楽:P・チャイコフスキー〕
タギロワ、ブルラーカ
聞き覚えのある音楽で、再び集中力が戻りました。ブルラーカが細身でノーブルな雰囲気で良かったですよ。


【オンディーヌ】「ナイアードの漁夫」より
〔振付:M・プティパ、 音楽:C・プーニ〕
イワーノワ、アブリツォーワ、グエイケル、ロシア国立バレエ団
結構長かったですね。この作品はしっかり背景美術が用意されています。最初の『ベニスのカーニバル』と同じ音楽、振付家で、ストーリーはあるにせよ、何か盛り上がりに欠けていました。個性のない凡庸な古い作品という印象。
プーニの音楽は眠気を誘います。少々辛かった。バレエに音楽は重要だと思い返しました。


【盲目の少女】
〔振付:V・ゴルデーエフ、 音楽:L・リッチ〕
千野真沙美、プロツェンコ
ゴルデーエフの作品。音楽(アレンジ)の感覚が古い。千野さんは良く踊っていますが、前の作品の影響で、私の見る集中力が戻らなかったです。


【パガニーニ】
〔振付:V・ゴルデーエフ、 音楽:G.F・ヘンデル〕
ブルラーカ、マニン
男性2人によるゴルデーエフ振付の作品。衣装というより小道具として大きな黒いマントが色々な役割をしています。マジシャンのようにもう一人のダンサーを隠したり、出現さてポーズをとらせたりと工夫されていました。 ダンサーは身体の線が際立つ全身タイツ系。
重いテーマを扱っていて、ヴァイオリンを弾いている様子、キリスト磔刑ポーズなど、苦悩の様子を描いておりました。
でも、私的には振付や演出が苦笑の連続。それにマニンのスタイルと踊り(特に脚)が美しくなくてイマイチでした。スミマセン...。ブルラーカは良かったですよ。
全体的にインパクトは強かったので、目に焼きつきましたが...。


【ゴパック】「タラス・ブーリバ」より
〔振付:R・ザハロフ、 音楽:V・ソロヴィエフ=セドイ〕
ムラヴィネツ
短いながら、ロシアのバレエ団のガラ公演によく見かける作品ですね。
元気が良くて、ジャンプの高さとキレが際立つダンサーが踊ると、とても爽快です。
今回踊ったムラヴィネツも若々しくスポーティーで、観客から大きな拍手を浴びていました。


【ワルプルギスの夜】オペラ「ファウスト」より
〔振付:L・ラヴロフスキー/ V・ゴルデーエフ、 音楽:C・グノー〕
オソキナ、アヴェリン、テリャニコフ、ロシア国立バレエ団
『ワルプルギスの夜』は音楽が馴染み深いのと、目にも楽しくて好きな作品です。
このバレエを観るのは2度目でしたので詳しく解りませんが、一部音楽が抜けていたように思います。
さて妖しく禍々しい饗宴の場面は様々な者が登場し、とても華やかです。
美術、衣装も鮮やかでダンサーも皆、活気に満ちていてとても面白かったですね。
オソキナとアヴェリンの高いリフトも迫力があり、特にテリャニコフは回転系が得意なようで、大サービスというくらいテクニックを披露していました。
その他全体の調和も良かったと思います。
終わって拍手をしていたら、全員で最後の部分を再度アンコールとして踊ってくれました。ビックリしたわ!


〖Bプロ〗6月27日
《第1部》

【ナイーナの踊り】オペラ「ルスランとリュドミラ」より
〔振付:M・フォーキン、 音楽:M・グリンカ〕
ウシュジャニノワ、プロチェンコ、タギロワ、ロシア国立バレエ団
これも初めて。有名な前奏曲しか知らなかったので、内容も知らずに見ました。。
解説によると、魔女ナイーナが自分の魔宮にルスランをおびき寄せ、美しい乙女達が豪華な接待をして彼を幻惑させようとしている場面らしい。
薄いピンク系の衣装の群舞が多数登場し、様々なフォーメーションで場面を盛り上げます。
華やかで明るい感じのもので、プログラム導入部には良かったと思います。


【バヤデルカ】より太鼓の踊り
〔振付:M・プティパ、 音楽:L・ミンクス〕
ウシュジャニノワ、プロチェンコ、タギロワ、ロシア国立バレエ団
「このような踊りも得意にしていますよ」ということで、バレエ団初来日公演のプログラムに組み入れたのかな。
通常は2幕の婚約式場面に登場する元気なこの踊り、『バヤデルカ』の中でも楽しみな部分です。単独で見るにしても活気があっていいですね。楽しい気分になりました。


【白鳥の湖】グラン・アダージョ
〔振付:L・イワノフ、 音楽:P・チャイコフスキー〕
イワーノワ、フォーミン、ロシア国立バレエ団
お馴染みの2幕のグラン・アダージョ。しっかりコール・ドも付いていました。
悪くは無かったけど、特にダンサーの個性までは見出せませんでした。


【海賊】より奴隷のパ・ド・ドゥ
〔振付:M・プティパ、 音楽:P・V・オルデンブルグ〕
アシキミナ、グエイケル
けっこう良かったです。アシキミナの踊りとスタイル、それと腕の動きが美しかった。
グレイケルは奴隷商人にしては品があったかも。でも2人の踊りとしては大変纏まっていて綺麗でした。
あと、気になったのは、ランケデム役の男性の衣装に『シェヘラザード』風の胸当てが付いていて『海賊』にしてはヘンだなと思っていたら、この後の『シェヘラザード』のプロローグにやはり登場していました。


【アルレキナーダ】
〔振付:M・プティパ、 音楽:R・ドリゴ〕
千野真沙美、マニン、ロシア国立バレエ団
可愛くチャーミングな作品のわりには、何だか魅力に欠けていました。もっとキュートに演じて欲しかったです。


【愛のメロディー】
〔振付:V・ゴルデーエフ、 音楽:アルゼンチン民族音楽 アレンジ:J・ラスト〕
タギロワ、ブルラーカ
音楽はアルゼンチン民族音楽ということですが、アレンジが良くない。
踊りは美しかったけれど、どうもゴルデーエフの振付、特出した魅力が伝わってこないのよね。


【ドン・キホーテ】よりグラン・パ・ド・ドゥ
〔振付:M・プティパ、 音楽:L・ミンクス〕
オソキナ、テリャニコフ、サヴヴィナ、プロツェンコ、ロシア国立バレエ団
オソキナは、明るく粋に踊りこなしていて、とても良かったです。
テリャニコフはテクニック全快でしたが、勢いあまって時々バランスがブレるところもあって、前日に観た『ワルプルギス』の方が良かったかも。
最後のコーダでは特別演出になっていて、全出演者がそれぞれの衣装のまま踊りながら登場し、華やかに幕となりました。


ありがちなパ・ド・ドゥ集ばかりだと思っていたら、美術やコール・ドもきちんと付け、意気込みのある真面目な初来日公演だったと思います。
出来ればA、Bプロどちらかに、短くても構わないので完結する小品も見たかったですね。

(2部は翌日へ続く→)



2004年06月22日(火) ■
♪モーリス・ベジャール・バレエ団【Bプロ】『魔 笛』ジル・ロマン、ドメニコ・ルヴレ、ジュリアン・ファヴロー(04/08/31up)


BBSより転載(観劇後、簡単に書いたものにキャストなど追加)

弁者: ジル・ロマン
タミーノ: ドメニコ・ルヴレ
パミーナ : ルース・ミロ
ザラストロ: ジュリアン・ファヴロー
夜の女王: エリザベット・ロス
パパゲーノ: 那須野圭右
パパゲーナ: カトリーヌ・ズアナバール
モノスタトス: アレッサンドロ・スキアッタレッラ

夜の女王に仕える三人の侍女:
 カテリーナ・シャルキナ、 ルイザ・ディアス=ゴンザレス、 長谷川万里子

三人の童子: バプティスト・ガオン、パスカル・アルベリコ、 ジュリアーノ・カルドーネ
三人の僧侶:  ティエリー・デバル、 ヴィトー・ルチアーニ、 スタン・カヴァール=ロエ
三人の奴隷: ロジャー・カニンガム、 マ-ティン・ヴェデル、 イーゴル・ピオヴァノ
二人の武士: オクタヴィオ・スタンリー、 マーティン・ヴェデル

イシス: レティシア・レスカ
オシリス : デニス・ヴァスケ



22日にベジャール・バレエの『魔笛』を観ました。
有名オペラが下地の2幕もの作品で、管弦楽によるバレエとは一味違い、人の声は新鮮。
また、よくあるコラージュ的な音楽の使い方ではないので、全体的に一貫性も感じます。
その分、盛り上がるところと静かなところの波があまり無く、場面が変わっても全体の雰囲気にそれほど変化が少なかった印象です。
それと「群舞が一斉に踊る」という場面が少ないようにも思いましたが、それぞれの役が活かされ、ダンサーの個性を楽しむには面白いと思いました。

印象に残ったキャスト。
まず、夜の女王役のエリザベット・ロス 。あの存在感は、本当に凄いですね。
登場して歩いているだけでも圧倒的な個性で、見るものを釘付けにします。辺りの空気を変えるオーラというか...。
女王の威圧感、でも母性的でもあるし、“女”でもある...。見ごたえのある方ですね。

ザラストロ役、ジュルアン・ファブロー のゆったりした大きな踊りは、一つ一つの動きの軌跡がきれいで、スゥーと自然に見入ってしまう感じ。
役柄の為か、現世を忘れさせてくれる高潔な雰囲気がとても美しくて良かったです。

パパゲーナ役のカトリーナ・ズアナバール は、そんなに出番が多くなかったですが、パッと輝く華があって印象に残ります。鮮やかなカラーの衣装もよくお似合いでした。

タミーノ役のドメニコ・ルヴレ は、独自の個性を持っていで雰囲気は良かったです。でも、あんなに出番が多くて、踊りも沢山見ることが出来たのに、こじんまり纏まった印象。ダンスによるアピールがもう少し欲しかったですが、静かな円熟味を感じました。

パミーノ役のルース・ミロ は、複雑な胸中を表現するこの役に合っていたと思います。表情が豊かなので、役柄がとても解りやすく伝わってきました。
ただ、体形的にあの白いユニタード衣装があまり似合わないような...。スミマセン。

ジル・ロマンが演じた弁者 。大変よく通るお声。とにかく迫力ありますね。気の利いた演技が面白くて、良い味を出していらっしゃいました。身体からみなぎるパワーは秀逸。

今回は前方席で鑑賞したせいか、舞台上奥の一段高くなっているところでパフォーマンスされると目が届かなくなってしまいました。
例えば、イシス&オシリスなどが見づらかったのが、少し残念。
それと左右の字幕表示も、殆ど見ることが出来ませんでした。初めて観る場合は読んでおいたほうが良かったのかな?


《カーテン・コール》

一幕が終わって休憩に入った時、NBSの方?が座っている席に来られ、「今日でベジャールさんがお帰りになるので、カーテン・コールで前に出てこられたら、舞台に花を投げ入れてもらえますか?」 と、一輪の赤い薔薇の花を渡してくれました。こんなこと初めて!

最後のカーテン・コール時、“一斉に”というわりには多少バラつきもありましたが、前方席から花の投げ込み!
私もベジャールさんに向かって、思い切り投げさせて頂きました。(^.^)

そして佐々木団長が登場し、自ら大きな花束をベジャールさんに渡されていました。
頭上からメッセージ看板。客席全体はスタンディング・オベーションでベジャールさんを讃え、大いに盛り上がっていましたよ。
ベジャールさんが下がったあと、ダンサーの皆さんが床に散らばった花を拾い、笑顔でカーテン・コール。幕が下りた後には、幕の内側で大きな拍手が聞こえてきました。

ベジャールさんですが、以前は吸い込まれそうに強烈な眼力と、力強い威圧感が凄いなぁと感じていましたが、今回はとにかく懐が広く優しげな印象でした。

これからもお元気で頑張って頂きたいと、心から願っています。



2004年06月14日(月) ■
♪サラ・ブライトマン【ハレム】 ジャパン・ツアー2004《東京&大阪公演》 (04/08/31up)

BBSより転載(観劇後、書いたものに加筆)


6月14日 19:00〜 日本武道館(東京)

【第1部】
1. ハレム Harem (Cancao do Mar)
2. ビューティフル Beautiful
3. イッツ・ア・ビューティフル・デイ It's A Beautiful Day
4. ダスト・イン・ザ・ウインド Dust In The Wind
5. リヴ・フォーエヴァー Who Wants To Live Forever
6. エニィタイム・エニィウエア Anytime, Anywhere
7. ネッラ・ファンタジア Nella Fantasia
8. ストレンジャー・イン・パラダイス Stranger In Paradise
9. ラ・ルーナ La Luna
10. ネッスン・ドルマ(誰も寝てはならぬ) Nessun Dorma

【第2部】
11. ノー・ワン・ライク・ユー No One Like You
12. アラビアン・ナイツ Arabian Nights
13. ザ・ウォー・イズ・オーヴァー The War Is Over
14. フリー Free
15. この素晴らしき世界 What A Wonderful World
16. 青い影 A Whiter Shade of Pale
17. オペラ座の怪人 Phantom of the Opera Suite
18. リトル・ロッテ Little Lotte
19. ウィッシング・ユー・ワー・サムハウ・ヒア・アゲイン(墓場にて) Wishing You Were Somehow Here Again
20. タイム・トゥ・セイ・グッバイ Time To Say Goodbye
21. ザ・ジャーニー・ホーム The Journey Home (DVDのみの収録)
22. ア・クエスチョン・オブ・オナー A Question Of Honour




私の好きなサラ・ブライトマンの『harem』World Tour 日本公演に行ってきました。
コンサートというカテゴリーに分類できないくらい、もう演出にしても、ビジュアル的にも、桁違いに素晴らしい公演でしたよ。
でも何と言っても、サラの七色のクリスタル・ボイスの美しさといったら!! 
なかなか興奮が収まりません。

サラのステージは毎回、コンセプトがはっきりしていて、今回はアルバムのイメージとおり、中近東、アラブ、インド周辺の、幻想的でロマンティック、そして官能的な世界を作り上げていました。
アラビアンナイトの宮殿や王女、砂漠や宇宙、広大な空などの空想イメージは、サラが子供の頃からお気に入りだったと言います。

武道館アリーナ席の中心には、大きく後方まで花道が作られ、その先には星型に造られたサブステージ。更に先端には、大きな金の香炉が置かれ、香を燻らせています。
私はサブステージにとても近い席でしたので、こちらでまで来て歌ってくれると、すぐ目の前でサラを見ることが出来ました。
メインステージのある前方には、天井から下がっている大きな天幕。その内側にも椅子が何列か並べられ、そこに座った観客は、幕が閉まっても、その中を見ることが出来るようです。

サラのショウは一曲一曲、演出や衣装が凝っていますし、彼女は曲にあわせて発声法を変えられるので、そういった面でも楽しませてくれます。全てに圧倒されまくりでした!!
ある曲では、サラがブランコに乗ってゆらゆら頭上で歌い、その時天井から無数の花びらが落ちてきたり、宙乗り(フライング)や、アコースティックギターだけで、囁くように歌ったりetc・・・曲それぞれで色んな印象を与えてくれます。
舞台背景は映画館のスクリーンのようになっていて、大きな月や炎、星空など、曲にあわせて情景が変えられて、とても綺麗なこと!!
ショウを盛り上げる8人の女性ダンサー達の素晴らしいアラビックで妖艶な踊りは、『harem』の世界観と相まってとても素敵。

毎回ショウの最後は、《オペラ座の怪人》からの曲を歌ってくれますが、今回はその主役クリスティーヌの、花嫁衣裳そっくりないでたちで登場し、『墓場にて』を熱唱。
サラの中で最も有名な『Time To Say Goodbye』、TV朝日系サッカーのニュースや中継で流れる曲『A Question Of Honour』でアリーナ席全体に紙ふぶきを降らせ、興奮のうちに終了となりました。
とにかくショウの空間は別世界。最高に幸福なひと時でした。



6月16日 19:30〜 大阪城ホール(大阪)

サラ・ブライトマン大阪公演に行き、ついでに奈良や京都などを色々まわって、週末に帰ってきました。
梅雨の季節なので何日か前まで天気の心配をしてましたが、真夏かと思える程の晴れっぷり。昼間は暑くて体力の消耗が激しかったけれど、コンサートの感動で疲れが吹っ飛び、満足感でいっぱい。
大阪の街は初めてだったので、交通機関に慣れていなくて、乗り換えなど結構戸惑います。電車内の車内路線図の文字とか、とても小さいのね。

コンサートですが、大阪のお客様もやはり年齢層が幅広かったですね。かえっておじ様おば様たちが、元気良くサラに声援を送っていたのが印象的でした。
一曲ごと落ち着いてしっかり歌を聴いていますが、歌い終わった時の声援とか、サラが花道を歩いている時に大きく手を振る反応の良さは、大阪イイじゃんと思いました。(笑) 最後も素早く全体がスタンディングになり、気持ち良く盛りあげてくれるし。

席は天幕の内側あたりを目論んだのに残念ながら駄目。けれど、アリーナの前から2列目だったので、東京では見えなかった、舞台のつくりや、サラの表情がじっくり見えて、とても良かったですよ。ちょっぴり裏方の細かい舞台進行まで見えてしまいましたが...。

この壮大な歌とパフォーマンスのショウは、目にも、耳にも、そして(お香により)匂いまで配慮し、楽しませてくれます。
その上かなり危険を伴う、舞台パフォーマンスも挑戦してくれて、サラのショウにかけるプロ根性と情熱をとても感じました。
エンディングでは会場いっぱいに銀や青の紙ふぶきが舞うのですが、私はちょうど噴出し口近くだったので、もろにかぶりまくり。(笑)良い記念になったかも。
『harem』は視覚的にも美しいショウなので、今度はスタンドから全体を見てみたいですね。

アジアツアーは何カ国に及ぶハードスケジュールなのに、声の調子はそれほど変わりなくて良かったです。札幌、東京、名古屋、大阪(日本最終)、2日後にはもう他の国で公演。サラには頭が下がりますね。

ところで今回、ツアー限定の「harem Tour Limited Edition」なるスペシャルCDが公演会場で販売されていました。未発表曲ばかり収録されたもので、坂本龍一氏の「戦場のメリークリスマス」に歌詞をつけたものや、グレゴリアンとの曲等、聴くことが出来ます。
ところがこのお宝度が高いCDは、あまりにも地味に販売し、一部の会場では売らなかった為、買えないファンが多く発生してちょっと問題になったみたいです。
出来が良いだけに、今後一般発売されるようになったら、皆さん喜ぶと思いますが、どうでしょうかね。



2004年06月12日(土) ■
♪モーリス・ベジャール・バレエ団【Aプロ】『海』『バトリー・フィガス』『これが死か?』『バクチ』ロス、ファヴロー(04/08/31up)


BBSより転載(観劇後、簡単に書いたものにキャストなど追加)

【海 LA MER】
彼女: エリザベット・ロス
彼 : ドメニコ・ルヴレ
ビム: ジュリアーノ・カルドーネ

シレーン(海の精)たち: 
カルリーヌ・マリオン、セリーヌ・シャゾ、フニ・モイアッシ、ルース・ミロ、オード・ブレトルズ、カトリーヌ・ズアナバール、レティシア・レスカ

ダンス・クラスの生徒たち: 
長谷川万里子、アエシャ=ザキア・アッシュ、ルイザ・ディアス・ゴンザレス、クリスティーヌ・ブラン、カテリーナ・シャルキナ、エミール・デルベ

女性全員、男性全員

【バトリー・フュガス BATTERIE FUGACE】
ジル・ロマン

【これが死か? SERAIT-CE LA MORT?】
オクタヴィオ・スタンリー
カトリーヌ・ズアナバール
ルイザ・ディアス・ゴンザレス
ルース・ミロ
カルリーヌ・マリオン

【バクチ BHAKTI】
《�機�
崇拝者: バプティスト・ガオン
ラーマ: ジュリアン・ファヴロー
シータ: ルチアーナ・クロアット

教徒たち:
ロジャー・カニンガム、 ウォン・シーチー
ウィリアム・ペドロ、 フランソワ・モウデュー
ヴィトー・ルチアーニ、 パスカル・アルベリコ
アレッサンドロ・スキアッタレッラ、 ニール・ジャンセン
デニス・ヴァスケ、 那須野圭右

《�供�
崇拝者: イゴール・ピオヴァノ
クシュリナ: イゴール・ピオヴァノ
ラダー: ルース・ミロ

女性たち:
レティシア・レスカ − ダフニ・モイアッシ
カルリーヌ・マリオン − エミール・デルベ
アエシャ=ザキア・アッシュ − オード・ブレトルズ
セリーヌ・シャゾ

《�掘�
崇拝者: スタン・カバール=ロエ
シヴァ: ドメニコ・ルヴレ
シャクティ: キャスリン・ブラッドネイ

教徒たち:
パスカル・アルベリコ
アレッサンドロ・スキアッタレッラ
ヴィトー・ルチアーニ − ウォン・シーチー
ニール・ジャンセン − フランソワ・モウデュー



12日に行ってきました。ベジャール作品を多く見ていない私には、全く先が読めなくて、何が出てくるか解らないという面白さをがあります。
今回は、新作の『海』 、日本で初めて披露される(でも古い作品)『バトリー・フュガス』 、傑作として名高い『これが死か』、『バクチ』 というプログラムです。
会場は落ち着いた雰囲気。私のまわりはかなり年齢層が高く、しかも一人でいらしてる方が多かったみたいです。きっと古くから熱心なファンが見守ってきているのね。


『海』 はベジャール自身の自己回帰のような作品。数篇のポエムを見ている感じ。
遠い少年の頃、海への憧れ、想像の中の美しいセイレーン(海の精。怖くはなさそう)、美しい女性、ダンスと初めての振付、海辺の町...。
少年ベジャールの思い出の中を、観客は垣間見るという感じ。

音楽も気持ちの良い曲や、クラシックの美しいものが多い中、U2のところは特に生気溢れて見え、印象に残ります。
それと、ビム役のジュリアーノ・カルドーネと彼女役のエリザベット・ロスの優しい抱擁シーンが作品中なぜか後々まで脳裏に焼きつきました。
ロスはファム・ファタル風味たっぷり! カルドーネは容貌の含め、純粋な少年期の役には合っていたと思います。

『バトリーフィガス』 はジル・ロマンのソロですが、精神が圧迫され、狂気のボルテージがどんどん上がっていく様子を表してるように見えました。(違うかな?)
ジルの表現の迫力に圧倒されます。かなり近くから拝見できたので、その表情の多彩さといったら驚くばかり!! とても短い作品ですが(ジルによって)濃いです。

『これが死か』 は本当に美しい作品ですね。クラシカルな動きとゆったりとした高まり。 それにリヒャルト・シュトラウスの歌曲があまりにも美しくて、うっとり...。
ただ、この日出演した、オクタヴィオ・スタンリーの踊りが、もっさりと重くキレがないのと、踊りがあまりにも美しくない。それに表現に繊細な精神的なものもあまり伝わってこなかったのが残念。
作品的には私のモロ好みだと思うだけにちょっとなぁ...。
女性達4人、ズアナバールは映え、ディアス・ゴンザレスは若々しく、ルース・ミロは表情豊か、マリオンは大人っぽくしっとりという感じ。

『バクチ�機� 白が基調の神秘的な世界。シータ役、ルチアーナ・クロアットのはまり具合が印象的。インドの寺院に飾られた女神像そのもののような雰囲気でピッタリでした。
ラーマ役のジュリアン・ファブローの踊りは基本の動きから大変綺麗で、もっとたっぷり見たかった。 彼の『これが死か』はどんなだったのかな?

『バクチ�供� はピンク系の衣装。愛の世界というのか、終始微笑む表情のルース・ミロが印象に残る。
�気�、無表情の静かな世界だったので和み系パート?皆素足で踊っていたような...。

『バクチ�掘� は赤が基調の迫力あるパート。怒りのような形相のシャクティ役、ブラッドネイの西洋的に派手な容貌が不思議な感じ。
激しい音楽にのって、ハイになったように踊る�靴蓮△笋呂衞滅鬚ぁ�あの人で見たいとか、妄想が沸いてきますね。




2004年06月06日(日) ■
♪ 新国立劇場バレエ『眠れる森の美女』ザハロワ、ゼレンスキー、前田新奈、イリイン、寺島ひろみ、トレウバエフ(04/08/31up)


BBSより転載(観劇後、簡単に書いたものにキャストなど追加)
14:00開演

オーロラ姫: スヴェトラーナ・ザハロワ
デジレ王子: イーゴリ・ゼレンスキー
リラの精: 前田新奈
カラボス: ゲンナーディ・イリイン
フロリナ王女: 寺島ひろみ
青い鳥: マイレン・トレウバエフ
国王:長瀬信夫、 王妃:深沢祥子

《妖精達》 優しさ:大森結城、 元気:湯川麻美子、 鷹揚:本島美和、
呑気:西山裕子、 勇気:遠藤睦子、

ダイヤモンド:西山裕子、 サファイヤ:鶴谷美穂、
金:大森結城、 銀:丸尾孝子
白い子猫:真忠久美子、 長靴をはいた猫:グレゴリー・バリノフ
赤ずきん:中島郁美、 狼:貝川鐵夫


〔指揮:ボリス・グルージン、 演奏: 東京フィルハーモニー交響楽団〕


ザハロワ&ゼレンスキー出演の新国立バレエ『眠れる森の美女』を観てきました。
新国の『眠り』は、本家マリインスキー劇場と同じセルゲイエフ版。
マリインスキーの来日公演では、時間の関係?からか、何箇所か省かれてしまった場面も、きっちり上演するので、休憩時間を合わせて3時間30分とかなりたっぷりの長丁場です。

さて、オーロラ姫役のザハロワですが、やはり硬質のダイヤモンドのように圧倒的な輝き。舞台に登場した時から、そこだけ明かりが照らされているような“華”は見事なものでした。
ただ登場時から、オーロラ姫としての初々しさ、求婚者が現れての戸惑いとか、その辺の細かい役作りというのはそれほど見えず、「ザハロワ」として最後まで輝いていたという感じです。

1幕のローズ・アダージョでは、途中えっ?と思う程、荒っぽい花の投げ方(王妃に向かって)をするので、ちょっと気になりました。
初めからそういうものなのか、家に帰ってから、吉田都さんが客演した、新国『眠り〜』録画ビデオを引っ張りだして確認。
結局“花”は王妃に手渡さず、投げるのですが、都さんは非常に丁寧で、優しい雰囲気を醸しだしていて「正にオーロラ姫そのもの」といった感じ。ついつい最後までビデオを見入ってしまいました。
ザハロワは時々、演技に繊細さを失うところがあって、ちょっと残念。

でも、彼女のの身体のラインや肢体は、今最高レベルのダンサーと言って間違いないでしょう。
“踊り自体の美しさで魅せる”という意味では、本当に素晴らしいダンサーです。
よく古典の「白いバレエ」が似合うと言われますけど、案外個性の強い役も似合うんじゃないかな。 美しくて強いという印象。


さて、昨年のマリインスキー来日公演では、怪我の回復具合が良くなくて、会場に来ていたけれど踊らなかったゼレンスキー 。なんだか久々な気がします。
正直、絶好調ではなく、幕が進むにつれ、体力が消耗していく様子が見えました。
しかし、身体の表現の美しさ、落ち着いた演技はさすがです。
見事な王子としてのたたずまい、サポート、ゆとり、全体に神経が行き届いていて、とても素晴らしい。
とくに2幕の幻影の場面、理想の姫を見つけたときの心が沸き立つような表情と熱のこもった演技は、王子の心情がとても伝わってきました。
私は、この作品中、2幕の優雅な場面と音楽が一番好き。ゼレンスキーもこの場面は特に良かったですね。

カラボス役はイリイン。ちょっと迫力が足りないなぁ。これから経験によって、このキャラクターの個性が出てくると思いますが。

フロリナ王女の寺島ひろみさんは、以前に見て気に入り、とても期待していたのですが、今回は、自信なさげというのか、弱弱しかったです。
彼女の優雅な踊りは好きなので頑張って欲しいと思いました。

ダイヤモンドの精の西山さん、うーん、調子悪かったのでしょうか?なんか良くなかったです。

リラの精の前田さん、子猫の真忠さんと長靴をはいた猫のバリノフは、とても素敵でした。