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■ Dの食卓 ��
ここまでが、以前見た夢の話。 ここからは昨日見たこの夢の続きである。
近所の子供が庭を走りまわっている。 「何をしているのか」 とたずねると 「ここでこれからあそぶのだ」 と答えた。 私は笑って、そのまま自分の部屋に戻った。 窓から子供たちが遊んでいるのを見ながら、ふと、その場所について 思い出したのだ。
息がとまりそうになった。
そう、その場所は、私が少年の死体を埋めた場所だった。 なんてことだ、 私は今の今迄、少年を殺したことすら忘れていたのだ。
慌てて見上げた天井に近い場所にあるアレも 変わらずそこにあった。
誰も触れていなかったので、ホコリが積もっている。
なんてことだ…。 私は人を殺した上に、そのことを忘れていたなんて… あの時は後先考えず、とりあえず庭なんかに埋めてしまったが 今思えばなんて馬鹿な場所にしたのだろう あんな場所、 子供がちょっと掘り返す事も在るだろうし、 私はあのときそんなに深くまで掘らなかった。 何てことだ…。 何てことだ…。
子供たちは何時の間にかいなくなっていた。
私はひたすら恐怖に怯えていた。
もしも…殺したことがばれたら…。 私は刑務所送りだ。 「殺す気などなかった!」 といったって、たいした理由(デッサン)もないのだから、 罪は重い、留置所で4年、いや10年… 時効になるには何年だ? 15年…?いや待てよ、誘拐し、バラバラに殺害。 その上証拠隠滅のために埋めた。 一つ一つに罪が重なって、一体…、私は死刑にされるのか、いや、 日本だから死刑は免れたとしても…
気の遠くなるような時に愕然となる
デッサンをするつもりだった腕の入った箱が、 今も私の部屋にある。 日に照らされて、影を映している。 黒ずんだまるで血のように見えた。
箱から腐敗臭がして来そうで、 私はそれに触れることは出来なかった。
始末しなくては…。
少年がひたすら哀れだった。 自分の愚かな、じつにくだらないことのために 殺された少年が。 きっと死んでも死にきれなかったろう。
罪悪感にとらわれ、恐怖に震え始めた私は 必死に救いを求めた。 神に。 救われるはずなどないのに。 人間は愚かである。
恐怖に打ちひしがれ、ただひたすら逃げ惑い 動けなくなってたたずむ
ここで目が覚めた。
布団の中で目が覚めた私は、慌てて回りを見渡し ダンボール箱を探す。
しかし、それがのっているはずのタンスがこの部屋にはなかった。
「夢……」
違う。私は現実と夢が混ざってしまって 混乱していた。
違う。私はあのあと怖くなって、 死体全てを焼き払ったんだ。
そう、たしかに箱にいれ別にしたが、 結局すぐ燃やしてしまったのだ。 夢じゃない…本当に殺したんだろうか…
しばらくは考えていたのだが、 やっと1時間位経過して、私は夢であったことを 現実として受け入れた。
しかし、 何てことだ… なんでこんな大事なことを忘れていたんだろう。 私は少年を殺した。 殺したんだ。 私の手で。
たとえ夢でも…。
罪を犯している時、不思議と罪悪感というものは無い物だ。 では人間を突き動かしているものは一体何なのだろう。
無意識という化物の方が体の主導権を握る時、 夢は本来の自分の姿を忠実に反映している世界なのかもしれない。
2001年05月24日(木)
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