petit aqua vita
日頃のつぶやきやら、たまに小ネタやら…

2003年06月29日(日) リターン〜マンガ読み直し、はまり直し

えーと。以前読んでいたマンガを何かのきっかけで思い出し、読み直して、しかもはまり直すことを、私は「リターン」と言っていますが。

今度はドラゴンボールにはまり直しております。

ネットで偶然ベジータ×ブルマの小説を読んで、面白かったんですよ。
…んで、ドラゴンボールの小説サイトをあさりまくり、最終的には、悟空×チチに落ち着いて(?)のめりこみ、

もう一度原作読みたい!!!

…との熱が勃発。
ただ今、ドラゴンボール「完全版」を、ちょっとずつ揃えながら読み込んでいる最中です。

そしたらこれが、面白い!!
やっぱり鳥山明さんはすごい!

今読んでいるところは、天下一武道会のあたり(はじめての出場ね)なんですが、スーパーサイヤ人やフュージョンや元気玉が出てこなくても十分面白い!!!
悟空かわいい!!格好イイ!!
社会的に多少ズレていようが、社会的常識が身についていなかろうが、ニカっと笑って、「ま、いっか!」
「いいわけあるかーっっ!!」…などとツッコミ入れている周囲も楽しい♪
悟空も、「強い」けれど、決して全能ではなく、亀仙人に杖で叩かれて痛がってるし、ハードな修行でも、ぜえはあいいながらこなしているのが、今見るととっても新鮮です♪
……でも、亀仙人の修行って、すごいよな……。基礎体力の修行はもちろん、基本的な礼儀作法、勉強(教材にエロ小説使うのはどうかと思ったが、これも性教育だったのかと思えばまぁ仕方ないかな……ははは)、そして休憩までもがカリキュラムに入ってるんですから。
そして、その修行も、牛乳配達・畑耕し(素手で)・土方のバイトなど、やたらめったら周囲の木や石を破壊するような修行ではないんですよね。何かこう、「創造」につながるような、そんな修行が多いのが目につきます。
亀仙人、スケベなじいさんだけども、武道家としてはもちろん、教育者としてもあなどれませんね。(感心)

…まぁ、そんなこんなの楽しいリターン♪
しかも、完全版は、フルカラーページや、2色ページまでもきっちり再現してあるから嬉しいな♪コミックス版よりも版も大きいし♪
も少ししたら、あの、大好きなカリン様が出てくるんだよね〜♪
楽しみです。



2003年06月17日(火) 一週間ほどネット落ち〜。

仕事はたまりにたまってるし。(しかも会議前)
歌の発表会で練習があるし。(これは20日までだから、何とか終わりたい!そしたら少しはマシなんだ!)
夜は音頭会の練習!(事務局みたいなのしてるから抜けられないのさ)
そして月末の点心席の為に前年の資料の読み込みと準備!!
来月には劇の公演が本番だよまったくもう!台詞入れなきゃ、衣装作らなきゃ〜〜
!!

目がまわる〜〜。
……よって、一週間ほどネット落ちとなりそうです。
休んでないしなぁ…。
……せいぜい、ビタミン剤飲んで倒れることだけは避けたいです。

…まぁ、だいたい夏は暑さと湿気で溶けてるので、更新ペースは落ちるんですがね。
まだまだ書きたいものいっぱいあるのになぁ……。
………あ。仕事の原稿思いだしちゃった…………。(↓)

…………………。

……えーと。
まぁアレは…まだ猶予がある訳だし。(タラリ)
とりあえず、仕事の方は目の前の会議用資料に集中しよう。うん。



2003年06月12日(木) 同人女の心意気!(尊敬)

同人女。…いや、この際同人兄ちゃんでもいーや。
そういった人々は、やっぱし萌えてナンボだと思う訳ですよ。
それをエネルギーに、想像力・妄想力を総動員して創作・または創作されたものを楽しむ……ねぇ?

昨日、「女体化」をキーワードに(←私は女体化オッケーな人である。性格を崩してなければオッケー)して検索かけてたところ、それはそれは、すんばらしいサイトにめぐり会ったのです。

それは。

『キン肉マン�鏡ぁ戮如∨�太郎の女体化!!!しかも総受!!!

いや、素晴らしいですよ!!何がって、その萌え自体が!!
よくぞここまで!!ってーくらい、カマしてくれているのです♪
しかもそこの小説が面白くってさぁ♪
ここまで萌えてたら、まさしく同人姉ちゃんの鏡ですよ!少なくとも私にとっては!!尊敬します。はい。
いや〜、久しぶりに、ドラえもんのスネ夫×のび太←ドラえもんの三角関係同人誌や、サザエさんの中島×カツオ本を見つけた以来の衝撃でしたvv(←待て)
個人的には、そこのCPだったら、ケビン×万太郎(女)が私的にはツボです。ケビンの、あの「一見」冷酷そうなんだけど、実は万太郎にべたぼれで、しかしそれを素直に表現できずに悪態や冷たい態度になってしまう不器用さが愛しい……!万太郎も、最初は憎んでいるけど、そのうちふとしたきっかけでケビンの想いを知り、何とかそれを自分の目の前で(放っておくと眠っている時とか、自分があずかり知らぬところで告白されているので)言わせようと画策してるのも微笑ましい〜♪想いが通じ合った後の、独占欲丸出しな子供っぽいケビンも◎。

キン肉マンねぇ〜。懐かしいなぁ。二世はまだちゃんと読んでないけど、今度読んでみようかなぁ。
私が好きだったのは、師匠のプリンス・カメハメ。ラーメンマン。ウォーズマン。アシュラマン。バッファローマン。それからアタル様♪
外見でいえばネプチューンマンも好きだった……♪(だってハルク・ホーガン好きだったんだ…!スタン・ハンセンも好きだけど)


その他、女体化サイトでは、ツインシグナルで、シグナルの女体化サイトを発見!ここも面白かった♪CPがオラトリオ×シグナルで、ちょっと自分の好みからは外れるけど、面白いから読んじゃう♪
私の好きなCPは、オラトリオ×オラクルだからねー。あとはコード総受。
女体化するなら、オラクルとコードになってほしいな♪
オラクルは、ほややんとした天然系美女になるだろし、コードはねー♪♪今でも美人さんだけど、女になったらもっと美人さんだと思うんだーvv
そいでもって、うろたえるシグナルを押し倒して、その上に乗っかっちゃうんだよ♪――そう。女体化コードなら、誘い受を前提に、シグナル×コード(女)!!(←またイバラ道を…)
誰か書かないかなー?そのうち自分で書いちゃおうかなー?



2003年06月10日(火) 仕込み

……いえ、決してネタの仕込みではなく(笑)。
梅が手に入ったのでねー。
毎年恒例の梅ジュースの仕込みをしたんですよ。

梅ジュースといっても、私はお酢を入れてサワードリンクにしてしまうのですが。(この方が早くできるのよ〜)
事務所用のも、少しですがお酢は必ず入れます。
痛みにくくなるし、口当たりがさっぱりしていて良いのですよ♪
……ただし、事務所用のは、男の人が飲む率が高いので、お酢は自分用のよりも控えめ……三分の一くらいにしています。
…一度事務所用のがなくなって、自分用のを出したら、不評が出るわ出るわ………。私は全く平気だったんだけど。
男の人って、どーしてお酢が嫌いかねぇ?
おいしいよねぇ?

梅ジュースの類は、仕込みの時に多少の手間がかかるだけで、あとは放ったらかしにしておけばそのうちできるので、ずぼらな私でも毎年作るのです。

…何より、この梅サワードリンクがないと夏をのりきれないのです………。(私夏は溶けてますから。暑いの嫌い。湿気嫌い。…でも今住んでるトコはそれのダブルパンチ……とほほ)
…ま、夏に向けての年中行事ですな。しないと何か落ち着かない。

今年の出来はどうかな?できあがりが楽しみです。



2003年06月08日(日) 『マイ・フェア・レディ 3』(女の子ヒカル。オガヒカ)

「あら、精ちゃんじゃない。お久しぶりだこと」

緒方がヒカルを連れてくぐったのは、年季の入った暖簾のかかった狭い間口の店だった。
「ご無沙汰しています。美登里伯母様。こっちは棋士の進藤ヒカル」
そこでにこにこと出迎えてくれたのは、藤色の小紋を粋に着こなした…ヒカルの印象でいくと、「ちょっと年はいってるけど、色っぽいおばちゃん」だった。
その彼女に、緒方は丁寧に頭を下げる。そんな珍しい態度の緒方に驚きながらも、ヒカルもぺこりと頭を下げた。
「こんにちは」

ヒカルの様子に、美登里は微笑みながら、こちらは両手を丁寧についてしなやかにお辞儀した。
「いらっしゃいませ。呉服『あつみ』の女将、渥美 美登里と申します」
「うわぁvvすっごい、お辞儀とかすっげぇキレー♪時代劇に出てくる人みたいvv」
ヒカルの素直な賞賛に、女将はにこにこと笑う。
「時代劇には出ておりませんけど、お座敷には出ておりましたよ。」
「…もしかして、ホンモノの芸者さん?」
「……ふふ。昔のお話ですけどねぇ」
「すっごーいvvだから、着物着てても決まってるし、キレイなんだぁ♪」
屈託のない無邪気なヒカルに、美登里はころころと笑いながら緒方を見上げた。

「可愛らしいお嬢さんだこと。いつ婚約したんだい?」
水臭いねぇ、そんな彼女ができたのなら、もっと早くに紹介しておくれよ。…と微笑む美登里に、緒方は苦々しくため息をついた。
「…こんなガキに手を出すほど飢えちゃいねぇよ」
「あら。女の子はすぐに大人になるもんだよ。ちょっとでも気に入ったのなら、ちゃんと掴まえておかないと」
ねぇ?とヒカルに話を振られて、ヒカルはきょとん、と目を丸くすることしかできなかった。そんな様子に、美登里はまたくすくすと笑う。

「ちっょと仕事でな。コイツをボロが出ない程度に化けさせてやってくれ」
「失礼な言い方だねぇ。よく見れば、磨けば光る原石のような子じゃないかえ」
女将はヒカルの立ち姿――トレーナーにジーンズという、見かけは「ジャニーズ系美少年」なヒカルを見やる。
「――とにかく、頼みます。一時間したら迎えに来ますから」
そう言って背を向けようとした緒方を、美登里は呼び止めた。
「ちょいとお待ち!精ちゃん、簡単に言ってくれるけどね。着物といってもいろいろあるんだよ。せめて、どんな風が良いと思うかくらい言ってお行き!」

伯母の言葉に、緒方は店の上がり口でたたずんでいるヒカルを改めて見つめた。ふむ、と全身を眺めながら眼鏡をずれてもいないのに上げてみる。
ヒカルは、きょん、と緒方の視線に怯えもせずに立っているだけだ。ここまで異性の視線を受けながら、媚びも恥じらいも見せないあたりがガキだというんだ……と内心思いながらも、とりあえず似合いそうな色をイメージする。

「……中振り袖の、萌黄色や黄色、もしくは黄緑あたり。付下げじゃちくはぐになりそうだし、紅型か昭和初期のレトロ柄でいいと思いますよ。帯は分からないからお任せします」
「あいよvv化粧とかも着物に合わせて良いんだね♪」
「――ご自由に。では」
「楽しみにしておいで〜vv」

美登里は上機嫌で甥っ子を送り出し、そしてヒカルに向き直った。
「さぁ、ヒカルちゃん、行きましょうか」
「…へ?どこへ?」
「いやだねぇ♪ヒカルちゃんをとびっきり可愛くしてあげるんじゃないかvv」
にこにこ。
ヒカルは、笑顔にも怖いものがあるのだと、この時まさに実体験した。
「…や……オレ、着物なんて着たことないし…こんな髪だし……」
黒と金の、ツートンカラーの髪。…だから自分に着物が似合う訳がない。ずっとそう思ってた。

「着物はアタシが着せるんだし、その髪に似合う着物を選べばいいのさ。着物って一口に言うけどね。いろいろあるんだよ〜vv見てみるだけでも楽しいからさ、ま、お上がり♪」


…そんな美登里の笑顔につられてヒカルは導かれるままに奥座敷に上げられて。
そうすりゃこっちのものとばかりに、ヒカルは色の洪水とばかりの着物の山に囲まれてしまうのだった。

(強引さは緒方さんとこの血筋なのかなぁ……)

…などと、ヒカルがしみじみと思ったのは、いつの間にやら着物一式を全て着せられ、唇に紅をさしてもらっている時だった。



2003年06月05日(木) 『ancorau foje2』(蜃気楼前提ほぼオリジナル北条小ネタ)

分娩室に入ると、赤ん坊の泣き声はさらに大きく、氏政の耳に届いた。

甲高い、よく通る声。
生まれたばかりの命を象徴するかのような強さと、庇護なしではまだ生きてゆけぬ、弱々しさも感じさせる声。


氏政は看護士が手渡す白衣を殆ど上の空で身につけた。
そうして妻が横たわる診療台に近づくと、妻の馥子は、少し疲労した様子を見せながらも、夫の姿を見つけると微笑んでみせる。
その笑顔は、氏政がこれまで見てきた彼女のそれとは、また違った美しさを見せていた。
「…ありがとう……」

そうとしか、かける言葉は見つからず。
しかしその一言で、妻はまた微笑み、そして涙を流した。



「ほ〜ら、お父さん、元気な赤ちゃんですよ〜」
看護士が、既に産湯を使わせ、白いおくるみにくるまれた真っ赤な顔をした赤ん坊を氏政の前に差し出す。

赤ん坊は、泣いていた。

その小さな手を握りしめ、全身の力を使うかのように、泣いていた。
「生きている」――と、自ら、叫んでいるようにも聞こえた。
この小さな体のどこに、このような大きな声を上げる力があるのか――


看護士の介添えで、そつと、その命を氏政は腕の中に抱いた。


――軽い。


こんなに、小さな命。
こんなに、頼りない命。
自分と妻の血を分けた、唯一の存在。

そして――遠い過去、心の奥のどこかで恐れていた、煌めく眼をした――末の弟。
末に生まれた者に、嫡子たる己の苦しみなど理解できぬとつきはなした。
その力に嫉妬した。利用することしか考えなかった。
自分の心の中で、澱のように溜まっていた存在。

しかし…それは。


今、腕の中にある。


「…小さいな……」


…そう、まっさらな命として、ここにいる。


氏政は、そっと赤ん坊に顔を近づけた。
耳に響く鳴き声。
力一杯息を吸う息吹きを、頬に感じる。
少し長い産毛が、唇をかすめる。

氏政は、我知らず、微笑んでいた。



――これは、命。
たったひとつの、守るべき命。




「おかえり…三郎…」



氏政はそう囁き、生まれたばかりの我が子を愛しげに見つめていた。






「あなた……三郎は…女の子ですわ。ですから、女の子の名前をつけてあげてくださいね」
馥子の言葉に、氏政は振り返る。
三郎の魂を持つ、彼の転生した存在だからと思いこんでいたため、彼女の言葉は以外だった。

「そうか…女か」
泣きつかれてきたのか、腕の中の赤ん坊の声は少しずつ弱くなってくる。
何も知らず、何もこだわらず、父親の腕の中にすべてをゆだねて、眠りに落ちようとしている、小さな命。
上下する胸。口が、ほのかに動いている。
新しい命となって。そして今回は性別も変わって、すべてをやり直させてくれるというのか。
前生の、掛け違えられた釦のようにねじれて歪んでしまった、絆を。

――ならば。


氏政は目を閉じた。

「ならば……この子の名前は、『高耶』としよう。大地に根を張り、天に向かう巨木のように、高みを目指すように。自分より大きな存在を、ありのままに感動して受け入れられるように」


「『たかや』……ですね?よい名前……」
馥子はふわりと微笑んだ。氏政も微笑み返す。



『高耶』は、父の腕の中で、うとうとと眠りにつこうとしていた。



2003年06月04日(水) 『ancolau foje』(蜃気楼〜後北条小ネタ)

「兄上っ!三郎はまだ生まれてこぬのですかっっっ!!」
「……まだだ」
「少しは落ち着いたら?氏照兄…。馥子義姉上だって、これが初産なのだからもう少しかかると思うけどなぁ」
「じゃと言うて、邦っ!!三郎が、三郎が再びこの北条に生まれて来るのだぞっっ!これが落ちつかずにおれようか!……ああ、どのように愛らしい子であろうのう♪遠駆けも、弓の稽古も、あれがやりたがっておった仕舞も一緒にしようかのうvvそうしたらわしが笛を吹いてやらねばのう♪」
「……照兄、せめてそれは三郎が数えでも6歳くらいになってからにしてくださいね…。それと、今の我らの名字は「北条」ではなく、「北城(きたしろ)」ですからね。お間違いなく」

熊よろしく、分娩室の前をうろうろしているのが氏照。それをくすくす笑いながら見ている氏邦。氏照の浮かれっぷりに冷静にツッコミを入れているのが氏規。
…そして、姿勢良く厳然と座っているのが氏政。
丁度飲み物を買いに席を外していた北城家年少組のひとり氏忠は、この光景を見てため息をついた。
「これじゃ、誰が父親なんだか分かんないよなー」
「そう?」
氏忠の後ろにいた弟の氏光は、にこにこと笑った。
「だって、あれじゃまるっきり氏照兄が父親みたいじゃんか」
青くなったり、赤くなったり。うろうろと歩き回っては、これからの事を計画しては喜び、まだ生まれないことに不安になるなど、百面相をしているのは次兄の氏照の方だ。…対して、今度生まれて来る子供の実の父親である氏政にいたっては、椅子に腰掛けたまま、姿勢良く動こうともしない。
氏光はまた、おっとりと笑った。
「忠兄、政兄の手元見てみた?…ああ見えて、めちゃめちゃ緊張してるみたいだよ」
弟の言葉に長兄の手元を見てみると……氏政の手は、自らの膝をしっかりと掴んだままだった。……掌の汗で、淡い色のスラックスがその辺りだけ濡れている。
「か…顔は全然汗かいてないのに……器用だな……兄上」
「そうかなぁ?妙に不器用なだけだと思うけど」
氏光はふふ、と笑うと、その「よく観察してみれば内心激烈動揺しまくり」…な長兄の元へと歩んでいった。

「はい、氏政兄」
そして抱えていたブラックコーヒーを差し出す。
「ああ……氏光。すまぬ」
顔は冷静なまま、兄はそのコーヒー缶を受け取った。しかし彼はそれを飲もうとはしない。しっかりと握り締めたまま……分娩室の向こうを、見つめている。
「もうすぐ…三郎が生まれてくるんだね」
「……………」

…そう。彼らは、諏訪湖を守る守人の血族として、そしてその彼らが前世で行った償いの為に、前世と怨霊の頃のままの記憶を持って「北城」の家に生まれてきた。何の特殊な力も持たぬ人として生まれ、生き、そして長兄は結婚した。
そして、その氏政の最初の子供…それが、かつての自分たちの末の弟、北条三郎が転生した魂であると、諏訪の龍神……北条氏康公から託宣が下ったのだ。

それから、氏政の弟たちは一斉に、氏政の妻、馥子のお腹に向かって「三郎、三郎」と呼びかけはじめた。馥子は、「女の子だったらどうするのですか?」と笑いながら、その「三郎」という呼び名を受け入れる。
…そして気がつけば、氏政も、「三郎の調子はどうだ?」と、ごく自然に口にしていた。半ば無意識だったので、妻に指摘されてから気付いたのだが。

――しかし。不安は…あった。
他の兄弟は良い。自然に、三郎のことを「身内」として受け入れている。妻にとっては我が子なのだから、当然だろう。
しかし、自分は………。

どこか、三郎のことを「身内」として受け入れきれず、触れ合う機会すらも逃して上手くゆかなかった、最初の生。
その記憶をひきずったまま、三郎をただの「兵器」として認識しようとしていた、以前の自分。
――その自分が、今度こそは三郎を「身内」として受け入れられるのか?
我が子として、愛せるのか?

――答えは、出ない。出ないまま、いま、もうすぐ「三郎」は生まれようとしている。

何故、そんな自分のもとに「三郎」は生まれてくるのか?
前生で可愛がっていた、氏照や、氏邦のもとの方が良かったであろうのに。

それとも、これこそが「償い」なのか。
以前の記憶を明瞭に持ちながら、自分の為したことを目の前にさらけだされながら、それでも、「生きよ」と。
何の力も持たぬ、「人間」として。


――――父上――――


コーヒー缶を両手で握りしめたまま、氏政は目を閉じた。

その時。


甲高い――しかし力に充ちた産声が、ドアの向こうから聞こえてきた。

「――生まれた――!」


そして、分娩室の扉が開く。
「お父様はどちらでしようか?」
鼻までマスクに覆われた看護婦は、それでも分かるほど満面の笑みをたたえていた。

「兄上、さぁ、三郎を迎えに行ってやってくだされ♪」
「ああ、その缶はこちらでお預かりしますから」
「ほぉら。立って立って!」
「政兄!」
「馥子義姉さんも待ってるよ」

兄弟の声に背を押され、氏政は、ゆっくりと、歩を進めた。



「大丈夫かな」
「心配はいらぬ。元々、兄上は優しいお人ゆえ」
「感極まって腰をぬかさないと良いんですがねぇ…」
「そうじゃのう。それで三郎を落さないと良いのだが」
「……落したこと、あるの?」
「うーん、そういえば光を抱いていた時の政兄、手つきがあやしかったような……」
「政兄上に言わせると、小さすぎて加減が分からないらしいよ」
「それでも氏光の頃には慣れて、落さなかっただけ上出来でしたよ」
「…え。じゃあもしかして」
「光以外は、兄上は一度は皆抱き落したという記録の持ち主じゃ」
「今回は、ほら。大分時間があいたし…」
「初めての「我が子」だし……」
「その上「三郎」だし………」

「だいじょうぶ……かな?」
「さぁ?」

「……………………」

年長組兄弟のあまりにも不安な会話に、氏忠と氏光は、思わず祈らずにはいられなかった。


(…氏康父上!どうか三郎をお守りください!)


今度こそ、三郎といっしょに、遊ぶのだ。
――そう、今度こそ。
離れ離れになって、お互い合う事も稀だったあの頃とは違うから。

もういちど。
はじめから。

お前の誕生を祝うところから、始めよう。



2003年06月03日(火) 何か今日は目が回ったぞ

何か今日は一日すごい分刻みな状態で仕事してたような気がする……。
次から次にやるこた出てくるし、どれも緊急だったし、おまけにそんな状態で会議に出席しろ、ときたもんだ〜。(わーん。そんな時間あるなら仕事の原稿させてくれぇ〜)
会議に呼び出されて、原稿の今後の動きや展開について話せ、と言われても……その場でいきなり呼び出されて、資料もナシに話せというのか?!(…話したけどよ……)
おかげで、その場での思いつきで言ったものも多く、そうしたら、上司がくいつき、「それイイねぇ♪」……なんだかんだで一気に今後が決まった……いいのか?!本当に良いのか?!
まぁ、無茶なスケジュールで、中途半端な原稿を出さずに済んだことが救いっちゃ救いだけど。(締め切りは延びた。…でも書く内容は増えた。構想が固まらん゜うちにくっちゃべりすぎた自分のせいなんだけど……)

そこから帰ってきたら出金調書の作成(特殊なヤツなので、添付資料が多い。毎回毎回めんどくさい…!)が待っていた。そうこうしてたら、翻訳者が請求してくる翻訳料の記述について財務からリテイクが入り、本当は直接財務が翻訳者に説明してたんだけど、どうものみこめなかったらしく、改めてオイラに聞いてきたので(今まで席外してた奴に聞くなよ)埒があかんから、書類持って財務のトップに話を聞きに行く。(…納得できるまでひつこく聞いた。でないと説明できん)…そして翻訳者に説明してたら、時間が!!

ぎゃー、今日太鼓の稽古なんだってばー!!
しかも謡の6月の稽古表、今日中にみんなに配布しなきゃいけなかったのにー!!

ふふふふふ……おかげで、残りの仕事もそこそこに飛び出しちまったぁね。(苦笑)あああ。また仕事が累積するよぉ(泣)。

……こんな状態がしばらく続いてるのです!
だから、元上司で、今は陸の孤島な事務所にいるS!!
今のオレに、アンタにワープロ講座しに行く余裕はねぇ!!
休みの日まで呼びつけるな!!(頼むから!)
仕事の日はもっと呼ぶな!!
すこしは自分でマニュアル読んで自分で学習してくれ!!

……ワープロで既に2時間近くも教えないと覚えない人です。なのにあいつはこう言ったんです。
「パソコンって便利ですよ、って言われたんだよねぇ。買おうかなぁ」
……待てやコラ。
パソコン買うなら、せめて今使ってるワープロを使いこなすようになってから言ってくれ。
ついしでに言うなら、誰じゃ!!私よりもメカオンチ(…っていうよりトリ頭。五回ほど手順を教えて、よーやく覚える。そして別の操作を教えると前に覚えたことが上書きされて消えている)なSにパソコン勧めた奴は!!
…犯人が分かり次第、ソイツにワープロ講座をおしつけてやる……ふふふふふ………(やさぐれ)。



2003年06月02日(月) 幽玄の世界へようこそ♪

今日、京都平安神宮の薪能を見に行きました♪
私が行ったのは2日目。
『土蜘蛛』がどーしても見たかったもので♪(一日目の日曜日は太鼓の先生が出てたんだけど、劇の稽古で行けなかったのさ〜)

開演よりちょっと遅れたので、『泰山府君』は途中からだったけど、あとはばっちり見られました♪
一日目は、結構小雨がぱらついたりしていたらしいけど、2日目の今日はこれでもかっ!ってな位晴れていて、平安神宮にしつらえられた野外舞台はほんと、良い風情でしたよ〜♪
すごく広い広場で、その周囲には高い木がないので、空が広い広い!しかも空気が澄んでいて、とてもキレイな空でした♪(晴れてた分昼間は暑かったけど、夕方から冷えるのも早かった…マジ寒かった!)

舞台の周囲に用意された薪に火が入れられ、その後が仕舞「西行桜」と「鞍馬天狗」。
そして、夕焼けの朱色が、次第に宵闇の青から紺へと彩りを変えて行く頃、半能(まぁ、能のダイジェスト版といったトコ)『野宮』(ののみや)。
これがねー、もうめちゃめちゃ、まさに!「幽玄の世界」だったんですよ〜!!
ストーリーは、「源氏物語」よりなんですが、この主人公は、「葵上」で生き霊となって狂うので有名な六条御息所。しかしここではそんな狂う彼女ではなく、その後のストーリーが、旅の僧が立ち寄る際にくりひろげられるのです。
源氏への恋に自らを知らぬ間に生霊(←「いきすだま」と読んだほうがしっくりくるんだけどね)になってしまう自分を恥じ、悲しんで、この上は源氏との恋をあきらめ、伊勢へ斎宮として向かう娘とともに都を去ろうと決めるのです。そして斎宮が潔斎のために籠もる「野宮」へと向かいます。
一時は御息所を恐れた源氏も、いざ彼女が都を離れるとなると、恋をし、文を交わした頃がなつかしく、その野宮に御息所を訪ねます。その源氏の訪れを嬉しく思いながらも、恋した頃を懐かしく思いながらも、やはりこの恋は終わりにしてしまった方がよいのだと……御息所の切ない決意と想いを、旅の僧の目の前で、御息所の残留思念ともいうべきやさしくはかない霊が、その様子をしめやかに舞うのです。
……これがねー。
夕焼けの朱色が、次第に宵闇の青から紺へと彩りを変えて行く空の色の中、浮かび上がるようにはかなげな御息所の霊が舞い、そのゆるやかな動きは人間のそれとは思えぬほどで……薪の燃える白い煙がうすくたなびき、舞台をけぶらせ、聞こえる笛の音もやさしく……ええ、本当に、美しかったです。
不思議ですね。面は、いつも同じ表情の筈なのに、うつむく仕種、寄せる手の動きかざす扇の角度……それによって、御息所がどこを見、何を想うのかが、伝わってくるようなのです。
有名なのは、『葵上』かもしんないけど、ストーリー知った上だったら、『野宮』も絶対良いですよー!

…さて、その幽玄能にうっとりした後は、狂言『菌(くさびら)』(キノコのことさ)。……さすがというか……大笑いしました。やっぱ、狂言って、何も知らない人でも親しみやすいし面白い。子方の子が、ちっちゃいキノコを演じてましてねー♪もう、その可愛らしさにノックアウト!途中で転んじゃったけど、それもご愛嬌♪
あああ、子方、マジちっちゃい!!可愛い!!
今度子方が出てくる能が見たいなぁ。『鞍馬天狗』なんか良さそうだなぁ♪

そして、ラストが『土蜘蛛』!!
能にしては珍しく演出が派手な能で、ストーリーも簡単!何言ってるか分からなくても、大体理解できます。(間の狂言で説明するしね)要はバケモノ蜘蛛退治物語☆。前半、蜘蛛は僧に化けて武者を襲うのですが、正体がバレて逃げだします。そいでもって、武者は追っ手をさしむけ、そこで3人の武者と蜘蛛とのバトルが始まるのです。
何と行っても、見所は蜘蛛の糸!!
ものすご〜く!キレイに広がるんですよ!!
そして、これは流派によるんですが、その蜘蛛の糸をこれでもかとばかりに舞台に投げ、舞台はみるみるうちに蜘蛛の糸でいっぱいになってしまうのです。(一番派手なのは金剛流。知人曰く、「投げすぎや」だそうで。私が今回見たのは観世流。比較的おとなしめなのが宝生流。)
まさしく圧巻!!噂には聞いていたけど、生で見たことがなくって、それでこの薪能の2日目にあると聞いて行ったのですが、来て良かった……!見て良かった……!サイコー!!!

能の初心者でも大丈夫!面白いし、きれい!迫力もあります!はじめて見るなら、『土蜘蛛』がおすすめかな?

久しぶりの能を、しっかり堪能しまくった平でしたvv


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平 知嗣 [HOMEPAGE]

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