| 2013年04月26日(金) |
みえる場所までやってきた |
島にいくと 心に きめてから
やりたくないことを やる力が なくなってきた。
前だったら すこし がんばったら できたことも
ほんとに やる気が なくなってしまって
どうしたものかと 困っている。
そういうことって わたしにとって ほんとうは やらなくっても いいものなのだとおもう。
死ぬ時に ああ やらなくていいこと してたな
って おもう類の ことなのだとおもう。
いまは シフトしていく 時期だから
すこしずつ すこしずつ
すててゆこう。
島のことを 考えると
うきうきして 脳もピカピカして いろいろ 動いてしまうので
カラダが すこしつかれている。
昨日は 仕事から おそくにかえって
夜な夜な 朝方3時まで 鉄火味噌を つくり (でも失敗した…)
今朝は 大好きなどいぱんに レタスやトマトや 自家製鶏肉のハムを添えて 優雅にいただき
洗濯機を 3回まわし。
昼は 水晶ちゃんとのユニット 「からっぽ」の練習で 美味しいものを食べ 新しい曲を つくりながら 笑いころげ
夜は あしたからの 旅の準備。
そして あしたは 千倉へ。
次から 次へ
やりたいことが 山ほどある。
ぐんぐん 動いてゆきたい。
その 大きな流れの 先には
島が あるのが みえる。
やっと みえるところまで
すすんでくることが できた。
春の陽気に ぱあっと こころ 広がる すきまで
ふと
おとうさんと おかあさんが
長く長く 元気で いてほしいなあ
と おもう。
*ソラネコのライブ*
■4月28日(日) 千倉 潮風王国 『アートフリーマーケット イン 千倉』
*千倉・道の駅ちくら潮風王国 (東京駅八重洲南口より、高速バスなのはな号 安房白浜行きを予約して、潮風王国前下車) *入場無料 *アートフリマ開催時間 9時〜16時 ソラネコの演奏は12時頃の予定です!
*お問い合わせ 0470-43-1039 海猫堂 (http://uminekodo.exblog.jp/)
■6月2日(日) 新世界 のこされ島
■6月23日(日) 高槻 南風楽天 午後のライブです。
愛媛から、かちょいいハワイアンなバンド The Blue Lagoon Stompersさんが やってきます!
■7月13日(土) 高槻 南風楽天 夜のライブです。
ホルモン鉄道!!!
*からっぽ・ライブ*
からっぽとは、水晶ちゃんとはたさとみの ウクレレふたつ、うたふたつ、のユニットです。
■5月31日(金) 京都 まほろば
*はたさとみソロライブ*
6月9日 高槻 本澄寺
高槻の放射能測定所開設記念のイベントです。
*カンタ!ティモール・高槻 上映会*
映画「カンタ!ティモール」… 昨年はじめてみたときに、心の奥深くをうごかされた映画。 年明けに2回目にみて、やっぱり不思議な涙がとまらなくて、 今の自分にとって大切な感じはするけれど、 言葉にならない、いったいこれは何なのか? いろいろな人とシェアをしたくなりました。 ご縁がつながり、地元高槻で上映会をします。 おわってからは、うんまいもん飲み食いしながら ゆるゆるゆるーっと交流しましょう!
「カンタ!ティモール」高槻・上映会 5月25日(土)高槻 南風楽天
●上映会 4:30open/5:00start ¥1500(1ドリンク付き)
●交流会(要予約) 7:00start おまかせおつまみ¥1500 のみもの各自
※映画をご覧になられたことがある方は、交流会のみ参加可。
親しい友だち、はじめて出会う人、ちょっとしたお知り合い… その日その時一緒に映画をみた仲間で、思いをシェアしたり、 うたったりおどったり、泣いたり笑ったり… ゆるゆると楽しい時間をすごせたらいいなあ…とおもっています。
カンタ!ティモール http://www.canta-timor.com/
●ご予約お問い合わせ *メール solaneco☆sun.zaq.jp ←☆を@に変える(はたさとみ) 件名を「カンタ!ティモール」でおねがいします *電話 072−685−6395(南風楽天) *南風楽天 http://www.h3.dion.ne.jp/~nampu00/
| 2013年04月22日(月) |
奄美旅の記録やっとおわった |
やっと
奄美の旅の記録を かきあげた。
大切な旅だったので わすれないように。
自分のためのメモのようなもの。
まちがっていたり あいまいだったり するところもあるけれど
記録のために。
旅からかえって もうすぐ1カ月。
いろいろな ことが もうすでに はじまっていて
わくわく しているのです。
ひとまずは これからの お知らせ。
*ソラネコのライブ*
■4月28日(日) 千倉 潮風王国 『アートフリーマーケット イン 千倉』
*千倉・道の駅ちくら潮風王国 (東京駅八重洲南口より、高速バスなのはな号 安房白浜行きを予約して、潮風王国前下車) *入場無料 *アートフリマ開催時間 9時〜16時 ソラネコの演奏は12時頃の予定です!
*お問い合わせ 0470-43-1039 海猫堂 (http://uminekodo.exblog.jp/)
■6月2日(日) 新世界 のこされ島
■6月23日(日) 高槻 南風楽天 午後のライブです。
愛媛から、かちょいいハワイアンなバンド The Blue Lagoon Stompersさんが やってきます!
■7月13日(土) 高槻 南風楽天 夜のライブです。
ホルモン鉄道!!!
*からっぽ・ライブ*
からっぽとは、水晶ちゃんとはたさとみの ウクレレふたつ、うたふたつ、のユニットです。
■5月31日(金) 京都 まほろば
*はたさとみソロライブ*
6月9日 高槻 本澄寺
高槻の放射能測定所開設記念のイベントです。
*カンタ!ティモール・高槻 上映会*
映画「カンタ!ティモール」… 昨年はじめてみたときに、心の奥深くをうごかされた映画。 年明けに2回目にみて、やっぱり不思議な涙がとまらなくて、 今の自分にとって大切な感じはするけれど、 言葉にならない、いったいこれは何なのか? いろいろな人とシェアをしたくなりました。 ご縁がつながり、地元高槻で上映会をします。 おわってからは、うんまいもん飲み食いしながら ゆるゆるゆるーっと交流しましょう!
「カンタ!ティモール」高槻・上映会 5月25日(土)高槻 南風楽天
●上映会 4:30open/5:00start ¥1500(1ドリンク付き)
●交流会(要予約) 7:00start おまかせおつまみ¥1500 のみもの各自
※映画をご覧になられたことがある方は、交流会のみ参加可。
親しい友だち、はじめて出会う人、ちょっとしたお知り合い… その日その時一緒に映画をみた仲間で、思いをシェアしたり、 うたったりおどったり、泣いたり笑ったり… ゆるゆると楽しい時間をすごせたらいいなあ…とおもっています。
カンタ!ティモール http://www.canta-timor.com/
●ご予約お問い合わせ *メール solaneco☆sun.zaq.jp ←☆を@に変える(はたさとみ) 件名を「カンタ!ティモール」でおねがいします *電話 072−685−6395(南風楽天) *南風楽天 http://www.h3.dion.ne.jp/~nampu00/
| 2013年04月12日(金) |
奄美大島の旅10(忘れそうになりながらも急いでかきなぐる) |
【3月31日】
7時半におきる。
まだ酔っている。
身体がおもくて すこし気持ちがわるい。
こういうとき まやさんは なんだか さわやかなのだ。
まやさんの方を みてみると
やっぱり さわやかで
手際良く 荷造りなど している。
動けないわたしは さわやかなまやさんに 最後の珈琲を 入れてもらう。
ああ いい香り。
きのう おかあさんに いただいた 干し柿を たべる。
天野さんご夫妻に いただいた
天野さんのとった イルカたちの 写真をながめる。
ほわーっと しあわせな気持ちが よみがえる。
でも それは その時だけ。
身体のおもさと 戦いもだえながら 布団をたたんで 荷造りだ。
うだうだ 荷造り していると
突然 ドアをたたく音が!
こんな朝に わたしたちの 部屋に
だれだろう?
あけてみると アニではないか!
「おはよう! いまから モーニング食べにいってくるからー」
挨拶にきてくれたんだ。 うれしい。
「きのうもらった音楽きいたよ。 アニすきだった。 アニは三線やってて 沖縄の音楽とか好きなんだけど メロディーが すこし沖縄的なものが はいってた感じがしたよ」
沖縄的というのは 自分では わからないけど
なんだか うれしかった。
お酒で たぷんたぷんの まだ あかい顔のまま
アニと一緒に 記念撮影をして
握手して お別れする。
珈琲が 胃袋を 通過した頃
非常に気持ちわるくなり トイレに吐きにゆく。
飛行機は11時50分。
11時には空港に つけばいいだろう。
8時半にここをでて ユタ神様におそわった 海岸で砂をいただくこと
それが わたしたちの 最後の仕事だ。
しかし この 二日酔いで 神様に砂をいただくなんて …
すこし 罪悪感もありつつ
それも 自然な流れかと おもいなおす。
まやさんが 元気で たすかる。
あづま家の おかあさんに あいさつして
車にのりこむ。
「いってきまーす」
そう挨拶すると
「いってらっしゃい!」
と おくってくれた。
外は雨。
地図をみながら 空港方向へ向かおうとすると
すぐそこに 見覚えのある車が!
そうだ 昨夜のんで Jさんを送ったのは ここの駐車場だった。
「Jさんまだいるよ! おもしろすぎ!」
「おこしてこようか!」
そこに 車をとめて
Jさんの車のまどをたたく。
朝の光の中で きのうのJさんだ。
目がはんぶんとじてる。
「大丈夫?わたし吐きそう」
「おんなじ感じだー」
とOS1 (脱水症状に効く二日酔いのときにわたしもよくお世話になる 生理食塩水的なドリンク)を かざしてみせる。
「準備万端だあ」
みんな それぞれ すこしずつ 日常に もどってゆくのね。
そのまま 別れをつげて
車で空港のほうへ向かう。
オエオエしている わたしの横で
元気な まやさん たのもしい。
途中 薬局によってもらい わたしもOS1を買い
そこでまた トイレで 吐く。
すこしずつ だして すっきりと していくのだ。
薬局をでた後
おおきなスーパー ビッグ2によってもらい
どうしても ほしかった うわさの まめぽっくりを ゲット。
そうこうするうちに だんだん 時間が せまってくる。
わたしたちは 海で砂をいただかなければ。
スピードをあげて 海にむかう。
空港へむかう道路。
カーラジオから 奄美のミュージシャンの 音楽がながれている。
なんだか この奄美から でるのが さみしくって 涙が でてくる。
まだ 酔ってるのかな。
だいたいこのあたり…かな というところで 集落にはいり 砂浜にでる道をさがす。
グレイの空 ゆるい風 ふりつづく雨。
傘をさして すすきをもって 浜にでる。
雨の海も 好き。
ぼんやりと みどりとグレイがいりまじって 胸の中にはいてくる。
まだ少し のこっていた オエオエを
落ち着かせてから
海に対面する。
ユタ神様に おしえていただいたようにして お祈りして
それから 砂を すこしずつ いただく。

ありがとう。
紛れもなく 海の神さまが そこに いらっしゃるように 感じられる。
雨の日も 晴れの日も どんなときにも
そこに たしかに いらっしゃる。
それから 走って 車にもどり
急いで空港へ。
11時過ぎ なんとかぎりぎり 到着できた。
チェックインする前に トランクをあけて 荷物をまとめていると
なんと そこに
Kにいちゃんが!
「おみやげ」
といって
わたしたちに ひとつずつ おみやげの 袋をわたしてくれる。
そういえば きのう
「飛行機何時?」
という話をしたが
こんな1時間もかかる 空港まで おくりにきてくれるなんて びっくり 感激だ。
ありがとう!
握手をして そこで お別れする。
チェックインして 荷物もあずけて
11時25分。
保安検査場の前に 鶏飯ラーメンというお店があった。
二日酔いの胃袋が 塩分の入った汁物を たまらなく 求めている。
「最後に 鶏飯ラーメン たべたくない?」
「たべたいねえ…」
時間はぎりぎりだったが もう身体は店にはいっていた。
お店の人たちは 大阪では考えられないくらい のんびりとしている。
すこしあせる わたしたち。
お店の人に 搭乗時間をつげて すこし急いでもらう。
そして ありついた 鶏飯ラーメンの おいしいこと!
胃にしみる やさしい おだしのスープ〜!

今たべたいものが たべられる しあわせ。
お店をでると 保安検査場が行列になってる。
すこしあせったが どうやら 飛行機がおくれているらしい。
まわりをみわたすと 見送りにきている人 見送られる人 感動の 別れのシーンが そこここで 繰り広げられている。
大阪では この光景は 信じられない。
まやさんが
「奄美の人は 余裕があるから ホントに大切にしたいものを 大切にできるんだね」
と つぶやく。
ほんとに そうかもしれない。
ほんとうに 大切にしたいものを 大切にできる しあわせを おもう。
帰りの飛行機
まやさんとは 別々の席。
鶏飯ラーメンのおかげで 二日酔いもずいぶんおちつき
目をとじると
さっき 最後にあいさつをした 雨の海の映像が
ずっと 頭の中で ゆれていた。
あっというまに 伊丹に到着。
伊丹空港は こぎれいで りっぱだけど
奄美空港のような 人間の熱気はなく
ああ そうそう この都会の感覚…。
もどって きてしまった。
ここから
まやさんとは 別々のバスと 電車にのる。
バス時間まで 別れがたく
喫茶で お茶をのむ。
まやさんが わたしの バスまで おくってくれる。
バスの窓から みえる まやさん。
大阪の春風の中で にこにこして 手をふっている。
一緒に旅できて よかった ありがとう。
お互い それぞれの道を また がんばろう。
ときどきあって 確認しよう。
大阪は ちょうど 桜が 満開なんですって。
また大阪の 生活が はじまる。
これから どうなっていくのかな。
わからないけれど とても たのしみ。

| 2013年04月11日(木) |
奄美大島の旅9(忘れそうになりながらも急いでかきなぐる) |
フェリーが加計呂麻島の 瀬相の港をゆっくりと出る。
オープンエアの 2階の席で 風にあたって 島に別れをつげる。
ありがとう ありがとう。
いただいたものを 大切に
わたしは わたしの身体をつかって できることを ちゃんと できますように。
がんばります。
あっという間に 古仁屋の港に到着。
古仁屋港の 海の駅や 物産のお店によりながら
おみやげを買いあさる。
天野さんご夫妻 おすすめのお塩や かけろまキビ酢。
黒糖のお菓子や もずく などなど。
それから また
名瀬にむかう 山の道。
にいちゃんに 電話をして 今夜のまちあわせ 確認をする。
トンネル やまやま とおくにみえる川。
一度とおっているので なんだか なつかしい。
車の中ですでに
わたしは 加計呂麻に住む…と 宣言していた。
どうやったら 住めるかなあ。
まやさんは あたたかく わたしの妄想を きいてくれる。
いまは 妄想だけど この種類の 妄想は 結構 ほんとうに なる感じの 妄想。
人生の方向が これまで 考えたことがなかった 意外なほうに 開けて
そこから わくわくする 光が さしこんできたような 心持ちに なっていた。
帰り道は まよわずに 宿あづま家さんに到着。
今度は たたみのふたり部屋。
スーパーや お酒やさんで 最後のおみやげを 買いあさり
ダンボールをもらって 荷造りをする。
荷物を 近所のスーパーから おくったかえり
あづま家のおとうさんが 近所の道端で お魚をさばいているところに であった。
ええ声の かっこいい おとうさんだ。
「釣ってきたんですか?」
声をかけたのが きっかけで
おとうさんと いろいろ話がはじまる。
「ここが俺のアジトだー」
お魚をさばいているところの 建物のドアをあけると そこは
世界のいろいろな お面やら民芸品やら あやしげなものが ところせましと飾られ
レコードがたくさんあり
写真やポスターがはられ
アジト!と呼ぶのがふさわしい空間。
「まあ座れ」
そこへ おかあさんが
「どうぞ」
と 干し柿をもってくる。
おとうさんが 本棚から 雑誌を数冊とりだし みせてくれる。
実は このおとうさん
10年前に 奄美大島のいろいろな ところをガイドできた 唯一の人だったらしい。
ヨットでも 有名だったらしい。
たくさんの雑誌に 写真入りで おとうさんが 紹介されていた。
雑誌では アニと描かれている。
「ボクはアニだから アニとよんでくれ」
アニのアジトで アニといる
さっきまで 予測しなかったことが おこる
旅の不思議と わくわく。
いろいろな話を する。
地井武夫さんが 大切なお友だちで なくなっても 携帯の番号を消すことができない
という話が 印象的だった。
ふと壁をみると
わたしが 奄美に来るきっかけになった HABUSのチラシが はってある。
「わたし ここのマスターに 教えてもらって ここにもきたんです!」
すると アニの顔が ひょ!っとなって
「元気にやってるかー。 どうしてるかー」
とびっくりされているよう。
「住所がわかる手紙をくれるよう 伝えておいて!」
奄美で出会う いろいろな人に マスターの話をしたときの みんなの顔や声から
マスターが どんなにあたたかいつながりを 奄美の人たちと つむいでいたのかが 伝わってくる。
なんだか アニの アジトにおいてもらいたくなって
もってきた 自分のCDを あげる。
アニは七十数歳。
ガイドブックにでているような場所は ただ有名なだけ。
こんどきたら秘境を 案内してくれるという。
「アニが元気なうちにまた来な!」
アニのあたたかな 声を背中に
わたしたちは これから
この旅最後の 奄美の 夜の街へ!
*
夜八時に 一村という 居酒屋さんで まちあわせ。
一村は 田中一村という すてきな画家の 名前からきている。
彼の絵は わたしが大好きな バリの絵にどこか 通じるものがあって とても好き。
時間があれば 美術館にいきたかったのだが また今度だ。
居酒屋の一村は こぢんまりしていて 落ち着く空間。
4人…というと お座敷に2人ですわっていた おっちゃんたちが 席をゆずってくれて お座敷にすわる。
じきに にいちゃんとそのおともだちが やってくる
初めて にいちゃんに会ったときに 仙台時代の先輩のひとりに 似ているなあ…とおもったら
その幼馴染という人は もうひとりの先輩に そっくりだった。
ふたりとも 背格好の雰囲気も なんとなくにているし
話す内容やテンポ ふたりの関係… どれもこれも にているのだ。
なんだこのデジャブ感は。
にいちゃんはKさん 手相見のお友達はJさん。
ふたりは ここから 車で30分くらいのところにある 集落で幼馴染同士だったとう。
ビールをのみながら 自己紹介をして
冗談いいながら 笑いながら はなす。
この感覚
ほんとに なつかしい。
学生時代の サークルの 感覚。
気遣いの仕方や 冗談いいながら こちらの内面に ずんずん入ってくる 距離感。
ひさしぶりだ。
あのころ みんなで しょっちゅう 飲んでた。
みんなで朝まで飲んで 大学のある丘の 木に登って 朝陽をみたっけ。
青春の記憶が よみがえってくる…。
この仙台時代を彷彿とさせる 面子もきっと なにか意味があるのだろうな
そう おもいながら 話をする。
学生時代のわたしにはあって 大阪にきてから 失ったものに おもいをはせる。
とりもどさなくちゃ
そうおもう。
大阪の 生活の中で
身体のまわりに 少しずつ つけてきた つけざるおえなかった
大阪専用の よろいのようなものを
ぬいでこわして やっていかなくちゃ。
そう おもいながら 黒糖焼酎をのむ。
いつのまにか となりのテーブルに すわっていた
愛知からきた T夫妻も仲間にはいっている。
彼らは 豊田勇三さんのファンで、 勇三さんの「一村」という曲が あることから この居酒屋「一村」に きたのだという。
わたしが ライブやバイトで お世話になっている 高槻の「南風楽天」にも 勇三さんがときどきこられるので
きいてみると 南風楽天をしっているという。
なんという 偶然!
わたしたちは 6人という 大所帯になって
旅の一番最初に ユタ神様のことで お世話になった
すてきバーへ ゆくことにする。
ビールに 黒糖焼酎
たくさん のんで ほろ酔いで
土曜日の 夜おそく
バーは こんでいたものの
なんとか 入ることができた。
ここで Jさんに 手相をみてもらう。
ひとことでいうと
「人を刺さなければ しあわせな人生を 歩める。」笑
とのこと。
人を刺さなければ
というのは
感情の激しさが あるからだという。
大丈夫 刺さないよ。
パートナーは いまの旦那で 大丈夫。
でも いまのパートナーといても もしも別れたとしても どちらにしろ しあわせにやっていける。
まわりの人に 愛され助けられる。
仕事はいくつかやっている感じだが うまくいく。
うそがつけない。
人を信用しすぎて 裏切られないように。 信用して 傷つきやすい。
ただ 顔相から
どこかに 恐れがあると
自分の個性をだすことを おそれているところがある
それは 小さい頃からの癖。
「自分らしく生きなー」
と いわれると ぐっとくる。
この旅の はじめに ユタ神様から いわれたこと
まやさんと 語り合ったこと
島との出会い すてきな ひとたちとの 出会い
いろいろな ところから もらった メッセージを
コンパクトに
「自分らしく生きなよー」で
まとめられたような 感じが したのだ。
もりあがるみんなから そっとぬけだし
バーのカウンターで 旅の報告と お礼を マスターにする。
感謝でいっぱいだが 伝えきれない。
真夜中をすぎ お店をでる。
Kにいさんが 「カラオケいこう!」と いいだして
なぜか カラオケにいくことになる。
奄美に 旅にきて なぜだか カラオケ!
おもしろい。
カラオケでは どんなに しっとりとしたうたも
「イーヤーサッサ!」と 盛り上げてしまう
というのが はやる。
指笛 上手になりたい。
わけがわからなくて 可笑しい。
Jさんは 集落の 旧暦8月15日の 六調というおまつりで 太鼓をたたいているのだという。
うたっておどって 飲むおまつり
いってみたいなあ。
気がつけば 朝の4時
まずは すぐそこの駐車場に とめてある
Jさんの車まで Jさんをおくる。
Jさんは 「さみしいなあ」と いいだす。
おふたりとも ほんとに 仲間が好きで 大切に しあっている 感じがする
やっぱり
酒飲みは さみしがりやだ。
さみしがる Jさんを 車にねかせて
それから Kさんが
わたしたちを 宿まで おくってくれて
静かに
おやすみー ありがとうー
と よっぱらったまま お別れする。
馴染み深い わけの わからなさ。
部屋にかえって おふとんしいて
わたしたちは すぐに 布団ワールドへ。
真っ暗な 中で 心の 奥深くにある
さみしさ
について おもう。
わたしにとっては なじみ深い さみしさ。
むかしは よく ふれていたけれど
久しぶりに しっかりと それに 触れた。
でも それは さみしさというよりも そういうものであって。
横のつながりは あたりまえに きれているものであって。
たてで つながっていれば
たてで つながっていることに きがつくことができれば
それは とても 強烈な つながりの感覚で
このさみしさは まぼろしだって
そう みえてくるように 感じた。
きょうも いろいろな
メッセージを いただいた。
ありがとう。
| 2013年04月10日(水) |
奄美大島の旅8(忘れそうになりながらも急いで書きなぐる) |
【3月30日】
朝7時 いいお天気!
まずは うみにあいさつにゆく。
朝陽が うみに 光の道を つくってる。
裸足になって 腿までつかる。
太陽の光が うみにまじって とろとろ きらきら してる。

うみと 太陽と 風と
身体ぜんぶの 皮膚から しみこんでくる。
ただただ シンプルに
わたしが いま ここに 存在できて
しあわせだと おもう。
太陽の光に 祈る気持ち。
つながっていることを こうして 身体で感じられること
なんて 力になるんだろうか。
この感覚を 忘れまい。
部屋にもどって 急いで 荷造りをする。
8時から 朝ごはん。
きょうも まどの外
海と ゆれるアダンの葉っぱが みえる。
たまごいため 島ラッキョウのにんにくしょうゆがのったおとうふ 鮭 瓜っぽいおつけもの あおさとお豆腐のお味噌汁 ぷちぷちのおいしいごはん。
おとなりのテーブルの おばちゃんがつくった 草もち。
草もちは 月桃のはっぱに つつまれている。
「月桃は オスメスがあるんですよ。 メスがやわらかい。 オスがにがみがある」
おばちゃんが 教えてくれる。
本州の草もちとちがって 濃い色の濃厚な草もち。
5マイルで この旅最後の 朝ごはんをいただいて
9時すぎに チェックアウト。
おみやげに 1日目におさしみでいただいた 夜光貝の貝殻を いただく。
これを みがいたら
ユタ神様が つくっていたみたいな 貝細工ができる。
大好きな 五マイルの みんなに
手をふって お別れし
天野さんご夫婦のすむ 集落へむかう。
ぴかぴかの まぶしいお天気!
集落の入り口で ひろみさんが まっていてくれた。
海をながめながら 集落の おじいちゃんおばあちゃんと にこにこ おしゃべりしている。
あたたかな 風景。
この海から おうちまで すぐ。
おうちは 畑とお庭のある かわいい平屋。
平屋好きのわたしには たまらん 素朴ないいおうち。
入り口には ガジュマルとか サンセベリア 緑の人たちが わさわさと 生えている。
たたみの部屋にちゃぶ台。
月桃の葉っぱの上にのせた みずみずしい黒糖と おちゃをいただきながら
ハワイや加計呂麻や ニウエという国の スライドショー。
天野さんが 解説してくれる。
ハワイの海の写真。
これまで 海やイルカの絵葉書をみても 遠い世界のことのように 感じていたけれど
もういまは 親しみを 感じている 自分がいる。
わたしもいつか イルカと およいでみたいな。
体で 鯨の声を 感じてみたいな。
おふたりがであった 世界の海 おふたりの愛する 加計呂麻の海
おおらかな旅の様子が 伝わってくる。
それぞれの写真が 美しい。
いいものを みせていただいた。
きのう であって
こうやって 楽に いっしょに すごしていることが
とても うれしい。
出会いの ひとつひとつが
かみさまからの おくりもののよう。
スライドショーが おわったら
おふたりの もうひとつの 秘密基地のような おうちのある集落へ むかうことに。
おうちをでると うわさの猫の さんちゃんがいた。
さんちゃん!
きみが さんちゃん!
太陽と草の気配がする さんちゃん。
きょろんと ひょうひょうと している感じが なんとも
キュンと させられる。
さんちゃんと あいさつし
天野さんが お庭で いま摘んできた
りゅうきゅうナントカイチゴ?を つまみぐいさせてもらい
ゆるゆると 車にのりこむ。
 野性のおいしさ。
その集落までは 数十分くらいだろうか。
時間がないながらも 途中 滝に たちよってもらう。
太陽の光が 見上げる滝のすぐ上にあって なんとも神々しい。

滝をすぎて 山をこえると
山と海に ひっそりと囲まれた 集落が。
なんだか とても気持ちがいい 空気感。
天野さんご夫妻の かりているお家
おおきなお庭 畑がいきいきしている。
内装は すこしずつ リフォームしているそうで
手作りの雰囲気が なんとも あたたかく かわいい。
おふたりの つくるもの おふたりの 世界
だいすきだ。
おうちの横には 五右衛門風呂
いいなあ はいりてえ!
畑には レタス、セロリ、パセリ、ルッコラ、 にんじん、タイバジル… 味見させてもらいながら やさいたちに ごあいさつ。
なんだか どの植物も 味が濃い。
レタスも レタスってこんなに 苦味があるものか?
びっくりするような レタスの癖がある。
ハンダマ(うちの田舎では金時草といっていた)の 花がさいている。
オレンジ色で 独特のにおいがあるお花。
へそごまのような 脇あせのような 人間の体のどこかのくささ。
わたしは このくささ あまり嫌じゃない。 (実はむしろ 好きだったりして…)
金時草は 子どもの頃から 食べるのは好きだったが こんな花が咲くとは 知らなかった。
「ひろみー あさぎまだらがたくさんいるよ!」
天野さんがコーフンした様子で ひろみさんにいう。
アゲハよりも少しちいさい うっすら色つき影絵のような 美しい蝶が 何匹も くさい花にたかっている。
美しいものと くさいものの 組み合わせが なんともいえなく いい。
畑をひとまわりしたら 草むしりだ。
石をめくると
三葉虫のような形で ごきぶりのような うごきをする おおきな虫がいる。
奴は ちょっとびっくりして とまどったような 様子をみせて
ちょろちょろと 縁の下のほうに にげていった。
これは サツマゴキブリだそう。
はずかしがりやの ゴキブリだった。
サソリモドキという 毒はないが 形がさそりそっくりの 強烈な虫がいるらしいが
残念ながら 出会うことはできなかった。
4人で ゆるゆると おしゃべりしながら 草むしり。
途中から 天野さんは 台所で ごはん係。
ほのぼのとした 春のひととき。
草むしりが 一段落したら
お庭にテーブルと椅子をだし テーブルに かわいい布をかけて
お皿を準備する。
天野さんが つくってくれたのは
お庭パスタ。
お庭の畑のいろいろな野菜やハーブ たっぷりの野生の風味の おいしいパスタ。
摘みたての レモングラスをいれた お水と
ミントをいれた お水。
パスタをいただきたながら いろいろなお話をする。
ひろみさんが 奄美にやってきたときの ふしぎなお話。 ユタ神様のお話。 おふたりの生活。
「おふたり、熟年夫婦みたいで、すてき☆」
まやさんがいう。
仕事でも家でも ずっといっしょなので 熟年夫婦なみに 一緒にいるのではないか…など 笑いながら話す。
おふたりで おおきなまるを えがいているような
すてきなご夫婦。
ふたりは最近 ムーミンとハイジに はまっているのだそうだ。
やっぱり ほのぼのだ。
おいしいコナの 珈琲をその場で いれていただく。
ゆるい時間。
その日の 日記に わたしがかいていた 言葉は
�爐呂討靴覆�love��
ほんとに はてしなくloveな ひとときであった。
そうこう するうちに
わたしたちの フェリー時間が 近づいてくる。
車に乗る前に
海まであるいて この集落の海に ごあいさつさせていただく。
おおきな一枚岩がある。
ああ かえりたくない
さみしい。
また 必ずくると 心にきめながら
おふたりと お別れする。
ありがとう。
自分が ちゃんと 生きている感じが する。
*
まやさんと ふたり 港に 車でむかいながら
これからの話をする。
今夜は 名瀬にもどる。
一日目に わたしが出会った にいちゃんと その幼馴染の 手相見の人と 飲むことになった。
おみやげも かわなくちゃ。
そして あした 空港に行く前に
ユタ神様に おしえてもらった 海岸にたちよって
海の神様におねがいして まいにちのお祈りのために お線香をたてる白砂を いただかなくてはいけない。
白砂をいただくときに 3本のススキが必要だ。
「すすき手に入れなくちゃね」
そういったとたん
車をはしるそばに すすきがあらわれた。
「わ、すごいタイミング」
車をとめてもらい 立派なすすきを3本いただく。
港に到着すると 車がたくさんいて いろんな人もいて
なんだか急に 都会にきたような 感じがする。
古仁屋の港にもどって それから名瀬にいって
あした大阪へ。
すこしずつ 段階をふんで 都会へ ちかづいてゆくのだ。
| 2013年04月09日(火) |
奄美大島の旅7(忘れそうになりながらもがんばって書きなぐる) |
ウェットスーツをきる。
ウェットスーツって なんだか 全身黒タイツの顔だけ ぬいだやつみたいで
着ると おかしな動きを したくなる衝動が わく服だ。
水中眼鏡とか 空気をすうやつとか 装着方法をおそわって
いざ海へ。
さっき 水面をつるつると すべった 海の中へ。
わたしは うみがこわい。
おおきすぎて のみこまれそうで こわい。
そもそも 水がこわくて
小学校3年生まで もぐることが できなかった。
クラスのみんなが 簡単に泳いでいる横で
水に顔をつけられず 水のなかに棒立ちにつったって 水面をじっとながめて 固まっていた自分を おぼえている。
小学校3年のときの 夏休み水泳教室の めだか組の先生だった 大学生のおねえさんに 指導されて
やっと およぐことが できるようになった。
それでも まだ あの 水のこわさが 身体のどこかに のこっている。
だから これまで
うみに 近づけなかった。
ひろみさんが 陸で火の番をしていて
天野さんが 海の中を ガイドしてくれる。
身体のつかいかたを おそわって ぷっかりうかんで 海の中をのぞく。
海の中
水面の上と下では 別の世界。
のぞいてみると こわさよりも 好奇心がさきにたつ。
魚がいる。 珊瑚がはえている。 みたことない形や色の いきものたち。
うえからは みえなかった
わたしが 知らなかった 世界がある。
すこしずつ 深いところへ。
大丈夫そう。 すこしこわいけど こわいより おもしろい。
岩には いろんな色の イソギンチャクの なかまたち
繁華街みたいに派手な 色合い。
へんてこな動き
みえかくれする いろとりどりのお魚たち。
ずっと みてたい。
ゆっくりゆっくりと 深いほうへおよぎゆく。
知らなかった。
わたし 38年間いきてきて うみって こんなものって しらなかった。
深くなると 雰囲気がかわる。
宇宙旅行のよう。
地球の海の中に 宇宙が かくされていたんだ
これが 地球が 宇宙の一部だ ってことの 証拠だ。
耳に ぷちぷちと 何重にもぶあつい音が きこえてくる。
「この音なんですか?」
「これは イキモノたちのたてる音。 水の中は音が伝わりやすいんだよ」
すごい たくさんの イキモノの気配。
水は透明だけど よくみると 白いつぶつぶが たくさん とけている。
春だから プランクトンが たくさん 水中にいるんだそう。
水の中に 命がひしめきあっている。
これまで 「母なる海」という言葉を きいたことはあるけれど
ほんとうに 海は母だったのだと やっと 身体で感じることが できた。
しらなくて ごめんなさいって おもった。
人間は 自分の体験したことのあることだけを 基準に世界をみているけれど
自分がみたことのない すばらしい世界は たくさんあって
地球は わたしがおもうよりも ずっとずっと すごくって
宇宙も わたしが感知できない 壮大なシステムの中で 動いていて
もう ほんとに しらないのに いろいろ おもったり いったりして ごめんなさい
って おもって
涙が でてきた。
人間って なんて ちいさいんだろう
自分の 目と耳と感覚で うけとれるもの しか
感じられない。
わたしが 感知できる以上の わたしがしらない
すばらしい世界が あるんだと
それを 信じきっても 大丈夫だと
安心する気持ちになった。
わたしがしらないところで こんなに 生命力あふれ いきいきと 世界を うごかしてくれていて
ありがとう って
意識できなくて ごめんなさい
って おもった。
天野さんが 水の中で おもしろいものを みつけたら
指差して 教えてくれる。
珍しい形の珊瑚 なんとかなんとか(傘?)という カラフルなへんな動きの イソギンチャク すごく大きな青いヒトデ
「青ヒトデ」
「こんなにみたそのままの名前の いきものいないですよ」笑
目の前に ぷわーっと さんご礁の町。
おおきな魚 小さな魚
水玉模様 しましま くねくね にょろにょろ
青赤黄色 どピンク紫…
なめらかな動き とっぴょうしもない動き
その中に はいりこんで
自分がその仲間の 一部になったような 気持ち。
ひょうきんな顔の おさかなと目があって あいさつする。
みんな ひょうひょうとしてる。
はじめて知った 海の中の世界。
まやさんは 水がすきみたい。
どんどん 水のイキモノに なってゆくように みえる。
このまま 水の中にいると まやさんは お魚に なってしまうんじゃないかと おもう。
水が冷たくて 手がしびれてくる。
もっと 水の中にいたいけど 身体はつめたいみたい。
「もう1時間 そろそろ陸にむかいましょうか」
後ろ髪ひかれながら ひろみさんが守っている 火のほうへ およぎゆく。
うみから すべては 生まれたんだ。
そうして わたしたちは うみに かえってゆくのかもしれない。
うみの中の世界
わたしにとって 魂の世界を おもわせた。
海をとおして 魂の世界を 感じられるし 確認できるし
そうして わたしたちは 深いところで 安心できるような 気がする。
海が好きという人の 気持ちが やっとわかった。
海派か山派か? きかれたら
これまでは 断然山派って いっていたけど
これからは 海山派って言おう。
陸にあがって 岩陰で すばやく ウエットスーツをぬいで 着替える。
乾いた服のきもちよさ。
焚き火のあたたかさ。
ひろみさんに あたたかい レモングラスティーを いれていただく。
おふたりの おうちのお庭で とれたという レモングラス。
全身を あたたかく つつんでくれる ぶあつい緑の香り。
しあわせ。
なんて 自分が 生きている感じがする 時間。
天野さんご夫妻の やっているお仕事の すばらしさを おもう。
海の世界と 人間を つなげなおす お仕事の よう。
うみにたいする敬意 宇宙、地球、 大自然に対する 敬意。
そのもとで 人間らしく いきるには どうしたらいいのか。
わたしは イキモノとして ちゃんと 生きたい。
もう いろいろな 気持ちがひそかに あふれ
感動に うちふるえつつ
焚き火にあたり
レモングラスティーを 味わい
それから 片づけをして 荷物をカヤックにのせる。

もうすぐ 夕方の 時間だ。
帰りは シーカヤックで
もときた海を帰る。
カヤックにも やっとなれてきた。
体育会系の 漕ぎ方をして つるつるした海面をすべってみる。
わたしは この水の下に
宇宙がひろかっていることを きょう知ったんだ と
うれしい 気持ちになる。
ひろみさんも 天野さんも
つるつると すべるように 自由自在。
ああ 海からはなれたくない。
「まやさん このまま逃げようか!」
「逃げよう!」
でも きっと わたしたちじゃ
逃げようとしても
おふたりに すぐ つかまってしまうだろう。
陸に あがるのが 寂しいながらも
シーカヤック着き場に到着。
みんなで よいしょよいしょと カヤックを 車のよこまではこぶ。
大切な 時間だった。
まだまだまだ わたしは 死ぬまで しらないことが いっぱい。
きっと 死んでからも しらないことが いっぱい。
車で 宿の5マイルまで おくってもらう。
あしたは
ハワイや 加計呂麻の スライドをみせていただきに
おふたりのご自宅に おじゃますることになった。
それから おふたりがもう一軒かりている 秘密基地をみせてもらうことに。
「お昼ごちそうしますよ」
「えーでも…いいんですか」
「じゃあ、かわりに草むしりしてもらおうか!」
「わあ!やります!よろこんで!」
うれしい展開に わくわくする。
宿に帰ると 夕方のにおい。
5マイルのむすめさんたちや 宿泊している子、
子どもたちが みんながお庭で あそんでいる。
のどかな 春の夕方。
おふろに入って ひといきついて
7時から 晩ごはんだ。
*
晩御飯
テーブルには お頭つきの赤いお魚のおさしみ。
すじあらとかはあじんとか言う お魚らしい。
うまい!
今夜は まやさんも飲むらしい。
30度の 黒糖焼酎竜宮を ふたりで がぶがぶ のむ。
煮物がでてくる。
おあげ、 じゃが、 煮たまご 上にはしまらっきょう。
ますす?(かわはぎ)のフライは レモンをかけるとうまい。
そうして 昼間
郵便配達のおばちゃんが ひろっていたという おいしい貝
トゥビンニャ(トゥラダ)。
 トゥビンニャ(猛毒のアンボイナ貝とカタチが似ているんですって)
かわいい むすめさんたちが ひろったのだという。
「おいしい!」
となりでご飯をたべていた
5マイルの 娘さんたちが
うれしはずかしの 表情をする。
なんとかわいい 子どもたち。
すこしずつ なれてきて
ふざけて 一緒に あそぶ。
こんなうみと緑の中で 育つなんて
なんてしあわせな 子どもたち なんだろう。
わたしも もしも 子育てをするなら 島で したいな。
子どもたちのおかあさんである りえさんと 新潟からきている そのまたおかあさんも
なんとなく 一緒に おはなしして すごす。
りえさんと なにか ユタ神様の話になる。
「もしかして 会ったのって○○さん?」
わたしたちが あった 男性のユタ神様の名前を いう。
「そう!」
「いま、本を読んでて…」
驚くことに いま 彼女が港で借りて 読んでいる本に (港に本貸し出しコーナーがある)
その方がのっていたという。
本をもってきてみせてくれる。
そうそう この人が わたしたちが 数日前にお会いした方!
その本のタイトルは 「ユタの黄金言葉」 (大阪に戻ってからさっそく購入)
沖縄や奄美のシャーマンについての レポートがまとめられている本。
すごい タイミングだ。
いろいろなことが おもしろいくらいに つながってゆく。
10時すぎ
りえさんとおかあさんと 子どもたちは ご近所の お誕生日会ということで
てづくりのケーキを 飾りつけていた。
ケーキのまわりに カラフルなお花
とっても すてき!
そのケーキを これから ご近所さんに もっていくのだそうだ。
「勝手にのんでてください」
りえさんが 竜宮の瓶を おいていってくれる。
みんなが でかけたあと
コップに 竜宮をいれて
うみへゆく。
波打ち際に いすを ふたつならべて
まやさんと ゆるゆる 語る。
きょうも まあるい月が みてる。
黒糖焼酎のみながら ゆるゆる はなして
夜が ふけてから
部屋にもどって ウクレレを ひく。
てきとうなうたを まやさんと うたっているうちに まやさんは ねはじめる。
ウクレレ ひくのやめると
まやさんが おきて
「ちょっと きもちいいから そのまま ひいてて…」
といって またねる。
しばらく ウクレレをひいて
まやさんが ぐっすり ねむったころ
またうみへ あいさつに。
はだしになって うみに つかる。
今夜が 加計呂麻の 最後の夜。
それをおもうと
もう うみから はなれたくないと おもう。
でも おふとんは お部屋
お部屋にもどって おとなしく ねむることにした。
まいにちの生活が濃厚で まとまった時間が なかなかとれず
奄美日記のつづきが かけていない。
細かいところの記憶が あいまいになっていき
だんだん 短い日記になってしまうかも しれません…。
あたたかくなって あしながばちが 洗濯場に 巣をつくりに やってくる季節。
あしながばちが ぶんぶんやっている中で
洗濯ものを 干しているとき。
ああ わたし自身が わたしのカラダの中に
しっくり おさまることが できているような
感覚が あるなあ
と 気がついた。
とっても シンプルで たのしい 感覚。
奄美のかみさまが みちびいてくださったような
ありがとうの気持ちが いっぱい。
さて、 春 いろいろなイベントが きまってきました。
今週末もライブです。
ざっと お知らせさせていただきます。
*ソラネコライブ*
■4月21日(日) 大阪 ムジカジャポニカ 『春の北風は初夏の向かい風』
出演:前川サチコとグッドルッキングガイ/ソラネコ/グラサンズ
18時開場/19時開演
2200円/2500円
ムジカジャポニカ http://musicaja.info/
■4月28日(日) 千倉 潮風王国 『アートフリーマーケット イン 千倉』
*千倉・道の駅ちくら潮風王国 (東京駅八重洲南口より、高速バスなのはな号 安房白浜行きを予約して、潮風王国前下車) *入場無料 *アートフリマ開催時間 9時〜16時 ソラネコの演奏は12時頃の予定です!
*お問い合わせ 0470-43-1039 海猫堂 (http://uminekodo.exblog.jp/)
■6月2日(日) 新世界 のこされ島
■6月23日(日) 高槻 南風楽天 午後のライブです。
愛媛から、かちょいいハワイアンなバンド The Blue Lagoon Stompersさんが やってきます!
■7月13日(土) 高槻 南風楽天 夜のライブです。
ホルモン鉄道!!!
*からっぽ・ライブ*
からっぽとは、水晶ちゃんとはたさとみの ウクレレふたつ、うたふたつ、のユニットです。
■5月31日(金) 京都 まほろば
*カンタ!ティモール・高槻 上映会*
映画「カンタ!ティモール」… 昨年はじめてみたときに、心の奥深くをうごかされた映画。 年明けに2回目にみて、やっぱり不思議な涙がとまらなくて、 今の自分にとって大切な感じはするけれど、 言葉にならない、いったいこれは何なのか? いろいろな人とシェアをしたくなりました。 ご縁がつながり、地元高槻で上映会をします。 おわってからは、うんまいもん飲み食いしながら ゆるゆるゆるーっと交流しましょう!
「カンタ!ティモール」高槻・上映会 5月25日(土)高槻 南風楽天
●上映会 4:30open/5:00start ¥1500(1ドリンク付き)
●交流会(要予約) 7:00start おまかせおつまみ¥1500 のみもの各自
※映画をご覧になられたことがある方は、交流会のみ参加可。
親しい友だち、はじめて出会う人、ちょっとしたお知り合い… その日その時一緒に映画をみた仲間で、思いをシェアしたり、 うたったりおどったり、泣いたり笑ったり… ゆるゆると楽しい時間をすごせたらいいなあ…とおもっています。
カンタ!ティモール http://www.canta-timor.com/
●ご予約お問い合わせ *メール solaneco☆sun.zaq.jp ←☆を@に変える(はたさとみ) 件名を「カンタ!ティモール」でおねがいします *電話 072−685−6395(南風楽天) *南風楽天 http://www.h3.dion.ne.jp/~nampu00/
奄美日記 休憩 である。
奄美から帰って 2週間になる。
帰ってから いろいろ あった。
奄美に いくまえと いったあとでは
生きている 層が かわったと おもえるくらい
なにかが かわって
日々 あたらしい 発見がある。
そして よく お酒をのんでいる。
加計呂麻島に なんとか 移住できないかと
まいにち 考えて わくわくしている。
仕事 お金 相棒 車の免許 …
いろいろな ことが あるけれど
なんとか 移住できないものか。
もうすぐ 夜中の3時だけれど
あしたは6時半におきて 神奈川県の 藤野にむかう。
太鼓たたきの お友だちの 太鼓部屋 オープニングパーティー。
奄美の旅で できたうたを うたおうと おもう。
いろいろな 生き方がある。
そろそろ おもいきって 変えていく時 なのかもしれない。
わたしが 自分の生活を かえること
ゆうきが 必要な ことだけれど
それが いまの わたしにできる
いちばん 大切なことのような 気がして
おなかの中が あたたかくなる。
そうして 自然の かみさまに 祈る。
| 2013年04月06日(土) |
奄美大島の旅6(忘れそうになりつつもがんばってかきなぐる) |
【3月29日】
7時に目覚める。 くもり空。
しあわせでいっぱいだ。
おきてすぐ はだしでうみにゆく。
うみに あさの挨拶。
なめらかな水。
もったりと つつんでくれるようで 安心する。
まやさんもやってきて
「なんか、 ここには 足りないものも いらないものも なにもないねー」
という。
ほんとうに そう!
完璧な世界だ。
足りないものもない いらないものもない。
さえぎるもののない 太陽めぐる ひろい空
ここちよい空気
はだしになりさえすれば きれいな水に 足をつけることができる。
耳にここちよい波の音 風のおと。
生きているものに かこまれていることの 心地よさ。
なんてぜいたく!
7時45分から 朝ごはん。
海藻と豆腐のお味噌汁。 ふきのとうみそ にんじんのサラダ風 海藻入りの卵焼き おさかな。
そして おとなりのテーブルの おかあさんがつくった パウンドケーキ。
窓の外には ここちよさそうに風にゆれる アダンの葉っぱ。
とろんとろんと よせては返す波。
ぶあつい雲の くもり空。
雨がふらなければ いいなあ と おもってから
あ、 でも きっと一番いいように かみさまが してくれているんだ と おもいなおす。
ふと 大阪での自分の生活が ミニチュアを上からのぞくように みえてくる。
仕事 音楽活動 相棒とのくらし。
ほんとうに 大切に したいことが みえてくる。
いらないものが みえてくる。
いままで 考えたことがなく
でも 心の奥底で うっすらと 感じていたこと。
それが くっきりと みえてくる。
ごはんを食べながら まやさんに 語りだすわたし。
わたしの やりたいこと そのために すてなければいけないもの
自分でも 意外なこと
自分で びっくりしながら おもいが流れるままに きいてもらう。
ありがとう まやさん。
人生を てのひらにのせて 眺めるような
とても ふしぎで 大切な 朝ごはんだった。
あの ひととき
いきたくても なかなか いけない場所に いかせてもらったように おもう。
*
さて いよいよ シーカヤック。
9時に ガイドをしてくれる リトルライフの天野さんご夫妻が 迎えにきてくれる。
わたしは
“山はだいすきだけど 海はこわくて これまで ちかづくことが できませんでした。 これを機に すきになれたら うれしいです。”
…というようなことを 前もって 伝えてある。
わたしたちは 水着の上に ぬれてもいい 服を着て
準備万端 部屋でまつ。
9時ちょうどに おふたりが やってきた。
天野さんは 想像よりも がっしりとした体格で 想像どおり やさしいお顔だった。
奥さんのひろみさんは 目がまあるくやさしく 輝いていて 猫のようなキュートさがある ショートで小柄の女性。
ふたりの車にのって まずは カヤックを車にのせるために 彼らの集落に寄る。
「きょうはね 大潮で しかも昼間に干潮になる 珍しいスペクタクルな日なんですよ。 ちょうど昼間に 干潮になりますから さんご礁とか もぐらなくても みえますよ。」
「へえ!」
「お天気は 大丈夫ですかね」
「きょうはね 風がないから。 とってもいいコンディションだと おもいますよ。」
そうか、 くもり空で なんとなく 怖いかんじがしていたが 風でみると そうでもないのか。
風や潮の満ちひき 潮の満ちひきは 月の影響…
いろんなものが つながっている。
彼らのおうちの前で 車がとまる。
「ぼくたちは カヤックとか荷物を 車に積みますから。 ここをちょっとあるいたところに おおきなガジュマルの木があって、 そこでまちあわせにしましょう!」
集落の道を おしえられたとおりに ゆくと
すぐに
それはそれは おおきなおおきな ガジュマルの木が。
きのう会った おじいちゃんガジュマルよりも 若いのか 勢いがある。
まやさんとふたり ふくざつに絡み合った根っこに だきついたりのぼったり くぐったりして あそぶ。
がじゅまるは 上から 根っこが ぷらぷらおりてきて
それが土に着地して 根っことして下にのびて それが太く 木の幹のようになる。
ふつうの木のように 下から上ではなく 上から下という 方向性がおもしろい。
そのうち 天野さんご夫妻が 車でやってきて 写真をとってくれる。

がじゅまるの根っこのひとつに 「平成21年着地」 とマジックペンでかかれた 木の札がかかっていて 笑える。
「あーこれ書いたの○○さんかなあ?」 「集落でこういうの書く人 あの方しかいないよね…」
ご夫婦ふたり ふふふ…と わらいながら。
集落の人たちとの あたたかな くらしぶりが 想像される。

車にのって シーカヤックの出発ポイントへ。
「ぼくたち おととい大阪から こっちにもどってきたんですよ」
彼らは ハワイから日本の四国などをまわり 最後にひろみさんの実家のある大阪から 島に戻ってきたばかりなのだという。
「じゃあ、わたし一緒な飛行機だったかも!」
と まやさん。
大阪から奄美大島は 一日一本の飛行機しかない。
「もしかして 出会ってたんじゃないですか? わたしたち 猫ちゃんのケージかかえて 移動してたから…」
「え!わたし、 まやさんを迎えにいったとき、 ケージかかえた女の人でてきたのみました! クリーム色っぽいケージ、 だいじそうにかかえてた…」
わたしがいう。
「それ、わたしかも!」 と ひろみさん。
「でも、出てきたとき、ひとりだった気がする…」
「だってひろみ、先にひとりででたじゃない ぼくが荷物まって…」
「そうだー」
「じゃあ、もうすでに会ってたんですね」
「わたしも、伊丹で、横にいた人が、 荷物整理しながら猫ちゃんあやしてた気が… 窓際で…」 と まやさん。
「え、それわたしたち! �爐気鵑舛磧爾鵑気鵑舛磧爾鶚瓩辰董弔△笋靴討拭直弌�
「えーすごいですね。もうすでにあってたんですねー。」
車はじきに シーカヤック着場にでる。
湾のちょうど真ん中あたり。
きょうは 初心者でも上級者でも たのしめるコースを ゆくそうだ。
まず 荷物を防水袋に入れて サスペンダーみたいなのがついた 防水の服を着る。
そして カヤックの漕ぎ方を こぐ棒(シャフトっていうのかな?)をもちながら おしえてもらう。
あんまり 日常生活では やらない動き。
難しいけど わくわくする。
カヤックへの乗り込み方など おそわって いよいよ
くもり空の ぬろんとした 海へ!
すーっと すべるみたいに 海の上にでる。
わたしたちは ふたり乗り。
わたしが前 まやさんが後ろで 舵取りをしてくれる。
天野さんとひろみさんは それぞれ 一人乗りで
わたしたちを 前後左右から 見守ってくれる。
そうして ゆっくり ぷかぷか 大海にすすみゆく。
きもちがいい。
「あ、きょうは黒糖つくってる!」
遠くの岸から煙がでている。 風にのって香ばしい香り。
黒糖工場(といっても小さな小屋)で 黒糖をつくるのは まいにちではないらしい。
きょうは 炊く日だったんだ。
島の人たちの 生活におもいを 馳せる。
加計呂麻島には 「かけろまきび酢」というものがあって 壷にさとうきびを入れておくだけで できるお酢なのだという。
それは この島でだけ その作り方でできるんだそうだ。
加計呂麻島の空気中だけにいる さとうきびをうまく酢にする 酵母菌たちがいるのだろうか。
昔の人が たまたま 壷にさとうきびを入れていたら 酢になっていて びっくりしている場面を 想像する。
そして、 それが この島でだけだということが わかって
まほうの島だと いわれているのを 想像する。
でも ほんとうに ここは まほうの島みたい。
まわりにあるものが ぜんぶ生き生きしている。
どこにいても 生きているものに かこまれている。
その気配に 安心する。
海の色が うすいグリーンブルーから 透明な紺色にかわる。
こんなに ちかくで
こんな 美しい色の水を
みたのは はじめて。
お魚がおよいでいるのがみえる。
いまの季節は 海がめがいて ときどき 呼吸しに 首をだすことがあるのだという。
とぷんとぷんとゆれる 海の上
湾の端 岩場のごつごつした がけのそばを通る。
「流れが強くなってきたね そろそろひきかえそうかー」
方向転換して 砂浜のほうへ。
風がすこし つよくなっている
海の色が また 紺色から 緑がかったブルーにかわる。
砂浜にむかって
「体育会系になろう!」
といって すこし スピードをだしてみる。
つるつると すべるように 海の上をはしる。
あの 砂浜のはしっこを めざして。
そうして 浜に 到着。
カヤックにのっていたのは 1時間くらいという。
そんなに 時間がたっていたとは おもえない。
もうすぐ お昼ごはんの時間。
「すこし寒いから 焚き火をたきましょう」
みんなで 乾いた枝や 流木を あつめる。
わたしたち以外 誰もいない浜。
アダンの木が わさわさ。
カヤックをとめたそばに すこし穴をほって 枝を組んで 火をおこす。

ひろみさんは 枝のひろがった木の下で
つるつるの葉っぱをしいて その上で おなべをふたつ コンロにかける。
ひとつは パスタゆでる用
もうひとつは トマトソース。
その枝の広い木は 夏になると オクラの花のような きれいな花を さかせ
それが 砂浜におちるさまは とても美しいそうだ。
想像するだけで しあわせな気持ちに なる。
なんて 楽園なんだ。
ひろみさんは ちょうどよい 形の石の上に にんにくをのせて 石でたたいて つぶしている。
天野さんが ひろみさんに 声をかける。
「貝をとってくるよ」
わたしたちも 貝とりに ついてゆく。
すぐそこの岩場 岩にくっついている 貝をくいっとはがして 左手に握る。
三人で ほどほどに とれたら
それを ひろみさんの作っている トマトソースにいれて だしにする。
パスタは 海水を水で薄めたもので ゆでる。
焚き火の火が ちょうどよく 燃えはじめる。
「アオサとりにいこう」
またもや ついていって そぐそこの岩にくっついている アオサをとる。
海水であらって そのままたべてみる。
洗いたりなくて 砂がじゃりっとするが 海の香りがうまい。
そうこうしているうちに 海のパスタができた!
焚き火のすぐそばに 組んでもらった テーブルと椅子にすわって いただくパスタの なんと おいしいこと!

天野さんご夫妻と いろいろな話をする。
「大阪に行ってね 都会のほうが不便だね…って 話してたんですよ。 車とめるにも、待たないといけないし、 駐車場代もかかるし。 なにかとお金がかかるしくみになってて…」
きのうのほかほかご夫婦が 話していたことを思い出す。
加計呂麻では 魚とお野菜は ほぼ自給自足。
移住したてで 畑をしていなかったり 畑が小さいおうちには 集落の人が 野菜を勝手においてくれるので
だから わたしたちも 畑をしようっておもって はじめた… といっていた。
お金をつかうのは 安い家賃のほか お米と調味料を 時折古仁屋まで 買出しにいくときだけ…と。
天野さんご夫妻は
できるだけ 先住民族のような 生活に近づきたい という。
それ とってもいい。
わたしも 近づきたい。
わたしからみると
おふたりから 野性の おおさかさや 強さ 茶目っ気が 伝わってきて
もうすでに そんな 生き方を されているように 感じるのだが。
わたしは
いまは 都会にすんでいるので
都会の中に 居ながらにして どこまで 野性にかえれるのか
実験中だ。
でも この島にきてから
もう わたしも 都会で実験するのはやめて
この生き生きした 自然の中に とけこんで
野性の智恵を学びたい…と
その衝動が ぐんぐん ふくらんできた。
カヤックのことを 天野さんに おしえてもらう。
きょう わたしたちが のっているカヤックは アリューシャンタイプという 名前だそう。
太めでぼてっとしている。
アラスカあたりの人たちが 島々をわたる荷物をつんで 長くまっすぐ走るのに 適しているのだとか。
昔は 鯨の骨で骨組みを組んで アザラシの皮を はっていたと。
それを スキンカヤックといって まるで イキモノのように すすむのだそうだ。
旅に出る前に アラスカを愛した写真家 星野道夫さんの写真エッセイ集を よんだばかりだったので
あの写真と言葉から 感じた 海の生活が ふわーっと イメージされてきた。
自然とともに いきるひとびと。 つながりながら いきるひとびと。
いまここにあるものは 世界のどこかの 過去のどこかの
だれかの 智恵が
つながって あるもの。
いまも むかしも ずっと これからも
自然とのつながりのもとで 人と人がつながって 自分が自分とつながって
それで まあるい まあるい
きもちいい循環が できていくんだとおもう。
なにか どこかが きりはなされてしまうと
ゆがみができて そこから 悪循環の ありじごくに はまってしまって
自分の心の中や 他人との関係の間に
いろいろな 苦しみが おこってくるように おもう。
きりはなされている時の 自分の感覚
仕事で出会う人々
社会でおこっている いろいろな こと
が
頭をよぎる。
それを ぜんぶ まとめて
いまこの まほうの島にある
まあるい つよい つながりの 力で
つつみこんで しまいたい。
そうおもう。
「珈琲すきですか?」
「だいすきです!」
「おいしい豆があるんです。 ハワイで滞在していたのが コナの珈琲農園で。 有機栽培のとってもおいしい豆で…」
その場で がりがりまめをひき いれてもらった 珈琲をいただきながら
おふたりが 冬の間いっていた ハワイの話をきく。
イルカと泳ぐ話 くじらの声が 身体にひびく話。
「あした よかったら うちに ハワイのスライド みにきませんか?」
ふとした おもいつきの おもいがけない おさそいに
わたしたちの 心もおどる。
ぜひ!
焚き火を囲む わたしたち4人の足。
まやさんが
「わたし 自分の身体の中で いちばん足のつめがすきなん。 わあ、みせてしまった!」
みんなが 笑う。
かわいい 桜貝みたいな つめ。
みんな くつをぬいで
足の形を かんさつしあう。
この 何気ない 時間が
ほわほわと たまらなく しあわせ。

「そろそろ潮がひいてきたね」
潮がひいて 岩場がでてきている。
岩場をおさんぽ。
すぐそこに 珊瑚がみえる。
岩についている カラフルな貝や いそぎんちゃく。
青いおさかな くまのみ。
岩をもちあげてみると
にょろにょろした クモヒトデたち いきてるウニ 貝や蟹たち
なんて たくさんの生き物たちが みえないところに ぎゅっと つまっているんだろう。
相棒に この ぬにょぬにょした 多種多様な生き物たちを みせてあげたいと おもう。
…と、むこうに人影がみえる。
干潮になると おいしい貝がとれるので 貝をとりに みんな干潟にやってくるのだそう。
「あれ、あれ郵便やさんの○○さんじゃない?」
「仕事中だよね…笑」
配達の途中だけど 潮がひいてるから 貝をひろいにゆく。
このゆるさが いい。
岩場散歩をおえたら いよいよ シュノーケリング。
うまれてはじめて。 うみとの対面。
| 2013年04月05日(金) |
奄美大島の旅5(わすれないうちにいそいで書きなぐる) |
ほかほかご夫婦の おうちは その集落のバス停の裏だと きいていた。
地図をみながら ここかな?
という小さな集落で 車をとめてみる。
腰の曲がった ちいさなかわいい おばあちゃんが
庭仕事をしている。 お元気だ。
きいてみると ほかほかご夫妻の集落は となりの集落だという。
ちょうどそこに 「がじゅまる」 の看板があったので 車をとめたまま いってみることにする。
「近いですか?」
「うん、あるいていける。 みんな喜んでみにくるけど 結構古い木だからねえ…」
とおばあちゃん。
とても小さな集落で 空き家もあるようだ。
すみたいーと思う かわいい平屋。
集落をぬけると すぐに 広場と森がある。
濃厚な緑の空気。
「なんかすごいねー」
細い流れ沿いの小道を 少し歩くと
大きなガジュマルの木が たっていた。
おじいさんのような がじゅまる。
根がいりくんで ケンムンが すんでいるというのが よくわかる。
わたしが ケンムンだったら どのあたりに 住もうかなあ…と ガジュマルの お気に入り部分を さがす。
集落を間違えたけど このがじゅまるじいさんに 会えてよかった。
車にもどって ほかほかご夫婦の 集落へ向かう。
さっきの集落よりも すこし大きい。
車をとめて バス停の裏のおうちの 表札をみる。
あ、ほかほかご夫婦の 名前だ!
石垣の門と 緑の木々
「こんにちはー!」
声をはりあげて 門から挨拶してみると
「はーい!」
家と反対の畑のほうから 声が聞こえる。
「来ちゃいましたー」
畑をのぞくと 畑仕事中の おふたりの いっぱいの笑顔。
ああ やっぱりほかほかだ。
畑には春菊の黄色い花が咲き乱れ にんにく、キャベツ、にんじん…
大阪のうちの畑の野菜たちよりも みんなひとまわりくらい大きい。
太陽の力か 土の力か 愛なのか。
「そうだ、となりのおばさんちの 珍しい野菜みせてあげる、 こっちこっち」
飛行機で畑の話をしていたときに 話題になった、奄美独特の ナントカっていう大きな葉っぱのお野菜。
長靴姿のおかあさんについて となりのおばさんちの畑を見学し
その流れで 集落のおじさんがやっているという 小さなゴルフセンターをみせてもらう。
センターといっても、 海に面した、 屋根のついたちょっとしたスペース。 そこから海にむかって 打ちっぱなしになっている。
いま、ちょうど干潮で 目の前の海は干あがって 海の底がみえている。
「ここね、海にむかって打つのよ。 でね、干潮になったら 玉をひろうの!おもしろいでしょ!」
「ははははは!」
みな笑う。
「わたしね、ここからの眺めがいちばんすきなの! ここにすわってビールのむの。 ほら、すわってみて!」
おかあさんは少女のよう。 おかあさんの好きな風景がみえる 木のベンチにすわってみる。
右すぐそこにつきでた半島 海は湾からむこうの大海へ ずっとつづいている。
「ときどきね ここ 居酒屋になるんよー」
このオープンな ゴルフセンターに 集落の人たちが集まって お酒をのむことがあるらしい。
こうやって 気軽に お家の近くで 海のそば 空の下
親しい仲間とゆるゆると あつまって飲む
なんて ぜいたくなんだろう。
 ゴルフセンター。 ここにむかって球をうつ。 干潮になっている時が球ひろいのチャンス。
集落の中をくるっと まわって ほかほかご夫婦のおうちへ。

門を入ると カラフルなお花が 咲き乱れるお庭。
空港からの道すがら たくさんお花をかっていたけれど このお庭のためだったんだ。
実のなる木には お父さんが作った かわいい 小鳥のおうちがあって ときどきメジロがくるという。
海に浮いてる うきを拾って カエルにみたてて つくった植木鉢が カラフルでかわいい。
 この中に土をいれて 植木鉢にする。
「植木鉢もかわんでもいいし、 なんでもそろってる」
おとうさんの顔から しあわせが あふれている。
ほんとうに この生活がすきなんだなあ たのしいんだなあ
手作りの庭にいるだけで なんだか 胸があたたかくなってくる。
「どうぞー、お茶のんでってー」
おうちからお母さんの声。
遠慮なく おじゃまする。
昔ながらの古い平屋の民家を お父さんが3ヶ月かけて リフォームしたという。
木のあたたかみのある 心地のよい空間。
テーブルに四人ですわり ロールケーキとコーヒーを いただく。
「なんか、むかしから知ってる家族みたい!」
とまやさん。
「ほんとねー! たまたま、飛行機でとなりになって たまたま、加計呂麻に住んでるって。」
とわたし。
「地図みてる人珍しいから、 観光のひとかなーっておもって。 わたし、ここすんでるのよーって 声かけたんよねー」
とおかあさん。
おとうさんは ふふふと わらっている。
わたしたちは この家の子どもみたいに これまでの旅の報告をする。
おとうさんとおかあさんは 「へえー」とか「よかったねー」とか 笑ったりしながら 話をきいてくれる。
昨夜のお料理とってもおいしかったこと、 加計呂麻に住みたい気持ちになっていること 集落を間違えてガジュマルの木をみにいったこと 諸鈍の集落でオムライスを食べたこと 神社でカメラがこわれたこと ユタ神様に会ったこと。
「この集落にもね、ユタ神様いたんよー。 91のおばあちゃんでね、もう亡くなったけど。 いまはユタ神様、いないねー。」
この集落のユタ神様は、 自分が亡くなるのを わかっていたらしく
亡くなる前に お茶碗など いらないもの全部 海にすてていたらしい。
「みんなでお家片付けにいったんだけど きれーに片付いててねー」
「海にお茶碗すてて ごみにならないんですか?」
「このへんの人ね、 そういうところあってね おもしろいのよ。 全部うみがもっていってくれる うみに返すっていう感覚なんよね。 きっと。」
そのユタ神様のおばあちゃんとは お二人が散歩中に よく会っていたらしい。
「このへんではね、さんぽのこと �爐△襪韻△襪鵜瓩辰討いΔ痢� �爐△襪韻△襪韻靴討襪痢次��瓩辰� 声かけてきてね…。」
ふたりが 散歩の途中 海をみながら すわっていたら
いつも横に ユタ神様のおばあちゃんが ちょこんとすわって
「金はいらん。 ふたりなかよく あればいい…」
とつぶやくのだという。
「そんな言い方してたよ。 なんかようおぼえてるわー」
おかあさんが おばあさんの 口まねでいう
「金はいらん。 ふたりなかよく あればいい」
そのことばが 胸にじんとひびく。
おふたりは 大阪の職場で出会い、 9年前にここに移住してくるまで 共働き生活を していたそうだ。
おとうさんが 脳梗塞で2回倒れ、
医者に 次倒れたら命の保障はない といわれ、
それで 定年前に退職し 残りの人生を 大好きな海のそばで 住むことに決めたらしい。
お父さんは3月末に退職し 先にこちらにきて こつこつとリフォーム。
お母さんは まだ仕事があったので 3ヵ月後の7月に 追いかけて やってきたのだという。
朝起きたら まず たりで散歩。
海沿いを ずっと向こうまで 結構な距離を あるく。
朝ごはんを食べて
晴れたら 船をだして魚を取るか
それとも 畑仕事をするか。
お昼をたべたら 「午後はなんもせん」。
そんな暮らしを しているという。
飛行機にいるときから まるで恋愛中の カップルみたいに なかがいいなあ…と おもってはいたが
いろいろな おふたりの歴史があって いまこの ほかほかご夫婦が あるのだなあ…と しみじみ おもう。
お互いの かけがえのなさ
いまここに 一緒にいることの たいせつさ しあわせさを
一瞬一瞬 あじわいながら 生きていることが
おふたりから 伝わってくる。
 お父さんになついている 飼い猫歴のある野良猫。
加計呂麻の いろいろな話を きく。
ご近所のおじさんが 畑仕事をしている横を お散歩でとおりかかって 挨拶をしたら
「かぼちゃ もうすぐ うまれるよー」
という言い方を したらしい。
野菜の実がなること うまれるっていうんだーって びっくりしたそうな。
「まるで 子どもを育てるみたいにね こっちの人は 植物をそだててるんよ」
お母さんが 緑茶をいれてくれる。
そのお茶碗が あたたかみがあって とってもすてきだった。
「すてきなお茶碗ですねー」
「わたしが作ったのよー」
とお母さん。
陶芸をやっているのだという。
すぐ横の棚にならんでいる どっしりとした壷や花瓶
みんなおかあさんが つくったと。
「すてきー」 「あったかいカタチー」
わたしとまやさんが ながめていると
「いま飲んでるやつ、あげる。 もってかえりなさいよ。 あとで洗ってあげるから」
「え!いいんですか!」 「うれしいー」
色めきたつ わたしたち。
まやさんの 宿での珈琲カップは 黒糖焼酎のカップだったが これからは お母さんのカップに バージョンアップだ。
時計をみると もう5時すぎ。
そろそろ お暇することに。
部屋の壁 ところどころに 筆で描かれた うたの短冊が かかっている。
よくみると お母さんの名前。
「うた詠むんですか」
「そうねー」
島での 暮らし
集落の人たちの 日常の風景を 描いた
あたたかな そぼくなうたたち。
その中に お父さんのことを 詠んだうたがあった。
生死をさまよった おとうさんが 元気にそこにいて 畑をたがやしている … その姿をみている おかあさんの心が
伝わって くるような うた。
さっきから じわじわと おされていた
わたしの 涙スイッチが ついにオンになり
涙が でてきてしまう。
家をでると
陽が傾いた 夕方の空
おふたりが 心をこめて手入れした カラフルなお庭。
4人で門をでる。
そこに さっきのゴルフセンターを やっているという 集落のおっちゃんが やってくる。
いま、 加計呂麻島では NHKのドラマの撮影で
仲間由紀恵や石坂浩二がきているらしい。 すごい!
近距離にいるのだ!
そのおっちゃんは 撮影のためのカメラをのせる船を だしていたのだそうだ。
「おつかれさまー。 どうだった? 仲間由紀恵きれいだった?」
「(遠くて)小さかったわー」笑
ドラマは5月25日から全5回、 先生関係のドラマらしい。 要チェックだ。
車にのりこんで お父さんとお母さんに 手をふる。
「ありがとうー! またきます!」
「いってらっしゃーい!」
どうか ふたりなかよく すえながく
この豊かな生活が つづいてゆきますように。
また 元気なおふたりに あいに来れますように。
祈る気持ちで 手をふる。
まやさんとふたり
満たされた 気持ちで 宿へ向かう。
ありがたい出会い。 出会いとつながりの 旅だ。
*
今夜の宿“5マイル”も HABUSマスターに教わった。
挨拶して お部屋に案内してもらう。
部屋は全部で三つ。
どの部屋も 部屋をでると すぐそこが海。
おおきな木に ハンモック。
「おふろ、どうしますか? ごはんの前にします?」
「どうしようかなあー」
「いま海にはいって おふろで流してから ごはんでも いいかもしれないですね」
それ、いい。
お部屋は ひろびろ 8畳くらい
窓から海がみえ 波の音がきこえる。
きもちがいい。
部屋に荷物をおいて はだしになって いそいで うみへむかう。
夕暮れのうみ 最初は ひんやりしているが すぐになれる。
水が とうめい。 やわらかい。 やさしい。
今朝は どよーんと つかれていたのが ずいぶんと 元気になっている。
みずのなかで とびはねてみる。 みずと あそぶ。
貝や珊瑚をひろう。
まやさんも 海に足をつけて うっとりしてる。

ひとしきりうみを味わい そのままおふろにゆく。
男風呂の窓には 太陽の絵
女風呂の窓には お月さまの絵。
ユタ神様がいっていた 太陽と月 イザナギとイザナミを おもいだす。
描かれた カラフルなお月さまをみながら
コンクリ打ちっぱなしの 野生的なお風呂に つかる。
ああ きもちいい!
「さとちゃん さっきから何回も何回も �爐�もちいい�瓩辰討い辰討襪茵�」
だって なにもかも きもちがいいのだもの。
晩御飯は 天井が高い 食堂のお部屋へ。
わたしたちと もう一組のお客さん。
そして
5マイルの 小さなかわいい姉妹と
新潟からきている 姉妹のおばあちゃん。
姉妹のおかあさんかと 見紛うくらい 若々しい。
お料理をつくっているのが この姉妹のおかあさん、 独特の魅力がある女性 りえさん。
彼女は 新潟から 5マイルにきて 働いているうちに 結婚して
この島に 住みついて しまったのだという。
たまたまいま おかあさんが 孫にあいにきているのだそう。
テーブルの上には おおきな貝。 貝のお刺身だ。
となりのテーブルの りえさんのおかあさんが この大きな貝は 夜光貝だと教えてくれる。
表面を磨いて アクセサリーにできるそう。
ユタ神様が 鏡や数珠にあしらっていたのは ぶあつい夜光貝だった。
夜光貝の身は しっかりして こりこりして でも やわらかくて
なんだこりゃ! という うまさ!
うまい! ほんとに うまい!
まやさんは 「きょうはお酒を我慢するー」 というが
わたしは こりずに ビールを頼んでしまった。
夜光貝からはじまって うまうま料理が でてくる。
子どもたちもみんなで つくったというジーマミー豆腐。
車麩やふき ぜんまいなどの 煮物。
アオブダイの フライ。
お魚のみそ汁と ほかほかご飯。
たべていると スタッフのおにいさんが
「いま、海に赤い月がでていますよ」と
こっそりいいにきてくれる。
いましかない!と おいしいごはんをおいて いそいで海へ。
湾からみえる半島の上に まあるいおおきな 赤い月。
ぽってりと わらっているよう。
「はやく ごはんたべて うみにはいろう!」
月にてらされた うみにはいりたくて たまらないのと
おいしすぎるごはんとの あいだの
葛藤。
いまここにある この赤い月は きっと いまだけだから
その あかい月を のみこんで 身体にいれるようにして 感じてみる。
まやさんが イタリアの古典の 月のうたを イタリア語で うたいだす。
まやさん 月の女神 みたい。
(大阪にかえってから この月のうたの歌詞を おしえてもらう。
“優雅な月よ 自然のすべてのものに 愛の言葉を吹き込む 優雅な月よ…”
こんな歌詞だったらしい。
あの夜に あの時に ぴったりの歌だった)
いま 自分が どこにいるのか
何歳で なにをしているのか
自分が 男なのか 女なのか
人間なのか
わからなく なってくる。
ただ 海があって 月があって 夜がある。
でも ごはんの つづきを たべなければ。
食卓にもどると 電気の光が まぶしい。
おいしすぎる ごはんのつづき。
黒糖焼酎の 酵素ジュース割りをのむ。
ごはんも おいしく 味わって
ひといきついて また うみへ。
月はもう あかくはなく 高くあがり
なみなみの雲に みえかくれしている。
やっぱり さっきの月は さっきだけだった。
いまの月も いまだけ。
はだしになって うみにはいる。
ああ きもちがいい。
月がうつる海。
月の光が 海にとけて なみがとろとろに なっている。
目をとじて 自由にからだを うごかしてみる。
目をとじると 身体が うごきたい動きが みえてくる。
胸が いっぱいになる。
もう これ以上の しあわせはないと おもう。
声をだしたい。
まやさんと はもるみたいにして 自由に声をだしてみる。
月のかみさま ありがとう
海のかみさま ありがとう。
自然と そうおもう。
時間とか 年齢とか 場所とか 現実を 越えて
自分が すっぱだかになったような
もしも 魂というものが あるのなら
魂がこっそり カラダから ぬけだして
うみで あそんでいるような
ついでに カラダも 洗濯したような
そんな 夜だった。
月と 海と ひとしきり あそんだら
さすがに やっぱり つかれていたのか
うみからあがって まもなく
11時には すやすや 布団で
撃沈…。
あしたは いよいよ シーカヤックだ。
まだ まだ うみの そばに いられる。
しあわせ。
| 2013年04月04日(木) |
奄美大島の旅4(忘れないうちにいそいで書きなぐる) |
【3月28日】
7:30に起きた。 晴れてる。
お酒が 残っていて 全身が重く にぶい。
のそのそと おきあがり 洗面にゆこうと 廊下にでると
隣の部屋のドアが全開で まやさんは さわやかに 荷物の整理などしている。
元気だ…。
「珈琲、のもっか…」
まやさんの部屋に 珈琲セットをもちこんで 元気そうなまやさんに 珈琲をいれてもらう。
昨夜 ワンカップの 黒糖焼酎を買って ふたりで飲んだのは まやさんも一緒に 珈琲を飲むためだ。
マイカップを 持ってこなかったから 紙コップを買うという まやさんに
「紙コップよりも これでしょう!」
と 焼酎ワンカップをすすめたのだ。
それが なかなかいい感じ。
焼酎カップで 珈琲をのむまやさんと
今日のスケジュールを 確認する。
きょうは 古仁屋の港を 10時25分にでるフェリーで 加計呂麻島へ 渡るのだ。
だいたい2時間くらいの余裕をもって 出発することにした。
荷物をまとめて おとうさんとおかあさんに 挨拶する。
「いってきまーす!」 「また土曜日に戻ってきまーす!」
「いってらっしゃい!」
車が発進すると まやさんが
「まだお酒のこってるのかなあ。 なんかテンション高い! わらけてくるー」
という。
ずっしりと 低空飛行のわたしと 対照的だ。
「どうしよう、なんか、 テンション高すぎて プチっときれるかもしれない!」
とにこにこしながら いいだすもので
運転しながら プチっときれられたら これは大変だ…と
わたしは クールダウン係に まわることにする。
「おちついておちついて…」
とか 言ってみる係だ。
車は南の方へ。
まあるいどっしりとした 山々の間を走る 一本道。
「緑がきれいねー!」 「新緑かなあ!」
次々あらわれる山々の 新鮮な存在感に 包まれて 気持ちが ほかほかしてくる。
淋しくない。
都会よりも ずっと ひとがすくないけど ずっとずっと 淋しくない。
このやまやまの 存在感… 安心する。
車の中では なぜか おじいちゃんや おばあちゃんの 話になる。
まやさんの はいからな おじいちゃんの
散髪の お話をきいた。
わたしは だいすきな おばあちゃんの はなしをした。
はなしながら なんだか 泣いてしまった。
わたしが 結婚を 友だちにも 親にも 反対されたときのこと。
唯一 当時90歳の おばあちゃんが
「誰がなんといおうと おばあちゃんは さとみの味方だからね。 信じているからね。 さとみが 好きな人なら おばあちゃんは いいとおもうよ」
そう いってくれたこと。
おばあちゃんが 亡くなった いまでも
その存在が とっても 力になっていること。
また おもいだした。
途中 道の駅に車をとめて
緑の上を すこしだけ お散歩する。
緑の濃厚な空気 鳥の顔みたいな花 やまやまたちの存在感 その上に
おはよう! 太陽さま!
カメラは あれから壊れたままなので
ひたすら スケッチをする。
絵を描こうとすると その風景や そのものと 深く交流をするような 感覚があって
カメラよりも ずっと いまここの世界と 自分が つながれるような 気がする。
そういえば 仙台で学生時代を おくっていたころは こういう風に 心動くものを 描きまくっていたことを おもいだす。
あの 感覚
あの感覚を おもいだすように いわれている気がした。
カメラはいらない。
ちゃんと 自分の目で手で いまこの場にある 世界を感じろと。
カメラに とじこめたと おもっているものは 幻。
この風景は いまここにしか ないのだから
ちゃんとナマで 感じて おきなさいと。
それは このところ わすれていたけど
わたしにとって 大切な 感覚だった。
港へむかう途中 えらくお腹が 減っていることに きがつく。
集落のコンビニ “アイショップ”で
おにぎりと サンドイッチと あげもちと ゆで卵を 買い
むしゃむしゃと食べた。
お腹が すいていたので あまりに大量に 買い過ぎてしまい
おにぎりまで たどりつかなかった。
その横で まやさんは あげもちと アイス最中を 食べている。
アイス!
わたしも サンドイッチともちと おにぎりと卵なんて おかしな 組み合わせだが
まやさんも 相当意外なものを 食べている。
やっぱり お酒を飲んだ次の日は 食欲がおかしくなるものだ。
古仁屋の港まで だいたい一時間半
ちょうどよいくらいの時間に 到着した。
“フェリーかけろま”に 車ごと乗って いよいよ 加計呂麻島へわたる。
まやさんは いつのまにか よもぎもちをゲットし おいしそうに 食べている。
よく 食べる。
フェリーの椅子に すわったとたん
ねむくてねむくて 気絶してしまった。
あっという間に 加計呂麻島の 瀬相港に到着。
フェリーをおりると 島から 誰かが見送られるところらしく
沢山の人が あつまって
「○○さん!バンザーイ!」 と大声でさわいでいる。
あまりに派手なので 有名人か?と おもって きいてみると
学校の先生が 島を離れるのだそうだ。
あんなに派手に 見送られるなんて なんだかドラマみたいだ。
空港でも 誰か大切な人を 迎えに来ているんだろうなあ…という人が たくさんいたけれど
奄美の人の あたたかさ つながりの深さが こういうところに あらわれているのでは ないかと感じる。
さて 加計呂麻島だ。
空は ぴかぴかに 晴れている。
お昼ごはんは 港でおそわった 諸鈍集落の たこ焼きやさんで 食べようということになる。
そこまでは ちょっとした ドライブだ。
山道海沿いの道山道… くねくねとゆく。
大島よりも人気がなくて しずか。
空気自体が生きていて そおっと息を ひそめているような 濃厚なしずかさ。
諸鈍についたら まず神社にご挨拶。
そうしていたら 波の音がきこえたので 波の音のする方へいってみると 太陽の光ふりそそぐ 浜にでた。
ああ 奄美の海だ。
こんにちは。
やっぱり なんだか元気な まやさんは
ぴゃぴゃーと靴をぬいで 海に走ってゆく。
わたしは まだ半分ねているような けだるい感覚だったので くつをぬぐ元気なく
光の中で 海にたわむれるまやさんを みてた。

海にもごあいさつできたので 今度はめしだ めし!
食欲旺盛な わたしたち。
海沿いの デイゴ並木の道にでると 教えてもらった たこ焼きやさんは すぐにみつかった。
小さな小屋で 海の男的な 無口なおっちゃんがひとりで やっている。
その店の名は “かなめちゃん”
なんと かわいらしい。
「食べるものありますか?」
「えっと、焼きそばか、オムライス」
「じゃ、オムライス!」
「わたしも、オムライス!」
デイゴの木の下の 素朴な木製の テーブルといす。
目の前は みどりとあおと光が まじりあう海。
ごつごつと たのもしく おどっている デイゴの木。
江戸時代に植えたという 樹齢300年くらいの木、 5,6月には 赤い花がさくのだそうだ。
それはそれは 南国情緒あふれる 風景だろうなあ…と 想像する。

ごろごろだらだらと していると 小さなこばえのような虫が たくさんたかってくる。
ときどき虫をはらいながら ごろごろだらだらする。
時間の感覚が わからなくなる。
はやいような おそいような タイミングで
ずっしりとした オムライスがやってきた。
そして お魚のだしのきいた お豆腐のお味噌汁。
おいしい。
なんて 元気な 食べモノなんだろう。
波の音 黄色いオムライス デイゴの木陰。
とても しずか。
しあわせだ。

顔や腕を こばえのような虫に たかられながら むしゃむしゃと食べる。
食べ終わったころ まやさんが
「虫が耳にはいってる」
といいだす。
太陽の光に耳穴をむけると しばらくすると でてくるらしい。
「あ、さとちゃん、でてきたかも!」
わたしは 耳の入り口まで でてきた虫を はらう係。
“かなめちゃん”の人が
「できたばっかりの カケロマの黒砂糖だよ」
と タッパに入った みずみずしい黒砂糖を もってきてくれた。
それをかじりながら またもやまやさんが
「耳に虫が…!」
そう、 まやさんの耳は 虫にもてもてで しょっちゅう 虫が出入りするのだ。
わたしも おなじくらい 耳をだしているというのに。
きっと わたしの耳にはなく まやさんの耳にはある なにかが 虫を魅了しているのだろう。
わたしは 耳は大丈夫だったが 顔を何カ所か 蚊にくわれたみたいに さされていた。
のちにきくと その虫は
いまの季節に増える ナントカ蚊という蚊の一種で
ひとの肌にとまって てくてくとしばらくあるいてから 肌をさすのだという。
だから すぐに払えば さされなが
ほっとくと 服の中にあるいて 入り込んで 中でさしたり するのだそうだ。
虫にたかられながら 満腹になったわたしたちは
お勘定をすませて (なんと500円だった!) デイゴ並木を むこうまで 散歩することにする。
しばらく あるくと
ホットリップスと 看板のついた カフェをみつけた。
ちょうど 珈琲が のみたかったところ。
石垣の 門をはいって グリーンの庭に
パラソルのついた 白い丸テーブルが いくつかおいてある。
いい感じ。
またここで だらだら珈琲を のむことにした。
ぽつりぽつり いろいろな話を しながら
だらーっと すごす。
お店の主人は ここで生まれ育ったという女性。
貝殻を拾うのが好きだそうで テーブルの上や 石垣のあたり カラフルな色と形の貝が 飾ってある。
おばちゃんといっても いい年齢なのだが なんだかとても かわいらしい感じの方だった。
「いい場所ですねー」
「そうですか… これが当たり前だから…」
子どもの頃は デイゴの木のうろの中で おままごとして 遊んでいたという。
うらやましい。
子どもは こんな場所で 育つのが しあわせだろうなあ…と おもうのだが
だんだんと 子どもがいなくなり
学校も 廃校寸前なのだそうだ。
「わたし こんなところにすみたいなあ」
つぶやいてみる。
もし これから子どもを産んで 育てるのなら
わたしは こんな場所で 子どもを育てたい。
自然の智恵を カラダで 学びたい。
「すみたいなあー」
なんども つぶやいてみる。
まやさんは 自然はとても好きだけど
都会の生活に 慣れてしまっているから
この自然の真ん中で 生活できるかわからない…という。
確かに ぜんぜん 感覚がちがうだろう。
でも 出来る気がする。
人間だったら その感覚を知れば
心地よく感じるように おもう。
「できるよー」
「できるかなあ…」
自然と人間の 話になる。
まやさんは このまま 人間が 自然を壊して コントロールしきってしまったら どうしようと こわくなることがあるという。
そっかあ そうなんだ…。
わたしは 逆で
人間が 自然に やられてしまわないか こわくなる
と言う。
「そっかー 人間より自然がつよいか… そうだったら安心する。」
人間はちっぽけなくせに 地球の上に かさぶたみたいに 街をつくって のさばっているから
地球は 居心地がわるくなって
じゃまな かさぶたを かきむしって しまわないか
きっと 地球のひとかきで
人間なんて 消されちゃうから
それが こわくて
ごめんなさい ごめんなさい
すこしでも じゃまにならないように 生きますので
がんばりますので どうか まだ かきむしらないで ください
っておもう。
だから できるだけ
自然と つながる 生活をしたいと おもってる。
人間も地球も お互いに 気持ちよく
地球の皮膚を うるおわせるくらいの 細菌みたいに 生きていきたい。
それが まだまだ ぜんぜん できてなくて
都会に 生活しているだけで
かさぶたに 加担しているような 気がして
ごめんなさい ごめんなさい って おもう。
そんな 話をする。
わたしは 自分が そんなふうに おもっていたのかと
言葉にして はじめて 気がつく。
生活してるだけで 罪悪感を 感じてるのか。
わたしが 仙台から 大阪に やってきた時のことを おもいだす。
飛行機が 関西の上にきたときに
グレーのこんもりとした 空気のベールをまとった 街がみえた。
わたしは これから ここに住むのかと おもった。
すごくすごく おおきな街で
その街の中は 緑の場所と つながっていなくて きりはなされていて
川の両岸も 綺麗に人間の手がはいっていて
人間の手が はいっていなさそうな 緑の場所にゆくには
人間の足では すぐにはゆけない距離 だった。
なにかあった時に 山まで 走ってにげて ゆけないのだ。
本能的に 逃げ場がないと 感じて
こわくなった。
実は そのとき 大阪に住むことに決めたのを すこし後悔した。
大好きな 川や山が すぐそばにある 仙台に ひきかえしたいと
おもっていた。
でも わたしが 住むことにきめたし
大好きな人も この地にはいる
街には街の おもしろさがある。
それを 体験したい。
みんな ここで たのしく 生きてるんだから わたしにも できる。
そうおもって こわくなった 気持ちにふたをした。
ずっとふたを しつづけてきた。
その ふたの中身が ぷわーっと ひらいたような 気がした。
わたしは 田舎に育ち いつも あたりまえに 自然が ある場所で 生きてきた。
竹やぶとか お気に入りの木とか 月とか空とか 川とか風とか 冒険のできる山とか
なにかあったら そういうものに 助けられながら 育ってきたので
日常の中に それが 近くにないと
困った時 元気がなくなった時に
どうやって 自分を 力づけたらいいのか わからないのだ。
“みんなに できるんだから
わたしだって がんばって努力したら できるように なるはずだ。”
わたしは そうおもって
がんばって きたところが ある。
みんなができても わたしにできないことが ある。
自然とのつながりが うすいところで暮らし 都会のリズムの組織の中で 仕事をしていくのは
みんなにできても わたしにとっては けっこう 辛いものだったのかも しれない。
みんなが やっていけるのに
できない 自分が なにか おかしいと 感じてた。
自分の変さ うまれもったカタチ
社会での 生きづらさ。
きのうの ユタ神様に会うまでの 旅のプロセス まやさんと語ったこと いろいろなことが 自分の中で つながってゆく。
自分を 環境にあわせるんでなく
これから 自分の変なカタチにあう環境に わたしは 動いてゆこう。
そう おもった。
うっすらと おもっていたことが
はっきりと カタチになって みえてきた。
「きっと いま大阪にいるのも いまの仕事してるのも なにか意味あるんだろうね…」
「どうなっていくんだろうね…」
まずは できるところから かえてゆく。
たねを まいてゆく。
そして めざすところを ぶれなく もちつづける。
そうおもったら お腹のまんなかが あたたかく なるような 感じがした。
あとから まやさんがいっていた。
「ここ(加計呂麻)にきて、はじめて 人間よりも自然が強いと実感したよ。 人間のほうが強いと思うのはわたしのおごりやね。 自然の方がうんと強い。 だから大丈夫。 回復に時間はかかるかもしれないけど 大丈夫やとおもった…」
うん わたしも そうおもう。
どれくらい時間がたったのか わからないが
そろそろいこうか…と ゆるゆるお店をあとにする。
「まやさん、飛行機でね とってもすてきなご夫婦にあってね…」
飛行機で出会ったほかほかご夫婦の話を まやさんにする。
「いまから宿にチェックインする前に ご挨拶に行きたい感じがするんだ… 寄ってもらってもいいかなあ…」
「いいよ〜」
ほかほかご夫婦の集落は 諸鈍からは 港を通り越して 反対側の集落になる。
ドライブしながら ほかほかご夫婦のおうちに むかうことになった。
| 2013年04月03日(水) |
奄美大島の旅3(忘れないうちにいそいでメモ) |
ユタ神様のおうちは 玄関にしめ縄があるから すぐわかるよ
ときいていたが
本当にすぐに わかった。
玄関の前にたって チャイムをおす。
「さとちゃん、みて!」
まやさんが 玄関の上の照明を指さす。
そこには さっきお参りしした 今井大権現の文字が。
「わあ、さっきいったとこやん。 すごい偶然やね。なんかゆかりがあるんかな。」

チャイムを 3回おしても 誰も出てこないので
扉をあけて
「こんにちはー!」と 叫んでみる。
「はーいはい」
奥からでてきたのは ちょっと小柄なおじいさん。
「今朝お電話したものですが」
「あれ?いまから?」
朝の電話の予約を すっかり忘れているらしい。
「はい!4時っていってたので」
「そうかーじゃ、二階あがってて」
車をとなりの駐車場にとめて お二階にお邪魔する。
二階の部屋には 壁一面に 何段もの 大きな祭壇が。
焼酎がならんでる。 鏡がたくさん。 榊 御幣 おりん 香炉… 鳥のカタチのお腹のところに 鏡があるのが印象的。
ユタ神様は いらっしゃらない。
「こんにちわー」 「二階にあがってまーす」
しばらくすると トイレを流す音がして
白装束に着替えた ユタ神様が 階段をあがってきた。
玄関で おじいさんと おもった印象が かわって
つやつやした エネルギーを 感じる。
「あんたらどこからきた」
「大阪です」
「出身は?」
「わたしは金沢」 「わたしは東京」
「そうかあー」
自然に会話が始まる。
しばらく話して ひとりずつ お酒とお塩と封筒をさしだして みてもらう。
ユタ神様は
ろうそくの火を お酒の瓶をとおして 祝詞の書かれた紙に うつした模様をみて なにかを読みとるらしい。
まず わたしから。
わたしの場合は 自分の生まれ持った カタチについてや カラダのこと 相棒との相性など 教えてもらった。
相棒が健康で 相性も大丈夫と いわれたので よかった。
「あんたは 神さまに祈らないといかん 家に神棚あるか」
「近所の氏神さまのお札をおいてるとこは あるんですけど…」
「氏神さまって何の神様」
「天神さん…」
「人が神さまとして祀られてることあるけど 人を祈るんじゃない、 あんたは、自然の神さまに 祈らないといけない。 そうじゃないと あんたの場合は いろいろ大変なことがおこってくるから」
人間の赤ちゃんは お腹の中にいるときに 月の神様に育てられる。
でも月の神様は 生みだすことはできない。
産むのは海の神様。 だから“うみ”という。
生まれてからは 太陽の力に守られる。
人間にとって 自然の神さまは とても大切なもの。
月 太陽 海 水 山 川 土 穀物 火
この 自然から はずれないように!
自然が神さま。
それを忘れてはいけない。
自然が神さま というのは わたしにとって とてもとても しっくりとくる。
なにか わからない神様に 祈るよういわれるのと ぜんぜん違って 自然はしたしみがある。 うれしくなった。
自然の神様にお参りする方法を おしえてもらう。
*朝
起きたら 顔をあらって 7櫛以上髪をとかす。 (家に櫛あったかなあ…)
身なりを整えて
台所の水神様の神棚に むかって
太陽の七光 きょうもいちにちじゅう 立派な光を 与えてください
…というようなことをいう。
神棚は 左にお茶(自分が飲むのと同じ、火でおこしたお茶) 右にお水 真ん中にお線香を3本。
東向きに。
香炉には 白い砂を いれるといい。
その白砂を いただくのがいい浜辺と いただくための方法を 教えてもらう。
*夜できれば太陽が海におちる時間に
西に向かって 大自然の恵みに感謝する。
祈るときは いつも太陽に ついていくこと。
そして、 神さまは
空を飛ぶ鳥と 豚以外の四つ足の動物を 嫌う。
牛乳や牛肉 空を飛ぶ鳥は 食べないように した方がいい。
人によって 合わない食べ物はある。
子どもに 好き嫌いにならないように 無理やりたべさせようとする 大人がいるが それは違う。
生まれたカタチは みんな違うから その子のカタチを 大切に しないといけない。
ユタ神様の話は いろいろとんで 長くて深い。
東の風を コチカゼというが 雨風とも書く。
屋久島あたりまでの地域では 水があるばしょを湖(かわ)という。
それは 湖は川をつくるための家だから。
湖家風で コチカゼとも かく。
お医者さんが ユタ神様のところにきて
西洋医学的に治らない病気のことを ききにくることがある。
神様のことで病気になることがある。 いろいろな症状がカラダにでる。
症状は 太陽のように 循環する。
太陽の神様は 天太陽大神(あまてらす)
本州ではイザナギのこと
月の神様は ふたつ書き方がある
龍宮海汝神(りゅうぐううなり) 陰月大神
本州ではイザナミのこと
部屋のふすまには 男女の神様の絵が 描かれている。
ユタ神様が 書いたみたいだ。
神棚の一部にあった 分厚いノートをだして いろいろ教えてくれる。
いろんな情報や ユタ神様がかかれた かわいい絵がかいてある。
もう たくさんの情報で わけがわからなく なってくる。
そうしてから お祓いをしていただく。
祝詞をあげて 塩にお酒をいれて 火をつける
火のついた塩を 手にのせて 自分をきよめたり
焼酎をぷわーっと ふきかけられたり
日本刀がでてきて それでお米をなにか していたり。
ペルーやメキシコや バリで体験したような プリミティブな儀式。
これで まずわたしは おわり。
次は まやさんの番。
まやさんもおなじように みてもらったあと
そのまま いろいろな話になる。
ユタ神様は 昔漁師をしていたという。
逃げた大物の話をする 漁師がいるが それは“身のない”話だとか。
釣りは 下見てつるな 上(空)みてつれ。
お天気で いろいろわかる という話だとか。
女は50を過ぎると 下の口が弱く 上の口が強くなる。
男は女郎花 まるくなる。
だとか。
ケンムン(沖縄でいうキジムナーのこと)は 左耳が弱点 左耳をつかまれると カラダがしびれるのだとか。
ユタ神様のノートには 非常にかわいらしいケンムンたちと 相撲をするお父さんの絵がかかれてあった。
ケンムンの左耳を つかんではなげ つかんではなげするが ケンムン仲間が どんどん やってくるので
自分のまわりに 境界をはった。
そうすると ケンムンがこなくなり
それが お相撲の土俵の 由来である…とか。
そして、 ノートに 今井大権現の絵が。
「今日ここに来る前にたまたまよってきたんです」
「ちゃんと扉開けて祈ったか」
「はい」
「あそこの建物の中の鏡から祭壇から ぼくがぜんぶ作った」
「え!そうだったんですか!」
やっぱり わたしたちが 今井大権現にいくことになったのは 偶然ではなかったのかもしれない。
この ユタ神様は 今井大権現のあった 今井岬の集落の 出身で
今井大権現を 守っているお方だったのだ。
たまたま だとおもっていたことは たまたま ではなく 必然だったのかも しれない。
二階のこの部屋にも ユタ神様の 作りかけの鏡が いくつかおいてあった。
鏡の台は木になっていて
真ん中に山 両側に雲があって 雨がふって 海にそそいでいる
その模様が 彫られている。
山の上に 夜光貝の月がでている。
これは 自然の循環を あらわすものだそうだ。
雨がふって 水は海にながれ そうして 太陽によって 蒸発してまた 雨がふる
循環。
そういえば 今井大権現の中の鏡も これと同じ感じだった。 手作りの感じだった。
ユタ神様自身も 夜光貝の数珠のようなものを 首からかけている。
月と太陽のカタチが あしらわれた 夜光貝のペンダントトップ?のついた 数珠のようなもの。
ぜんぶ 手作りなのだそうだ。
ユタ神様は 自然で 自由な アーティストだ とおもった。
話がおちついたら
きょう使った お米やお塩やお酒を お守りとして もたせてくれる。
カバンに入れておくお守りは 夫や車の分も。
塩は ふたのあいた皿にいれて 玄関においておくこと。
お酒は 高い場所においておいて
何かが 自分にはいってきたとき しんどいときなどに なめたり 浄化につかうといい。
気がつけば 外はもう暗い。
時計をみると 7時過ぎ。
3時間も ゆっくりしてしまった。
とても 深く たのしく 濃厚だった。
そして とっても 安心した。
まだ整理できていないけれど わたしの内側の もうひとつのカラダで生きても 大丈夫だと 言われた感じがした。
最後に
「わたしが自分でおもいだすために 写真をとってもいいですか」
と聞くと
神様は真正面から とられるのを嫌うから
斜めからとるように いわれる。
そうか きょうは神社で 真正面から とろうとしたから
カメラが こわれたのかもしれない。
ユタ神様と神棚を とらせていただいて お礼をいって
階段をおりる。
ユタ神様は 笑顔をみせてくれたあと
小さな声で なにか ずっと歌をうたっていた。
階段をおりる間 背中の方で 歌が聞こえつづけていた。
「ああ、なんか よかったねー」
「でも、はなし長かったよね おもしろかったけどねー」
ふたりで 感想をいいあいながら
車で宿にむかう。
夜の街 現実感がなく 道に迷いながら
なんとか たどりつく。
宿のお部屋は お隣同士。
おかあさんの顔をみると ほっとする。
「ただいま」
お部屋で 一息ついて お風呂に入って
今夜も 夜の街へ。
 ユタ神様にいただいたお守りのお酒やお塩。 ろうそくの火をうつした祝詞の紙を 持参したお酒にはりつけて持たせてくれる。
夜は HABUSのマスターに 教えてもらった 奄美料理のお店 “喜多八”へ。
電話をかけると すごくうまいタイミングで 二名席が あいたという。
おまかせのコース 3000円。 そして 飲み放題なら +1000円。
おちつく カウンターで まずは オリオンビールで 乾杯。
それから 黒糖焼酎を いろいろ 飲む。
近頃まで 奄美限定だったという 「やんご」が うまい。
お料理は 順番に、
しまらっきょう ミミガー味噌和え
冬瓜と鶏肉の煮もの。 しょうががたっぷりで あおさがのっている。
卵でまいた おにぎり。
おさしみの 酢味噌和え。
奄美の年越し料理で 田芋、ソーキ、 つわぶき、島の筍、 おおきな人参 の煮もの。
油そうめん。 (魚のおだしがきいたそうめん。)
まだ汁。 (ナマのミズイカの墨で炊いた濃いお汁)
最後に ミキ。

この うまうま 料理と お酒を いただきながら
まやさんと お互いの 大切な いろいろを 語る 充実感!
旅先で しかも 濃い体験を ともにすごしたあとでの 話は 自然と 深くなってゆく。
お互いの 生まれ持った カタチについても 語った。
私の場合は 自分の 変さについて。
保育園にいたころ みんながやっていることが とても不思議に 感じたこと。
あれ、 なんで みんな一緒に 給食たべはじめるの?
というような 不思議さ。
最初は 不思議だったけど
それが だんだん 自分だけ 違う
淋しさや孤独を 感じるようになったこと。
みんなと あわなくて 怒られることもあって 恐れも 感じるようになったこと。
それで だんだん
おおきくなるにつれて がんばって あわせるということを おぼえたこと。
ぎりぎり なんとか
幸か不幸か あわせることが できて 育ったということ。
でも ほんとうは
とても 自分が変で
わたしは これから
その ヘンな自分のまま 生きていきたいと おもっている ということ。
社会の中で 生きてゆくために がんばっていることを すっかり やめてしまいたいと 実は おもっていること。
お互いの 居る場所や 向かいたい場所を
意識 個人的無意識 集合的無意識の 図をかきながら
語り合って 妙に もりあがる。
仕舞には 愛について 語っている わたしたち。
まやさんが語る。
「愛する 愛される ってこいうことでなくてー そういうことじゃなくってー 愛って… “ある”もんだって 感じたの!」
「いいこという! あるよー! 愛 ここに あるよー!」
まやさんの 名言を かきとめる わたし。
わたしは カメラが こわれたので
極力 カメラで とりたいものを スケッチするように していた。 (カメラが壊れて以降 のせている写真は 携帯写真)
スケッチノートを ひらいているのを のぞいた おかみさんが
ちょうど ユタ神様の 話のメモのページをみて
「神様にあってきたの?」
ときく。
「だれ?Mさん?」
「ちがいます○○先生です」
「ああ、親神様よ。 紹介でしょう。」
「そうなんです」
「会えてよかったねー」
そういわれて うれしくなる。
「ここのお店ね HABUSのマスターにおそわったんです」
「あら!そうなの!」
おかみさんの顔が ほころび すごくうれしい感じが つたわってくる。
「よくきてくれてー 元気にしてる? よろしくつたえといてね」
おかみさん うれしそうだ。
ほんとうに この旅は ありがたい ご縁のつながりの旅。
「またきてねー」
「またきますー」
お店をでると
びかびかした満月がみえる。
そうだ きょうは満月だったんだ。
満月に ユタ神様に会い たくさんの メッセージをいただいた。
まやさんと かたりあい 自分のカタチを 確認した。
とても ありがたい いちにちだった。
満月にほえながら 宿にかえり
まやさんの部屋で オリオンビールと 黒糖焼酎で
おぼえていない でもたのしく たいせつな話を たくさんした。
とにかく 結論は
愛
だ。
気がつけば 2時をすぎ
あした 7時半に おきれるかなあ…。
| 2013年04月02日(火) |
奄美大島の旅2 (忘れないうちにいそいでメモ) |
【3月27日】
7:30に目が覚める。
雨。
昨夜 話した いろいろなこと
自分のこと 世界のこと
布団の中 浮かんでは消える。
カラダの真ん中に こっそりかくれている もうひとりの自分が 外にでたがっている感じがする。
このところずっと その感覚があって 島にきてから さらに強くある。
金沢から仙台と移り住んで 20歳すぎに関西にやってきてから なかなか外に だせてあげられていないなあ…と 内側の奴のことを いとおしく思う。
お酒が残っていて カラダがずっしりと 重たい。
全身を清めたくて 窓を全開にする。
風が強くて 何か 話しかけてくるよう。
耳をすましているうちに 雨がふきこんで 畳がどんどん ぬれていく。
名瀬は 周りを山に囲まれているので 窓をあけると 山と話せる感じがして 安心だ。
やっぱりわたしは 山が近くにみえる 町に住みたいなあと思う。
きょうは 12時着の飛行機で まやさんがやってくる。
12時までに空港に行くには 何時に名瀬をでたらいいんだろう。
考えようとしても お酒がとぷんとぷんと 頭の中でゆれるだけで 時間の計算ができない。
そうだ こういうときは 珈琲をいれよう!
宿のおかあさんに 電気ケトルを借りてきて お湯をわかす。
最近 珈琲焙煎にこっていて 自分で焙煎した 珈琲豆をもってきたのだ。
旅のために買った 小さいアウトドア用の 豆をひくやつで がりがり豆をひいて 珈琲をいれる。
いい香り。
すこしずつ 目が覚めてくる。
そうだ。 まずは ユタ神様に電話をしなければ。
それによって これからの スケジュールが かわる。
でも こんな 二日酔いのけがれた状態で ユタ神様に電話なぞ してよいだろうか。
電話することを おもうと だんだん 緊張してくる。
せめても 清めようと
もういちど窓辺で 雨風にあたり
顔をあらって 歯をみがいて 服を着替えて
いよいよ 電話をする。
呼び出し音がなって 間もなく しっかりしたおじいちゃんの声。
「はい」
「あの…わたし、大阪からきたんですけど 先生のこと紹介してもらって… お会いしたいのですけど。 今日か明日の午前に お会いできないでしょうか。」
「1時半はどお」
「12時に友だちが空港にくるので、 それからなので、できたら3時以降がありがたいんですけど」
「3時は人がくるから…空港から40分よ」
「うーん…(できればお昼たべてからがいいんだけどなあ でも貴重な機会だしなあ…) …じゃあ…1時半でがんばってみます!」
「あ、4時でもいいよ」
「4時がありがたいです!おねがいします!」
「はいはーい」
名前も連絡先もきかれずに 電話がきれた。
ひとまず よかった。
会うことが できそうだ。
まやさんに ユタ神様に会う心構えを してもらえるようメールをして
そそくさと 宿をでる。
まずは ユタ神様にもっていくための お塩とお酒を買わなくては。
近所のストアによって 小さめの天然塩の袋を買う。
そのお隣の酒屋にいって
「ユタ神様用のお酒がほしいんですけど」
というと
「はいこれね。」
だしてきたのは 八千代の2合瓶。
「なんで30度のお酒なんですか?」
「なんでだろね。 30度で、ガラスの瓶じゃないとだめなの。 プラスチックとかじゃだめなの。」
お塩とお酒2セットをリュックにいれ 大きなおにぎりを朝ごはんに買って
空港行きのバスにのる。
バスの中で ユタ神様に ききたいことを メモする。
・カラダとココロの波(体調のバランスにメンタルがふりまわされるので) ・人生で成し遂げる仕事 ・相棒(申年)
かいているうち 文字がゆらゆらして そのうち居眠りしていた。
あっという間に 気がつけば空港だ。
空港の到着ロビーは お迎えの人でにぎわっている。
レンタカーの人 おじいちゃん 若い娘 ご夫婦 … みんな誰を 待っているんだろう。
カラダをシャキンとさせたくて ミキを飲みながら わたしは まやさんを待つ。
ミキとは 奄美独特の飲み物で 芋とサトウキビを 発酵させてつくった 甘酒的だけど もっとさっぱりした味のもの。
これが また おいしいんだ。
そうしているうちに まやさんの姿がみえた。
色白で 肩くらいまでの さらさら髪。
まやさんは 心理の仲間で 飲み友だち。
わたしとは タイプが違うが
「違うよね〜」 「わかんない、なんでそう思う?」 「そう考えるんだ、おもしろーい」
と言い合える 貴重な友だち。
お酒をのむことと 山あそび 川あそび 雪あそび 自然の中であそぶことが 好きなところが 一緒だ。
さっそうと 到着口からでてきた まやさんとともに レンタカーをかりて
まずは 念願の鶏飯を 食べに行く。
わたしは 車の免許がないので 運転はまやさんに おまかせだ。
ほんに ありがたい。
わたしの旅のきっかけを つくってくれた鶏飯。
HABUSのマスターが 鶏飯屋の元祖だと おしえてくれた 「みなとや」さんへ。
海沿いのお店 天井が高くて広い店内 家族連れがひと組
みなとやの鶏飯は HABUSの鶏飯よりも 家庭料理的な感じがした。
島の人たちに 鶏飯がおいしくて 奄美に来たというと
「わざわざ外で食べるもんじゃないよー スープは鶏ガラと醤油と塩だけでできるよー」
と教えてくれたのだが
なるほど… こちらでいう 親子丼とか 天丼的な位置づけ なのではないか。
それにしても 二日酔いのわたしのカラダに しみいる鶏スープのうまさ。
「うまい!」 「うまいねえ!」
ふたりして もりもり おかわりしながら 食べる。
外は雨。
今は2時。
ユタ神様のところまでは 1時間あれば充分ゆける。
中途半端に 時間がある。
「どこにいこうか?雨やしね。 美術館いくには時間ないしねー。」
「ちょっと海沿い遠回りしていくのどお?」
とまやさん。
地図をみると ストレートに名瀬まで行く道と 半島の海沿いのくねくね道を 回って行く道がある。
「いいねーそうしよう!」
地図を眺めていると その半島の道の途中に 今井岬という 海が美しそうな岬があり そこに神社のマークがあった。
「ここに神社があるよー」
「ちょっと岬によってお参りしていこっか!」
「そうしよう!」
そうやって 遠回りして 雨のドライブを 楽しむことになったのだ。
 みなとやさんのお会計窓口。 お会計のときだけ窓をあける。
雨は小雨になったり バケツをひっくりかえしたような 土砂降りになったり 突然雲間から太陽が照ったり
後できくと これが “奄美の春らしいお天気” なのだそうだが
とても不思議な お天気だった。
グレーの雲の下 雨にけぶる エメラルドグリーンの海も 美しい。
車をとめて 写真をとる。
間もなく 今井岬だ。
ソテツ群生地と書かれている 山道をのぼる。
道の真ん中に 小鳥がとまって
車が近付くと またとんで 道の先にとまって
「小鳥が案内してくれてるわ〜」と ふたりで笑う。
と、 山の上の方に行った時に 「今井大権現」の看板がある 砂利道がみえた。
「車で入れるかなー」
といいつつ 緑に囲まれた砂利道に入る。
道がくねーっと 曲がった時 二人同時に
「わあ!」
と声をだした。
尋常じゃない なにか 濃厚な雰囲気がある。
「なんかすごいね…。鳥肌たってきた」 「なんか勝手に笑ってしまうーなにこれ」
しばらく 道の奥へゆくと 突然ひらけた広場へ。
「わあ!すごい場所やね。きもちいい!」
「なんか、カラダが勝手に笑ってくる!にやけてしまう!」
両手をのばして くるくるまわったり 足をあげたくなる。
世界に まあるく 抱かれているような 不思議な気分。
さっきまで 土砂降りだった雨はやみ ときどき太陽がさす。
そこに車をとめて さらに続く 今井権現への道をのぼる。
しばらくゆくと こんもりした山のふもとに 赤い鳥居があり 石段がつづいている。

おじぎをして 鳥居をくぐり
苔むした石段を のぼる。

一段一段が 高くてすべりそうだ。
木洩れ日が 急にさして 美しい模様ができる。
突然 すぐそばの林から つがいの鳥が 飛び立つ。
人間がきたから びっくりしたんだ。
足元にやたら とかげかイモリか 茶色い太めの かわいいやつがいる。
いろんなものが 美しくて 写真を たくさんとってしまう。
石段は結構長くつづいている。
あ、空がみえてきた。
空にむかって石段をのぼると てっぺんには 小さなお宮がたっていた。
お宮の扉を そおっとあけると
中にはたくさんの鏡。 独特のにおい。
扉をあけた状態で 手をあわせ お参りする。
わたしが わたしで いられるように からっぽで いられるように
がんばる 宣言をする。
*
お参りがおわってから
「写真を撮らせてください」
といって
お参りするときに 脇においたカメラを 手に取る。
まやさんが 「写真とっていいんかなあ?」
というのと同時に わたしはカメラの電源をいれた。
いつもなら すっと レンズがとびだすカメラ
ジージーといったまま スイッチがはいらない。
「わ、写真とったらだめだって カメラうごかない」
つい さっきまで 石段をのぼりながら
パシャパシャ写真を とっていたのに。
かみさまに
「とっちゃだめだ」
といわれたような 感じがした。
そして そういうことが 起こることが まったく 不思議ではない 感じがした。
「わ、ごめんなさい」
写真をとるのは やめる。
お宮の前から 海がみえる。
風が生きているみたいに ぴゅーっとふいてくる。
風の中で おもいきり 声を だしたくなり
ちょっと うなってみる。
「そろそろいかなくちゃね」
「おりようか」
もういちど お礼をいって
石段を降りる。
茶色いトカゲたちを ふまないように 気をつけながら。
時計を見ると もう3時をとうにすぎている。
速足でおりながら カメラのスイッチを おしてみる。
石段をおりたところで さっきまで全く動かなかった レンズが動き出す。
「なおったかも!」
そうおもって 写真をとろうとするが
まったく ピントが あわない。
「やっぱりこわれちゃってる」
急いで 車にのりこんで
もう時間がないので 来た道をもどって
ストレートに ユタ神様のいる名瀬に むかうことにする。
「なんか、顔が笑ってしまうー。ふしぎー」
運転しながら ずっと笑っている、まやさん。
「二日酔いでけがれたカラダを清めてもらったみたい」
まやさんの運転で 気持ちよいくらいにスムーズに ユタ神様のおうちに到着した。
約束の4時ぴったりだ。
「なんか、いろんなことが うまいこといってるねー」
奄美大島の旅が あまりにも あまりにも 心に残って
自分の人生にとって とても大切な旅になったので
記録のために まいにち少しずつ 旅日記をかいていくことにきめた。
次の土曜日から 祝島にゆくので それまでに かけますように。
***
そもそも なぜ奄美大島かというと きっかけは “鶏飯がたべたかった” というところがおおきい。
月一回ほど 仕事がらみで奈良にいくときに お昼をたべにいくHABUSという鶏飯屋さんがあった。
鶏飯というのは、 奄美のおもてなし料理だそうで、 ご飯の上に鶏とか錦糸卵とか パパイヤの漬物とかのりとか… いろいろな具をのせて みかんの皮で風味付けして 鶏がらのスープをかけて お茶漬けみたいにして いただくお料理だ。
それはそれは なんともいえない おいしさで
お店の中も とてもゆったりとした 時間がながれていて
奈良にいく度にお店に通うようになった。
そうして 少しずつマスターとお話するようになり 奄美大島のいろいろな話をきくうちに だんだんと奄美大島に興味がわいてきたのだ。
ところが 昨年の12月のこと 突然お店が閉店することになったのだ。
あの ぽかぽかとゆるい時間をすごす場所が なくなってしまう! もうあの鶏飯がたべられないのか!
そうおもうと 胸にぽっかりと 鶏のカタチの穴があきそうなほどの 喪失感におそわれた。
そうだ いまが奄美に行くときかもしれない。
そう決心をして わたしは衝動的に 春の奄美行きの飛行機を とったのだ。
【3月26日】
午前中に伊丹を発つ飛行機にのる。
前日は朝方4時近くまで 仕事を片付けたり 相棒宛の手紙を書いたり 旅の準備をしたりしていたので
かなり寝不足のはずなのだが 旅の前で妙にコーフンしている。
見送りにきてくれた相棒と別れ 搭乗口に向かう。
搭乗口のフロアで水をかって お釣りをお財布に入れながら 歩いていたら
突然「ごーん!」という激しい音がして 頭に衝撃がはしる。
何の音!?何が起こったの!?
一瞬わけがわからなかったが
よくみると 柱と柱の間にわたしてある 鉄の太い棒に気がつかず おもいきり頭をぶつけたらしい。
左のでこがみるみるあつく ふくらんできて痛い。
飛行機に乗ったら 気圧がかわるから ぶつかったあたりの 血管がバクハツして どうにかなってしまったら どうしよう…
などという不安もよぎったが まあ意識はあるし 大丈夫か…と 気を取り直し
でこを気にしながら 飛行機にのる。
3人掛けの通路側 右は50代くらいの ご夫婦だ。
ご夫婦は なにかしゃべっては ふたりで笑い しゃべっては ふたりで笑い
こんな仲良しの熟年夫婦が いるのか…とおもうくらい あたたかなラブラブオーラを だしているおふたりだった。
しかし わたしは それにあたたまっている どころではない。
おでこをぶつけたことによって 旅のテンションも急降下だ。
買ったばかりの水をおでこにあてると すこし痛みがましになるので 顔をあげて目を閉じて でこを冷やす。
突然 「お具合がわるいのですか?」 という声がきこえて
目をあけると 色白丸顔美人の客室乗務員の顔があった。
「ぶつけてたんこぶできちゃって…」
というと 色白丸顔美人は
「ちょっとおまちくださいねー」
と、さささっと 冷やしグッズをもってきてくれた。
彼女は天使に違いない。
その冷やしグッズが やたらと冷たくて とてもきもちがいい。
しばらく でこにあてていると すーっと痛みと熱がひいてきた。
色白丸顔美人天使の おかげで 随分と楽になってくると
また旅テンションが あがりはじめ
地図をみる 余裕もでてくる。
地図をながめていたら となりの奥さんの方が 突然
「わたしら、ここに住んでるんよー」と 地図を指さす。
加計呂麻島だ。
「わたし、後半加計呂麻いきますよ!」
「ほんとう!うちにお茶のみにきたらいいんよー」 奥さんがそういうと 「わし舟だすよ。釣りにつれてってやる」 と旦那さん。
おふたりは 大阪から移住して9年目。
旦那さんが海が好きで 奥さんのおばあちゃん?が 奄美大島出身というご縁もあって
定年前に仕事をやめて 移住したらしい。
今回は 大阪のお孫さんの 卒園式に参加するために 大阪に来ていたのだそうだ。
地図をみながら 話をする。
「ここの浜、わたし一番好き!きれいよー」 「ここはね、くじらがみれることもあるんよ!」 「ここもねーきれいよー」 「うちの集落はね、9軒しかないの…」 「一回マグロがあがったことがあるんよ!」 「朝散歩して、朝ご飯食べて 釣りにいくか、畑仕事して、お昼食べて 午後はなーんもせんで…」 「野菜と魚は自分たちでとれるから充分。 週に一回、古仁屋(大島側の港町)にでて、 お米とね、調味料とかね買いにいくねん」 「加計呂麻にいたら、なーんもないからね お金つかわんよー。でもなーんもないから。 海と自然はあるよー」
…話をききながら 加計呂麻の生活に想いを馳せる。
わたしもいつか そんな場所にすみたいなあと おもう。
「加計呂麻でね、シーカヤックするんです。」とわたし。 「どこで?」 「リトルライフっていうシーカヤックつれてってくれるとこがあって」 「天野さんとこじゃない?」 「あ、そうです!」 「天野さんしってるよー!すっごくいいご夫婦よー」 「ご存じなんですか?」 「うん、会ったことあるよー。 天野さんだったらきっといいわー。 およぐ姿がすっごく格好いいっていう噂よー。 ほんとにいい人たちよー。」
これから出会う人のことを 知っているなんて なんだか偶然のご縁ではない気がして わくわくしてくる。
なんやかんや話しているうちに お昼12時 飛行機は奄美空港へ。
飛行機をおりると くもり空。
おもったよりも 涼しく 薄い長袖1枚じゃ ちょっとひんやりするくらいだ。
奄美空港は 小さくて活気のある空港だった。
空港から わたしが今夜宿泊する 奄美の中心地名瀬まで 送ってくれるというお言葉に甘えて ほかほかご夫婦と一緒に移動することになった。
途中 おふたりが毎回食べにいくという どこかの集落のホテルのランチに つれていってくれる。
車をおりると 海がすぐそこにみえる。 ホテルといっても リゾート感があまりなく 素朴なあたたかみのある 集会場のようなイメージ。
マリンブルーのじゅうたんが 一面に敷かれた館内の奥
ひろびろと空間をつかった 海のみえる食堂で 600円のランチをいただく。
それが 600円とはおもえない。
ぶあつく新鮮なおさしみ 魚のだしのきいたお味噌汁 茶碗蒸し 野菜のたっぷりはいったホワイトシチュー ポテトフライとお魚のフライ 野菜サラダ わかめときゅうりとしらすの酢の物 ドリンクバー。
「やすいでしょー。ここみつけたんよー」 「この値段で、これ、おいしいですねえ!」 「おいしいならよかった〜」
そこから
ほかほかご夫婦のお買いものに スーパーによったり、 路上のお花屋さんによったり。
住んでいる人の お買い物につきあうのって ちょっとうれしい。
ご夫婦は お花が好きなようで 黄色オレンジのかわいいお花を たくさん買っていた。
そうして 二時頃に名瀬に到着。
「加計呂麻にきたら うちにあそびにきたらいいから!」
家の場所をおそわって ほかほかご夫婦と別れ 今夜の宿「あづま家」さんに入る。
今回の旅の宿は HABUSのマスターに 教えていただいた。
お母さんとお父さんがやっている 気楽なお宿だ。
部屋はベッドがひとつと 机といすとテレビだけ。 シンプルで充分だ。
部屋に入ると 急に疲れがでたようで 30分ほどベッドで 気を失う。
さて 少し眠ると 元気回復したので
名瀬の町を さんぽすることにする。
すぐ近くにあった 高千穂神社にご挨拶してから シーカヤックでつかうひもつき帽子を 探し求めて商店街をあるく。
小さな商店街 桶屋さん文具屋さん洋服屋さん 手芸やさんパン屋さん 楽器やさん 洋服お直しやさん お土産屋さん お酒屋さん…
結局 裁縫セットとゴムと帽子を買って ゴム紐を自分でつけることにした。
町では やたらと猫に出会う。
白黒のぶち 茶トラ 白 顔がハートもようのやつ… いろんな猫がいるが みんな 都会の猫とちがって なんだかおっとりしている。
奄美は猫も ゆっくりなのか。
 奄美猫
一息つくために 自家焙煎のアラジンという 喫茶店で珈琲をのむ。
移住初心者と 移住プロが ふたりで会話しているようだ。
「ここでは一回信頼失うともう 絶対住めないから! まあ、がんばって なんかあったら相談していいから…」
移住初心者らしいは 結構厳しいことを いわれている。
住むにも いろいろあるんだろうなあ。
さっきの ほかほかご夫婦は 村の人たちと つながりあって うまくやっていくことが できていたみたいだった。
お葬式も集落みんなでおこなうし 名字が同じ人が多いから 下の名前でみんな呼びあっていて みんな家族みたいだと言っていた。
アラジンをでて また町をふらつき 宿に戻る。
宿のお母さんが
「お風呂10時くらいまでだから 食べに行く前にはいったらいい」
というので 先に風呂に入って 帽子にゴムを縫いつけたら 夜の町にくりだすことにする。
居酒屋が集まる 屋仁川通りを ふらついていると
火曜日2時間飲み放題777円! という島料理の居酒屋をみつける。
よし!ここだ!
はいってみると カウンターがいっぱいで
女性ひとりでも大丈夫…という お店を紹介される。
紹介されたお店にゆくと さっきの居酒屋とは全然キャラが違う 創作料理の上品な店…
どうしようかと迷ったが これもご縁…と入ってみることにした。
私以外おきゃくは ひと組だけで わたしは カウンターで一人飲み
カウンターの中の ドリンク担当の若者と話す。
彼は島で生まれ育ち 高卒後東京に住み また島に戻ってきたという。
「この島だからっていうより 家族がいるから帰ってきました」
ビールと 黒糖焼酎。
燻製の卵が やたらとおいしい。
加計呂麻の話になり シーカヤックの話になる。
「天野さんしってますよ! 4年くらい前に一緒に海にいったことあるんですけど めちゃめちゃカッコイイです! ジャックマイヨールみたいです。 5分くらい息とめられるとおもいますよ!」
彼の天野さんへの敬意が 輝く表情と 言葉のはしばしから伝わって来る。
天野さん…いったいどんな人だろうか。 ほかほかご夫婦といい この若者といい みんなすごい人だという そんな人は どんな人なのだろう?
黒糖焼酎を2杯のんだところで 次のお店へゆく。
HABUSのマスターのお友だちが やっているというバー。
なにかあったら 彼に相談したらいい…と おしえてもらった。
地図をみながらゆく。
白い壁で緑の植物が並ぶ入り口 ここだ。
青い扉をはいると 木の香りのする店内。
大きなカウンターにすわって なんだかほっと安心する。
サーファーだというマスターは ファッションはサーファーっぽいのだが どこかお坊さんのような雰囲気をもっている。
どっしりと 奥に静かな空間があるような。
下関出身で 数年前HABUSのマスターと 一緒に働いていた仲間だそうだ。
HABUSのマスターが いいやつだから…といっていたのが よくわかる。
キューバのミントたっぷりのカクテルを 黒糖焼酎でつくってもらう。
おいしくて なんだか あんしんする。
ぽつぽつと お客さんが 増えてくる中で
マスターに まず わたしのことを話す。
HABUSのマスターの鶏飯が やたらおいしかったこと。
わたしの仕事は心理職で 音楽もやっているということ。
心理の仕事は 闇をあつかう仕事だから ということもあって
心理仲間とともに 2005年くらいから 沖縄バリメキシコペルーインド…など シャーマンをめぐる旅を してきたということ。
今回は個人の旅で わざわざシャーマンに会うことを 目的としていなかったが
生活や人生に なんとかしたい葛藤を感じていて 出発前日に ユタ神様にあいたくなって HABUSのマスターに相談したこと…。
それから ここのマスターに ユタ神様のことを おしえてもらう。
紹介していただいたのは 男性のユタ神様。
ご高齢で 体調が不安定だから 電話をかけて 予約するように いわれる。
持ち物は 塩と 30度の黒糖焼酎の2合瓶と 封筒にいれた3000円。
マスター「神様もね、いろいろ得意分野があってね」
奄美ではユタ神様のことを“神様”というのだ。
わたし「この神様は何が得意なんですか?」
マスター「“いのち”かな…。」
“いのち”ってどういう意味?とおもったが なぜか質問はしなかった。
生死というだけではない気がしたし まずは会ってみようと思った。
マスターは2、3回お会いしたことがあるという。 お店を開店する時にも相談したそうだ。
ユタ神様は名瀬に住んでいて わたしは明後日から 2泊加計呂麻島に移動してしまうので
会うとすれば明日か明後日の午前中だ。
明日の朝 ユタ神様に電話をしてみよう。
平日だというのに 夜が更けるにつれて お店が混んでくる。
カウンターもいっぱいいっぱいになり おとなりにすわったにいちゃんと いろいろ話す。
にいちゃんは わたしが学生の頃の先輩に似ていて なんとなくなつかしく話しやすい。
いろいろ話ているうちに 手相をみれるというので みてもらう。
「ボクの幼馴染がすごく手相みれるやつで そいつと一緒にいたからみれるようになっただけで わかんないとこもいっぱいあるよ」
「いいですよ。わかる範囲で」
「悪いこともいってしまうけどいいですか」
「いいですよ」
まず悪いことから、
性格きつい。はっきりしてる。 バリで手相みてもらったときも 好き嫌いがはっきりしてるといわれたのを 思い出す。 霊感と金銭は線がおなじで 霊感はあるけど金銭が弱い。
次はいいこと。 少なくとも70歳までは生きる 夢にむかって進んでる。
「あーでも、わかんないとこがある。 幼馴染だったらなあーわかるんだけど」
そのにいちゃんは わたしよりほんの少し年上の同世代。 名瀬からちょっと離れた集落で育ったそうで そこの学校は小中あわせて20人?くらい。
幼馴染みというと もう生まれた時からしっている 兄弟みたいなもんなのだそうだ。
みんな都会にでたり それぞれの生活があって 今はバラバラだが にいちゃんが幹事をして 毎年同窓会をしているらしい。
その手相をみれる幼馴染も その仲間で すごくあたたかく いい人なのだという。
「その人に会ってみたいなあ。 わたし、最後の日に名瀬でとまるよ」
彼は育った集落に住んでるから こちらに来ることはなかなかないそうだ。
でも、 その日なら土曜日なので 呼べるかもしれないと。
わたしも旅のスケジュールが どうなるかわからないので
金曜日までに連絡をとりあって うまくタイミングがあえば 飲みにいこうということになる。
気がつけば2時過ぎ。
黒糖焼酎のモヒートや 黒糖焼酎を何杯ものんで 席をたつのが面倒くさくなっている。
でも 時計が 2:22とゾロ目になったので よいしょとたちあがり マスターにお礼をいって お店を後にした。
帰り道
にいちゃんが 「“自分”というものはめんどうくさい」
といっていた言葉が 奄美のしめった空に しばらく浮かんでいた。
そう めんどうくさい。
だから からっぽになりたくて ユタ神様に あいたいと おもったのかもしれない。
明日は 一足おくれて 大阪から友だちがやってくる。
朝 ユタ神様に電話をすること そして お昼までに空港に 友だちを迎えにゆくこと
それができれば 上等だ。
|