「色。音。あなた。」
雲が次第に雪色から溶けて代わりに雨音が聞こえたら会いに来て。あなたのその脆くてひんやりしたところに手を当てることができるのは私だけ。いいよ。休みにおいで。
「巡る蝋燭の灯かり」
流れ水に熱を奪われて指先は驚くほど冷たい。無形のものでさえもいつかは巡って他の誰かへと伝わるのでしょうか。だとしたら今、私の中にあるものはどこから。蝋燭から伝わるものは熱だけではないのですね。
「覚悟と傍観」
行くべき道を幾通りも思い浮かべて予測不可能な未来に狙いを定めて突き出す。手元を離れてしまえばもう届かないから見ているしかない。なんて冷めた目で言うあの人は諦らめているのか達観しているのか僕には判断できないけど少なくとも道へと突き出す瞬間のあの追い込まれるような覚悟は誰にだって平等なんだと思う。