初秋 ■2001年08月31日(金)■ 寝ころんで 窓の外を見ると Johgenの月 やさしい青白い月光に 背中を撫でられながら 座布団にうつぶして ひとりべそべそと泣いてみる 気が済んで 泣きやんで 見上げると もう そこに月はいなくて 空に向かって 照れ笑い やさぐれて 煙草に火などつけてみる 風が涼しい 信じて ■2001年08月25日(土)■ 暗い生活に慣れた頃 男が現れた 女はかなり長い間 様子を窺っていた 男の真摯さは 頑なな岩戸に着実に爪を立て その明るさで暗く重い扉をこじ開け始めていた 女はこっそり隙間から外を窺い 彼の正面を見つめていた 「私を信じて」 そう言う男の その逞しい手を掴んだら ずっと自由でいられるかも知れない 微かな微かな希望を夢見た 「まだ私が信じられないか?」 逞しい胸に抱かれたら 愛を信じられるかも知れない あるとき一瞬 彼が視線を外したように見えたのを 女が咎めると 「君は長い暗がりの中で ちゃんと物が見えないようになっているのだ」と 男は厳しい言葉で まっすぐに女に伝えた 女は自分の愚かさを恥じて 最後の決断をした 「あなたを信じる」 男が手をさしのべる 女は手を伸ばす あと少し・・・ もう じきに届く・・ 身を乗り出した女の体が ふいに宙に浮いた 男の手がない 混乱する女の視界に遠く 他の女を抱きかかえた男の背を見る 正面から見えない背中に 男は羽を持っていた 「DEMON・・・」 女は墜ちていく 「わたしは信じたいのに・・」 それまでひとりでこらえてきたのに 何も信じなくても 生きてこられたのに 墜ちながら 手に触れる物なら なんでも信じて縋れる気がした 女は 最初に手に触れた藁に縋り 寄る術もなく 奈落のなんたるかを見届ける 予想の結果 ■2001年08月24日(金)■ 案の定 鋏でさっくり切られたそのものは わたしの頭上に落ちてきた ただ一つ予想外だったのは 鋏を使った本人は 途方に暮れず しごくあっさりと その場をさっさと立ち去った 心のどこかで ■2001年08月07日(火)■ 甘えてるだろう? わかっていて 甘やかしてるんだ その方が わたしも気分がいいから
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KATE ささやかでもない一日 マイエンピツに追加 |