MILETたちの知人が猫を欲しがっていた。 俺様を見て、猫を飼いたいと言いだしたのである。 俺様に触れて、俺様の感触を味わってしまったら、 それはこの俺様の配下に下ることを 意味しているのだ。 案の定、その男は「猫禁断症状」が出てしまい、 一刻も早く猫が欲しいと言いだした。 薔薇職人は彼のために奔走し、 一匹の♂猫が里親募集していることを 近所のスーパーの張り紙で知った。 残念ながら、その♂猫は他に貰われていったが。 他にも里子に出したい猫がいると、 ♂猫の元保護者が言ったそうだ。 その猫は♀で、生後五ヶ月ぐらいだそうだ。 俺様も写真を見たが、なかなかの美少女である。 ちなみに、MILETはその写真にメロメロだった。 今日はMILETがその♀猫を「猫中毒における禁断症状」を 発症している男に引き渡すための 取り決めをしていた。 珍しく、一日に何度も電話をかけたり 電話がかかってきたりだった。 土曜日の夜に、♀猫は引き取られることになった。 名前はビビに決まった。 決まったというより、決まっていたのだが。 何故なら、♀か♂か、あるいはもしかすると来ないかも知れない 子猫のために、男が名前を用意していたのである。 おそらく彼女は立派に男の一家を乗っ取り、 世界征服に貢献してくれるだろう。
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