MILETと「永遠のマリア・カラス」という映画を見た。 生前のカラスと親交の厚かった監督が、 「もし、マリア・カラスを蘇らせることが出来たら」 という思いで作ったのか、真実と想像とを織り交ぜた作品になっている。 全編にマリア・カラスのアリアが流れ 彼女の悲劇的な、そして刹那的な生き方が描かれていた。 MILETはその映画を見ながらわんわん泣いた。 が。 「お父様にお願い」(ジャンニ・スキッキより)の歌詞字幕に 文句を垂れる冷静さは失っていなかったようだ。 問題の箇所は、原語で Vo' andare in Porta Rossa となっている。 つまり「二人でポルタ・ロッサ(←町の名前)へ」と言っている。 この二人とは、主人公と、主人公の恋人のことなのだが 映画では、「お父様、お願い。ポルタ・ロッサに連れて行って」と 訳されていた。 歌詞の始めの方が曖昧になっている演出だったから 後者の方が見る側には親切なのだろう。 でも、それなら「お父様、お願い。二人をポルタ・ロッサへ行かせて」 と訳す方が賢明なのではないか。
ま、MILETが滂沱しながら映画を見た後も マリア・カラスを聞き入っていたので 細かいことは捨て置いた方が良いのかもしれない。
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