東京の片隅から
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姉のところには図書カードを送ることにした。上の子は中学の入学祝いと合わせて少し多めに。もし現金がよければ交換してやってくれ、とメールしたが、上の子は漫画を買って終わっちゃうんじゃないかなぁ、と返信があった。今はジャンプコミックスも380円じゃないもんね。
叔母たちからお年玉を預かったと連絡が来たので、実家に寄った。叔母ときょうだいからであった。姉のところには何か送らねば。
そういえば、今年は街にクリスマス感が薄かったと感じた。 ディスプレイはクリスマス仕様になっているのだけど、あまり音楽もなく、このご時世だからか浮かれて出歩く人も少ない印象。 海外のクリスマス風景を見ても、ロックダウン中だったりそこまで行かずともいろいろ制限があったりするようで、どこの国でも同じ感じかもしれない。 音楽番組を見ていてもいわゆるベタなクリスマスソングはもうないんだよね。だから余計そう感じるんだろう。
2020年12月23日(水) |
「ホモ・サピエンスの涙」 |
ロイ・アンダーソン監督の新作。原題は「無限について」らしい。 原題も謎だが、邦題も謎。確かに泣く人は結構出てくるけど、それがこの邦題に結びつくのか。前作の「さよなら、人類」といい、いつもアンダーソン映画の邦訳は謎なんだけども、多分ちょっと古めのJ-POPが好きな人がいて、前作はたまの「さよなら人類」で今作はスターダストレビューの「木蘭の涙」あたりから引っ張ってきたのかな、と思っている。
タイトルが出てくる場面で、夜空に星が浮かぶように、真っ暗な画面に白い小さな点が増えていき、やがてアルファベットになる。それだけでももう素晴らしいのであった。あれがこの映画の全てを表している気がする。
1カットの長回しで、様々なショートストーリーが展開される。物語の冒頭で場面の輪郭を語る女性の声。監督はシェヘラザードをモチーフにしたらしい。ちょっと「夢十夜」を思い出させる。 とはいってもアンダーソン監督なので、短いシーンの間に「何か」が起こってしまうのか、それとも何も起こらないのか、見ているこちらはかなりの緊張感なのであった。なかなか心臓に悪い。
ほとんどがスタジオでセットを組んで撮影し、デジタルで組み合わせたとのことで、美術スタッフの凄腕に唸る。軍隊の行進シーンの背景以外は全部セットとのこと。 しかし作り物だからこその色彩や質感の統一感が素晴らしい。室内の風景はハンマスホイを思い出させた。
午前中半休を取って朝から映画を見てから出勤した。 なぜかというと朝一とレイトショーしかやっていなかったからである。 普段どおりに起きて、普段よりちょっと遅く家を出て、途中の駅で降りて、映画を見る。 映画を見終わって気分がいいところで早めのお昼を食べて出勤。 午後は仕事。
見たのはロイ・アンダーソン「ホモ・サピエンスの涙」。相変わらずシュールな世界であった。
ドイツだかどこかで、大人数での集まりは禁止されているが葬儀は例外とする、のような通達に対し、クリスマスはチキンのお葬式をやるから集まっていいんだ、という屁理屈があったらしく、いやそれはダメだろうと思いつつ、山田君座布団1枚、と言いたい気分はある。
今年のクリスマスケーキは何にするかでしばらく悩んでいた。 大体どこも同じ内容なので、近所のチェーン店は一通り頼み終わっている。 子どもに聞いたら「チョコレートのブッシュドノエルがいい」とのこと。十中八九どうぶつの森の影響である。 調べたら、途中下車はするけど家からは比較的近いケーキ屋にブッシュドノエルがあった。 チョコレート味ではなくコーヒー味であったがそれでもいいというので、会社帰りに予約済した。 ホールケーキよりは割高なのかもしれないが、場所を取らなくていいし、量も少なめなので、飽きる前に食べ終わりそう。
子世帯のミニキッチンを撤去してクローゼットにする工事。 もう使わないところは全部止めることにした。 キッチンの撤去と電気配線の始末は自分たちでできるのだが(解体は楽しい)、給排水とガス管の工事は業者に依頼した。 撤去したミニキッチンは実家から軽トラックを借りて、粗大ゴミとして持ち込んだ。 11月から週末の時間のあるときにのんびりやっていたが、年内はこれでおしまい。 来年になったら壁を貼って、床の欠けを埋めて、棚を入れる。 まだ食器棚が残っているので、こちらもぼちぼち整理する予定。
粗大ゴミを集積所まで持って行くために、実家に軽トラックを借りることにした。 お礼をといっても受け取ってもらえないだろうから、会社帰りに谷中銀座の腰塚ハムでハムやウインナーやコンビーフなど、いろいろ少しずつ購入。 老夫婦二人なら夕食のメインにもなるだろうし、母の調子が悪ければ父もこれなら料理できる。 美味しそうだな、今度自分たちでも買おうかな。
2020年12月17日(木) |
「西のはての年代記」 |
ル=グウィン「ギフト」「ヴォイス」「パワー」西のはての年代記シリーズ、読了。
みっちり組まれた世界設定はさすがル=グウィンだなぁと・・・。本の冒頭に地図があるだけでもワクワクですよ。 そして人物の造形が重層的。善なる面と悪なる面の両面が自然。 あと、主人公の一人称で語られるのが何だか新鮮だった。(「闇の左手」は一人称小説だけど) 全体を通して「ことば」「文字」がキーになっていて、結構重い話ではあるんだけど、ページをめくる手は止まらない。 主人公たちが自分の「ギフト」と向き合う過程は「影との闘い」を思い出したり。「ギフト」をどう使うか、というのはキリスト教世界の考え方かもしれないけど、東大入学式の上野先生式辞にもあったように、普遍的なテーマだと思う。
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