思考回路2011
もくじむかしあした


2001年07月09日(月) 忘れられない七夕3

その後、警察に電話した。店長も部長も、事務所のエライさんも
店に来た。店長は目線をあわさなかった。
詐欺にあったことよりも、どうして金庫からお金を動かすのに
許可を得なかったのかに怒っていた。
部長もエライさんも不思議なことに怒ってはこなかった。
むしろ声は穏やかで、逆に不気味だった。
カバとゴリラとナスに似た警官の要領を得ない質問に答え
わたしは1人、警察署につれていかれた。
カタカタと古い形のワープロが鳴る中、一部始終を語りおえる。
近くの別の個室から、怒鳴り声が聞こえてくる。
モンタージュはあまりにも原始的なシロモノで、自分で似顔絵を
描いた。この似顔絵は70%くらい似ていますと描いて拇印を
押した。こんなときに役に立つとはなんともまあ。
店に一度もどった、時間は夜7時を過ぎていた。
一緒にお金を数えていた古株の子が心配そうな顔で迎えた。
事務所で店長に電話をいれた。
もうすぐ1年になる、関係の修復不可能と思われていた
宿敵店長。ストレスの元凶店長。
店長はちょうど社長のところから帰ったところだったようだ。
社長は笑っていたと言った。どーしてそうなるかなと
あきれた笑いだったのかもしれない。
最近はうちの系列の店の体制がゆるんでいていたので、いい教訓に
なったとも言っていたが、お金はわたしが弁償することになった。
3分の1を監督不行届で店長が残りの3分の2をわたしが。
すみませんと謝ると、ブァーカ!と言われた。
辞めることを考えたかと聞かれ、はいと答えた。むしろクビだろうと
思っていたから。
「辞めることなんて考えなくていいから。居心地を自分で悪くしないように」
まったくこの人からこんなセリフを聞こうとは思いもよらなかった。
この事務所で店長に何度泣かされたことか。
そうしてまた泣いたけど、今までとは違う理由だった。
うちの店に秘密はない。あっという間に広がるだろう。
実際、あっという間に広まった(笑)。
いろいろ聞かれ、それぞれの方法で慰めてくれていた。
いいヤツらだなぁと、思った。
この店に来てよかったと思った。
高い授業料を払ったが、別のものをもたらしてくれた
七夕の出来事だった。

(この話はノンフィクションです)


2001年07月08日(日) 忘れられない七夕2

当時店にいたのは4人。
新人の主婦、古株の女の子2人。わたし。
事情を説明すると、急いでお金を数えに事務所へ
向かった。11万あるとはいえ、お金はすべて
両替されていてこまかいのだ。時間はとっくに過ぎている。
数え初めてすぐ、古株の子が子機を持ってやってきた。
○×不動産からだという。
声は、ドラマで良く聴くようながらの悪い感じの声で
早く持ってきてくれないかと言う。話は聞いていて
のばしてはいるが、もうすぐ閉めるから。
古株の子のほうが金庫には詳しい。お金を数えてもらうのを
手伝ってもらう。4時半に本部の人が来てくれるとはいえ
このお金を出せば、土日のレジでお金がなくなる。
さきにレジの大きなお金を両替してからにしようと
店に戻ると、また不動産屋から電話がかかってきていた
らしい、受話器を渡されると、さっきよりもさらにがら悪く
脅しめいた感じで、もうシャッターを閉めたから、
早く持ってきてくれと言ってきた。
時間は45分を回ろうとしていた、2人で大急ぎでお金を
数え両替をすませた。
社員はいないと答えた時、あなたでいいから持っていってくれ
と言われていたので、わたしが持っていくことになった。
脅しめいた感じだったので行くのはイヤだったが
とにかくおさめなくてはという思いで、近所の弁当屋に向かう。
2件隣の二階。見ると・・・?。看板のたぐいは出ていない。
反対側の2件となりなんだろうか?と思い、動いたとき
後ろから声をかけられた。
振り向くと、第一印象。いかにも不動産業者(悪質系)。
たじろぐ。わたしは制服を着ていた。
「××店の子でしょ。不動産屋のものだけど。今ちょうど
車のところに降りてきたんだ。お金もってきてくれた?」
50代〜60代ぐらい、小柄で色白。
オールバックで白髪混じり。
極端に頬のこけている骸骨めいた顔。
目はぎょろっとしていて、クビが細い。
趣味の悪いプリントシャツをきていて、手には黒いカバンを
持っていた。
なにか無意識下で感じていたが、まだ表面には出てきていない。
もっていたお金を路上で手渡した。
男はお金を数えるでもなく、カバンにお金をいれる。
またしても何かを感じた。やばい感じ。
「これだけ?」
お金をわたし終わると、あとはちゃんとおさめて納めて
おくからと言った。
わたしはすぐにきびすを返し店にもどった。
戻って、なにか変だと、古株の子に言った。
いくら話は通っているからといったって、金額も確認せず
領収書のようなものもくれない。
なにかヤバイ。おかしい。
半分は冗談めいていたが、半分は本気だった。
本部にお金を納めたという報告をしようとしたが、本部の電話
番号が見つからない。しょうがないので店長に電話をすること
にした。家にはいないから、携帯に電話をすると。
・・・・。
店長はずっと家にいた。
事情をかいつまんで話しただけだったが、あっさりと
それは詐欺だ。と言われた。
本部に服部なんて人はいない。

続く→


2001年07月07日(土) 忘れられない七夕

詐欺にあって店のお金を盗られた。
警察へ調書と犯人のモンタージュをつくるため
3時間近く、ドラマの取調室そっくりのところで
出された缶のお茶を飲みながら、話した。
お客は少なくてまったりと時間は過ぎていった。
七夕に何をかこうか悩んでいたり。
2時15分頃、店の電話が鳴った。本部からの
電話だという。出たのがまだ新人さんだったので
ちょうど近くにいたわたしに変わった。
名前は?と聞くと、名乗らなかったと言われた。
お名前よろしいですか?と電話を変わり聞くと、
出川哲朗並みのデカイがなり声で、本部の××
だと名乗ったような気がするが、そのがなり声で
一瞬ひるんだと思う。
本部の人間と名乗る出川(仮)は、社員の人間が
出ることを期待していたらしいが、あいにくうちの
店には社員はいない。そのことを伝えると、店長に
電話をしたが出なかったので、直接店に電話してきた
のだという。
用件をまとめると、
別の店とうちの店の家賃を間違えてコンピュータ
に入力してしまい、そのまま銀行にお金を入れてしまった。
なので、うちの店の分が不足してしまっている。
新しく弁当屋が出来た2件となりの2階に○×不動産が
あるからそこにお金をもっていってほしい。
今、本部から社員の服部さんが車で出た。
6時30分ごろにはうちの店につく。
その不動産屋は2時30分に閉まるので、今すぐ直接
不動産屋兼大家である○×不動産にお金を持っていってくれ。
時計を見ると、時刻はすでに2時20分で、もう閉まる時間。
店は普段通り営業中で、周りではオーダーが飛び交っていた。
出川(仮)は、今、本部長に代わるからと言って音楽をならした
イライラして待っていると、これまた出川(仮)並みのがなり声
の本部長が出てきて、同じ事を繰り返した。
どうしてほしいのかを言わない。
不動産屋には話はついている、遅れることも話してある。
服部さんはもう車で出た、4時30分にはつくだろう。
必死でメモを取りながら、がなり声に耳を傾ける、幾ら
不足しているのか金額を言わないので、こっちから聞いた。
出川2(仮)は「こぐち」はいくらあるか?と聞いてきた。
小口は、レジのお金を別の用途で使ったときに、いくら使った
かを書いておくもので、あまり知られた言葉ではないらしい。
警察の人も聞き返してきたから。
小口を知っているんだ、と思いながら、なんで小口?という
疑問も浮かんだが、本部の人はイタイ人がおおいということを
思いだし流した。
金庫の××金はどうなっている?とも聞いてきた。
意味が通じず、金庫には11万円ありますと答えた。
今日の売り上げは?とも聞いてきたので、レジ速報で売り上げを
出した。そんなに不足分が出ているのかと思いながら、ようやく
本部長を名乗る出川2(仮)は持っていく金額を言った。
12万7千円。
金庫から11万を出して、レジから1万7千。
封筒に入れて急いで持っていてくれ、封筒には本部より不足分と
書いて渡すようにと言われた。
電話を切って話した時間を見ると13分。時刻は2時30分に
なろうとしていた。

続く→


2001年07月04日(水) どうなることかと思ったら

またしてもエっらいメンバーを組まれた。
新人さん2人+自分。あぁ、休憩は行けない。
しかも1人は、嫌なムード漂うドウチン丸。
心理面での整理をし、カリカリしないと心に誓い
バイトに向かう。
過去1度も、この組み合わせで入店したことはない。
しかも3人とも、どちらかといえば穏やかキャラ。
高校2年生の女の子、予備校生、漫画家志望と、変な組み合わせ。
年も微妙に離れていて会話、盛り上がらなさそーだった
が、以外と平気だった。
ドウチン丸は、前回のが堪えてんのか分からないけど
フツーに話かけてきた。こっちも極力普通に対応。
彼はじわじわと悪キャラを出してきたな〜と。
いや本性か。
やーらしいぞ、ドウチン丸。と、高校2年生の子の
仕事をフォローする彼を見て思う。なんつーの、下心。
見て見て!イイヤツでしょオレ、と言わんばかりの表情で
フォローした彼をみてギョッとしてしまった。
やらしいわぁ、ドウチン丸。結構その辺は普通の男の子
だなと、納得。前回より、そのキャラクターを把握した。
ヒマだったが製造出来るのが1人なので、ちょっと混むと
ツライ。この後、1人でやることが多いな〜と思っていると
飛び入りで夜番くんが参加。
大学3年生が加わって、さらに変な組み合わせになる。
久々にのほほんとしたムードの中、終わった。
仕込みの量を間違えた以外はたぶんOK。






あしえ |MAILHomePage