| CORKSCREW Diaries(米国編) |
僕はまあ自分で言うのもなんだが、 旅行で困らないぐらいの英会話能力はある。 アイスランドでもロンドンでもカンボジアでも、 全て英語で切り抜けてきた。 旅行記にいかにも日本語表記で書いてあるが、 あれ、全部会話は英語である。 まあ自分がどうしたい、 って言うことを伝えることはそう大して難しい事ではないのだ。 特に旅行程度のレベルにおいては。 一番安いレンタカーを借りて、 行きたい場所に行って、 自分のプランに合ったチケットを購入する。 これぐらいはどうとでもなる。 ハッキリ言って中学英語でなんとでもなる。 が、実際に正しい英語を運用してTOEICで点を取ろうと思ったら、 それはまた別問題だ。それもかなりの。 僕自身自分自身の英文法がかなりヤバいことをよく知っていて、 何とかしなければならないことを切々と感じている。 そんで持って、英会話に行こうなんて思ったんだけど、 やっぱり英会話行くのも重要だけど、 きちんとした文法を身に付けんとあかんなあってこと。 でもって、高校の時学校で買わされた参考書が急に欲しくなったって訳。 英文法の解説書。 高校時代あんだけ嫌いだった英語だが、 大人になってから勉強するのはまた大変。 そんでも若いうちに投資って言うのは出来るだけやっておきたいもの。 でないと勉強する時間がますます減ってしまう。 はあ〜、そろそろ将来のことをもっと真剣に考えなければならない時期に来てるよなあ。 って本当に思う。 学生時代から考えておけよ、って思うけど、 人間って、どうしてもギリギリに迫られないと出来ないらしい。 僕なんてギリギリに迫られても何もしないんだから。 |
北欧行きのプランを練るために友人と会う。 僕は友人と夏休みの計画を練った。 英語で言うと、 I 've made plans for summer vacation.with my friend. 書いたらすごく簡単だけれども、これをすっと言うのは大変難しい。 しかも文法を正しく言うことは。 ブロークンでだったらそりゃあいくらでも簡単に言えるだろう。 向上するために今からやるんだって。 ぶち壊れたっていいんだから。 で、プランを練るのは当然のごとくどうでもよくなって、 カラオケとか行ってしまった。 ハイパージョイは更に曲増えてて、喜んで唄う。 ゴイステを・・・ 気持ち良く唄ってたら、(と言うか叫んでたんですが) 「銀河鉄道の夜 僕はもう 空の向こう 飛び立ってしまいたい あなたを〜 あなた〜を 想いな〜がら〜♪」 ぶちっ。急に切れる電源。 をい! なんでやねん。しかも一番最後の一番いい部分なのに〜 どうやら火災報知器が誤作動したらしかった。 ゴイステは残念ながら次の機会に回すことにしよう。 って言うか叫びすぎてもう声出なかった・・・ ♪ホフディラン「MY THING」 |
早速行って参りました英会話。 一コマ40分とは言え二コマ分入れるとなかなかしんどい。 英語をきちんと話すのは久しぶりだから、 なんかまだ手探りな状態が続いてる。 そりゃあカンボジアでセインとかと話した時も全て英語だったけど、 何と言うか、アジアンブロークンイングリッシュじゃなくって、 ネイティブの英語を聞くのは本当に久しぶりだ。 でも英語を話していると何となく自分自身を少しずつだが取り戻している様な気が本当にする。 「自分らしさ」って言うモンを取り戻すのは本当に大変だが、やらねばなるまい。 目標を高く持つこと。 それに向かって負けじと突き進むこと。 難しい、非常に難しいが、それを忘れないでおこう。 少なくとも今は。 |
2002年6月23日 釜山−日本 釜山から関空行きの飛行機は大体どの航空会社もお昼前頃に出発する。 従ってどの航空会社を利用しても釜山市内を朝早く出なければならない羽目になる。 最終日は正直こんな風にあって無いようなものであり、正直帰るだけなのだ。 日曜日の早朝(と言っても9時前ぐらいだが)の街は驚くほど静かだった。 一晩明けても昨日のスペイン戦勝利の余韻は残っているみたいで、 未だに「テハーンミングッ!」って叫びながら車走らせてる若者もいる。 徹夜で騒いでいたのかもしれない。 そうやって騒げる若者たちを大変羨ましく思い、 やっぱり醒めているような気がする日本の若者(いちお自分も含む)と比べると韓国の若者は熱い。 韓国に来るたびに僕ら日本人が忘れていたものを思い出すような気にさせられるが、 こういう所をとっても、韓国の人々は日本人には無い物を持っている。(確かにそれは良かったり悪かったりいろいろあるのかもしれないが) 空港には前回と同じくロッテホテルからエアポートバスに乗って向かう。 ワールドカップ開催時と言うこともあり、エアポートバスは帰りもかなり多くの人が乗ってきていた。 東京行きも関西行きも大体似たような時間に便が出ていると言うこともある。 カシウチさんは今回ノースウエストで来ている。集合時間からはやや早めだったのだが、僕の出発に付き合ってもらう。僕も僕で少々集合時間からは遅れてきている。 成田空港の新滑走路の使用開始に伴って就航したらしい。 これで関空からはますます航空会社が離れていくこと必至だ。 関空には本当に頑張って欲しい。でないと東京一極集中化がますます進んでしまう。 全ての旅行が成田経由なんて考えただけでもげっそりする。しかも時間の無駄。 だけど収益とか考えると関空に就航することのメリットは大きくない。大きくは無いのだ。 そう言った現実を突きつけられると哀しくなる。が、とりあえずは今考えることではないか。 初めて見たのだが、ノースはなんと、オーバーブッキング状態になっていた。 変更可能な人には20000円分還元するそうだ。 暇な学生とかなら喜んで滞在期間を延長したりするのだが、社会人ではそうもいかない。 オーバーブッキングで一番始めに締め出されるのは我々格安航空券の旅客だから、 早めにチェックインしたのは結果的にはかなり良かったと言える・・・と思う。 しかしオーバーブッキングかよ〜ノースウエスト、やっぱりアメリカ系は信用出来ないなあと思ったのだった。こちとらアシアナの方は全然人も並んでおらずあっさりとチェックインは終了。 飛行機自体も小さいしね。結構時間がかかった大韓航空とはえらい違いだ。 金海国際空港は多くの人がいた。 3月の時と比べると人は多い。W杯効果って言うものは確実にあるらしい。 わざわざ韓国までサッカー見に来た物好き日本人の僕だが、結構似たような人多かったのかなあ。 なんかホテルも取れんとか言う話もちらっと聞いた。その辺はホテルリョーサワが使える我々は大きい。 多少暑くて寒くてシャワーからお湯出ないけど(笑) 免税店とかを適当に見ていたらすぐに時間は過ぎてしまった。 お土産を買うにしたって、昨日周りに配るお土産とかはみんな買ってしまったからなあ。 スーパーでは100円ぐらいで売ってた韓国海苔も、空港免税店で買おうものなら値段が500円ぐらいする。うお、高いよ。やっぱり免税店はチョコレートを買うぐらいしか使えないのかもしれない。(それでも市内の百貨店で買った方が安いぐらいだが) そうしているうちに出発時間が近づいて搭乗が始まる。 僕はまずは亮佑に電話してお礼を言う。亮佑は眠そうだった。 そしてジョンさんにも別れを告げたくって電話したが、繋がらなかった。 おそらく寝ているのかなあ。最後に話したかったな。 最後にカシウチさんに別れを告げ、そして飛行機に乗る。 釜山は雨が降り始めていた。韓国に敗れて涙を飲んだスペインの涙雨だろうか・・・ ふと飛行場内を見てみると、見慣れない色の飛行機がとまっていた。 よくみるとイベリア航空のエアバス340だ。 イベリア航空がまさか釜山に就航してることなんてあるはずないから、(今は日本にだって来てないのに)これはきっと選手の専用機なのだろう。スペインの選手も空港内にいたのかなあとちょっと思いながら、関空に向けて飛行機は飛び立った。 旅に出ると言うことは、僕にとって勇気を与えてくれることとなりうる。 韓国への旅は、人に触れる旅だ。人に触れることの温かさを体感できる旅だ。 今回もまたいろんな人に出会った。 ジョンさんとの再会も果たした。 PAGODAで授業にも参加した。 韓国の街自体は、もう見慣れてしまって、新鮮味は正直あまり無い。 しかし韓国に行って韓国の人に触れることは、いつ行ってもとても新鮮だ。 その時その時でいろんなものをもたらしてくれる。 次は、いつ行けるかどうかは、もう正直分からない。 3月に訪れた時には、W杯を見に僕は必ず戻ってくる。そう言った。 そして僕は帰ってきた。 けれども次は無い。 無い訳ではないけれども予定は未定だ。 でも僕はまたきっと釜山に戻ってくる。 必ずね。 情熱は約束を守るんだから。 |
6月22日土曜日 釜山 「いつまで寝てるんですか〜 起きて下さいよ〜!」 と言うジョンさんの声で目が覚めた。 うーん、昨日は遅かったんだよ、後生だから寝かせてくれよジョンさん〜。 「ナに言ってるんですか、今日は韓国を一緒に応援するんですから、早く起きる。」 時々軍隊調に日本語が変わるジョンさんである。 隣では亮佑がもう起きている。カシウチさんはまだ寝ている。 うう、何で僕だけ(涙) しかしジョンさん相変わらず元気じゃのう。 ワシはもうかなりクタクタなのじゃ。 時計を見たらまだ10時過ぎだった。まだ早いじゃん。 今日は昼前までゆっくり寝るつもりだったのに〜。 しかしジョンさんはお母さん手作りののり巻きを持ってきてくれた。 うお! のり巻き! 美味そう! 手作り! やった〜! 「ボクもよく作ってもらうんですよ」と亮佑。 本当に嬉しそうに言う。 そんで頂いたのだがこれまた非常に美味! さすが手作り! 「ジョンさん美味いよコレ」絶賛の嵐である。 カシウチさんもまたもや美味そうに食べている。 惜しむらくは寝ぼけていて味わいきれなかったことぐらいであろうか。 それからカシウチさんが持ってきてくれたお土産のお菓子をなぜか僕とジョンさんで食べた。 ジョンさんは「うまいデすねえコレ」と言って食べている。 韓国の甘味と言うのは確かに日本とは違っていて、どら焼きとかカステラは無いらしい。 昨日食べたシュークリームは結構美味しかったけどね。 韓国のお菓子と言うのはあまり甘くないって亮佑も言ってたよなあ。 昨日授業で頂いたきなこ餅もあんまり甘くは無かったし。 美味しかったことは美味しかったのだけれどもね。 「今日は僕の大学で一緒に韓国を応援しましょう」 で、「とりあえずこれを着て下さいよ」と言って、手渡されたのが韓国応援グッズの赤いTシャツ。 「To Be Reds!」とロゴの書いてあるあの有名な応援Tシャツだ。 「カシウチさんにも買いますから、着て下さい」とジョンさんは言う。 う、カシウチさんちょっと困ってねえか、などとちょこっと心配しつつ、 とりあえずもらったTシャツに袖を通してみた。 うん、いい感じ。これで即席韓国サポーターの出来上がり。 これだったら赤いTシャツ持ってこれば良かったなあなんてちょっと思った。 しかしホントに韓国サポーターになれるのだろうか。 って言うか今日スペイン戦でしょ、勝てるの韓国? 日本人の我々はまさかスペインに勝てるとは思ってない。 なんだか勝ってしまいそうで怖いと思ったりはしてるけど。 しかし韓国の人は負けるなんてこれっぽっちも思っちゃいない。 この自身は一体どこから来るんだか?? 個人的には、韓国に頑張って欲しいという気持ちが半分と、 とかく誤審騒動もいろいろあるが、あの自国の試合には盛り上がる韓国国民の熱狂ぶりとそして対照的に盛り上がらなかった(あくまで観客動員的にであって試合的にではない)昨日の試合を考えてみて、もういい加減ここら辺で惜敗した方がいいんじゃ無いかという気がしなくもなかった。 ちょっとワールドカップのホスト国としては度を超している気がする熱狂ぶり。 いや、盛り上がるのは確かにいいのだけれども、自国の試合「しか」盛り上がってない。 相手国に対するリスペクトが少々欠けている気がしなくもなかった。 国民性なのかなあ。それだけで片づけられたりは出来ないけど。 ベッカム様とか馬鹿みたいに騒いで時にはブラジルを、 時にはイングランドを応援する日本もどんなもんかなあとは思うけどね、確かにね。 しかし韓国では世界蹴球大会の、「世界」の部分が抜け落ちてるみたいだった。 と言うのが、なんとな〜く、韓国を心の底から応援できない理由だったりする。 まあ日本も負けちゃったって言うのもあるんだろうけど。 でもとりあえず頑張れ韓国! とにわかサポーターは思うのだった。 ジョンさんの大学、東亜大学は釜山の西の方にある。 地下鉄でも行けるのだが、西面からはバスに乗って行く方が近いって言うことでバスで僕らは向かう。 韓国の市内バスって言うのも久しぶりに乗るんだが、まあやっぱり運転は荒々しかった。 しっかり手すりに掴まっていないと本当に振り落とされそうだ。 バスの中でも街中でもそうだったのだが、やっぱりスペイン戦と言うことで、真っ赤なシャツを着た人であふれている。ジョンさんがプレゼントしてくれた「To Be Reds」のTシャツは勿論だが、 そうでない人も何かしら、赤色のTシャツを着ている。 韓国中が真っ赤に染まっているという印象だった。 ちょうど今日は土曜日だし、仕事のある人も基本的には半ドンなのだ。 (前回の紀行文にも書いたけれども既に日本では死語に近い) きっと試合が始まるともっと真っ赤に染まるに違いない。 ジョンさんは終始ご機嫌だった。 僕はと言えばちょっとやっぱり疲れ気味だった。 今日ジョンさんは最後の試験と言うことで、試験が終わるまで僕らは外で待つのだ。 試験頑張れジョンさん! と貿易の勉強をしているジョンさんのことを思う。 東亜大学は釜山の市街地の西の果てにあった。 地下鉄の駅も最寄り駅は終点の次の駅だ。 周囲はいかにも学生街っと言った感じだった。 そして小高い岡の上にある。 6月と言うのに階段を上るたびに額に汗が噴き出す。 どこの国でも大学を環境のいい郊外に造ると言うのは流行りらしい。 しかし東亜大学は岡の中腹部に建物が立ち並ぶというさながら平山城のような感じだった。 建物の構造としてもなかなか美しい。 正直もっと小さな大学かと思っていたのだが、予想以上に大きい大学だった。 僕の母校よりも余程大きい上に綺麗だった。 大学の講堂を今日は特設応援会場としてオープンするらしいのだ。 韓国の新学期は3月から始まる。ちょうど日本よりも一ヶ月開始が早い。 それに伴って前期試験は6月には行われて7月からはもう夏休みに入るのだ。 今回のジョンさんの試験はもう最後の最後らしい。 これが終わったら大学はいよいよ夏休み、本当に羨ましい。 夏休み間際だけあって大学のキャンパスは閑散としていた。 また学期が始まったら華やいでいくのだろうけど。 廊下もひんやりとして、電気もついていない。 もう本当に休みの雰囲気だった。 試験を受けるというジョンさんといったんお別れして、 ジョンさんの友達とカフェで話しながら待つことにした。 チャーミングな女の子。 ジョンさんの大学の同級生だって。 ジョンさんと同様、昼間は働いて夜は大学に通っているみたい。 ほんの少しだけ日本語を話すことが出来るんだけど、 なんせ残されたのは僕とカシウチさんと亮佑。 韓国語で会話をするにはあまりにも心もとない。 まあなんと言ってもここでは亮佑が一番の韓国語の使い手だけど。 なかなか進まない会話・・・ そうそう、韓国で初体験カフェラテ。 オシャレな感じのカフェで、これは期待出来そう〜と思っていたんだけど、 やっぱりなんかあま〜いのが韓国の飲みものなんだよねえ。 しかし量は多かった。初めて飲み物を残してしまったかも知れん。 でまあ、なんとなくぎごちない雰囲気も、次第に溶けてくる。 せっかくあまり日本語が出来ない?!(失礼!)人が一緒にいるんだから、 こう言う極限状況で韓国語の勉強をしなければ。 ってんでいろいろ韓国語を教えていただきました。 面白い! 韓国語! って思う。 実は他にもいろいろ聞いたのだが、 個人のプライバシーもあるので省略させて頂きます。 って言うかジョンさん抜きでかなり盛り上がったとだけ言っておこう(笑) そうしてるうちにジョンさんも帰ってきてさらにもう一人のお友達とも合流。 またもや女の子だったりする。 こっちの子は日本語はほとんど話せない代わりに英語は堪能だった。さすが! ちょっと韓国語を離れて英語で会話。英会話も楽しいよなあ、ここ韓国だけど。 韓国の人は小さい時からきっちり語学を仕込まれるらしく語学が堪能な人も多い。 彼女は貿易会社に勤めているんだって。 やっぱり英語が必要なのかなあ。 で一緒に昼ご飯を食べた。 学生街だけあって、安い食堂が並んでる。 今回食べたのは、マグロのチゲ。 「これは何?」って聞いたら、「マグロの鍋」ですって答えてもらったから、 え? マグロ? と当然の如くキハダマグロとか赤身とかを想像してしまった僕、 実際に出てきたのは・・・ツナ! ツナ! 確かに訳したらマグロだよなあ。 だけど想像していたのと違うよう。想像するのが間違ってるって? まあそうなんだけどさ〜。普通にキムチチゲにしときゃよかった。 釜山だから海鮮と言うのは短絡的すぎるのかもしれない。 けれども味は大変美味しゅうございました。量もたっぷり。さすがに学生街! 汗かきながら「美味い!」って食べてる僕を横目でジョンさんは見ながら、 「そんだけ美味しそうに食べてくれると僕も嬉しいよ」だって。 まあね、だって本当に美味しいんだもん。やっぱり韓国の料理の基本はチゲ! 暑くてもチゲに限るね。焼き肉もいいけど。 チゲと一緒に食べる白ご飯最高! 銀シャリ万歳!!! ・・・少し興奮してしまった。 亮佑はんとカシウチさんは素直に冷麺を食べておりました。ちなみに。 お腹一杯になったら、東亜大学の講堂の大スクリーンで韓国×スペイン戦を観戦予定。 で、講堂に行ったら・・・既に地元住民で満員だった。 ジョンさんも呆れ顔。 「ここ大学なんですけどねえ〜、なんでこんなに子供たちがいるんですか!」 だそうで、結局なんか立ち見になってしまった。 昨日からの疲れがたまってるから2時間立ち見は辛いんだけどなあ。 まあ仕方が無いか〜。 試合が始まる前から会場内のボルテージは上がりまくりで、みんな大興奮している。 当然の如くジョンさんも大興奮。 そして我々日本人三人(赤いTシャツ着て韓国人になりすましているけど)はなんとな〜く冷ややかな視線でこの大興奮の会場を眺めていた。まあ日本負けちゃったからね、あまり楽しみは無い。 やっぱり韓国は長年のライバルだったって言うこともあるから、素直に応援出来るかって言うと、 いくら僕が韓国が好きだとは言えなかなか複雑な感じだった。 ワールドカップ的盛り上がりを考えたらそりゃあスペインが勝った方が盛り上がるに決まってるし。 しかししかしやっぱり韓国にも頑張ってもらいたい。 そんな感じで本当に複雑だった。 それにしてもスタジアムは相変わらず赤一色。 準々決勝、チケット当初は余っていると言うはずだったのに、 その余った分のチケットはいつ売ったのだろう? 韓国の人はこぞってチケットを買いに走ったのだろうか? この赤一色で盛り上がっているスタジアムを見て、 いい試合だったにも関わらず客席の盛り上がりはかなり今一つだった昨日のことを思い出すと、 やっぱり尚更暗い気分になる。うーんなんだかなあ。 ホームゲームが盛り上がるのは分かるけど、もちっと何とかならんかったのだろうか。 韓国の方々。と思ってしまう。 日本の方はたとえセネガル×トルコでも盛り上がるんだろうなあ、きっと。 とまあやっぱり素直に韓国の応援は出来ないのであった。さすがにね。 ジョンさんは、「応援してますか! ちゃんとやって下さいよ〜!」と言うんだけど。 まあまあまあ、試合になったらやるから、と言ってちょっと誤魔化す。 そんな感じでキックオフ。 さすがにスペインは強く、何度も何度も韓国陣内を脅かす。 しかし韓国もまったく負けじと跳ね返している。うーんなかなか、これは好ゲームだ。 誤審騒動とかあったけれども、韓国はさすがにベスト8まで進出したチームだけのことはある。 決して運でここまで勝ち上がってきた来た訳ではない。しっかりした実力に裏打ちされているのだ。 特設会場内は韓国が攻め込むたびにボルテージアップして応援を繰り広げる。 さながら試合会場みたいだった。 ブーイングとかは特に無かったからその点は一安心。 熱狂的だけど狂信的な応援って訳でも無いんだなあ。 個人的にはもう、どっちにも勝って欲しくないって言うのが正直な気持ちだった。 まあここまで来たら負けても悔いは無いじゃんよ〜。とも思う。 1対0ぐらいで、韓国惜敗と言うのが、僕の個人的な希望だったのだが・・・ まあこの試合の誤審騒動についてとやかく言うのはよそう。 カシウチさんは「少なくとも2点は入っていた」と言っていたけど、 僕は素人なのであまりよくは分からなかった。 まあ、確かに決定機があったがそれは得点に繋がらなかったと言うことだ。 ついでに言うならそれで点が決まらなかった方が韓国にとっては幸運だってこともあり、 応援会場では文句の一つも当然出なかった。 延長戦にあった決定機もGKによって阻まれ、0対0のまま試合は終了した。 そしてPK戦にもつれこtむ。 PK戦になったらもうこれは韓国の勝ちだろうと思ったが、 見事に韓国勝利!! 沸き上がる会場。喜ぶジョンさん。 誤審って言うのは確かにあったのかも知れないが、 勝利に対する執念って言うものが韓国の方が日本より遥かに上回っていたのは間違いないと思う。 イタリア戦、スペイン戦の勝利はそこまらもぎ取られたものだ。 ただその一方で我々日本人3人はかなり呆然とした表情で佇んでいた。 ジョンさんはもう興奮しまくってたんだけど、 さすがに我々日本人はなんかホントに、呆然。 まさか勝つとは・・・と言うのが本音だったりする。 と言うことでやっぱり少々複雑な思いを胸に秘め、僕らは特設会場を後にした。 (2002/07/29) 街に出るともう早速お祭り騒ぎは始まっている。 街中に繰り出している赤い服を着た韓国サポーター達。 って言うか、国民すべてが韓国のサポーターと化している。 「テハンミングッ!」の掛け声や「ピルスンコリア」の大合唱も起こる。 亮佑が、「えらいことになりますよ」って言ってたけど、こういうことだったのか。 と思ったが事態はまだまだこれぐらいでおさまらなかった。 通りに出たら、もう人!人!人!の群れ。 道路なんて通れたものじゃなくなってる。 真っ赤な群集が大合唱しながら道路に溢れかえっているのだ。 「バスでは帰れなくなる」って言っていたけどまさしくその通りで、バスが通ろうにも人の群れで道路はほとんど封鎖状態。すごいなあ。これで警官が飛んできて規制とかされないのが不思議なぐらい。 日本だったらもう警官とか機動隊がすっ飛んでくるだろうね、いくらお祭り騒ぎとは言え。 って言うか日本でもロシアやチュニジアに勝ったときはこんな風になってたんだろうか・・・ しかしこの溢れかえった群集はホントにすごい光景だ。 ビデオがあったら撮りたいぐらい。 このお祭り騒ぎを体感できたということはすごく貴重だった。 しかし面白かったが、少々引いたのは事実。なんか亮佑までもがちょっとブルー入っている。 何で? って聞いたら、 「もし負けたらこの後が怖い。暴動とか起きるかも・・・」 ううむ確かに。良くも悪くも熱しやすくて情熱的な韓国人のこと、大丈夫かなあ。 ま、僕とカシウチさんにとっては人事なんだけど。がんばってな亮佑さん。 さてバスで帰ることはあきらめて僕らは地下鉄で帰ることにした。 遠回りだが仕方が無い。前回のイタリア戦の時で亮佑も失敗したらしく、 渋滞とかの影響を受けない地下鉄を迷わず選んだ。 正直、かなり疲れてる。立ちっぱなしで観戦してたしなあ。 地下鉄の中にも、 「韓国勝利バンザーイ!」って一緒にしましょう、と誘ってくるサポーター集団が。 ここでナカムラTシャツなんぞを着ていたら殺されるかも知れん。 ジョンさんは御満悦で、「テハーンミングッ」って一緒に叫んでる。 もうここまで来たらえい!って感じで僕らも一緒に大合唱!である。 何でもいいのじゃ! と半ばヤケクソだったりするのだ。 日本が勝った時も街中ではこんな感じだったのだろうか? 確かにバスに乗っていた時よりも遠回りで時間はかかったような気はするが、 さすが地下鉄は交通渋滞も無く、定刻通りに西面に到着した。 西面の街は東亜大学どころの騒ぎじゃなくって、 さらに人の群れだった。道路はもう誰も通れなくなってる。 本来だったら歩行者天国でも何でもない道路が、歩行者で溢れかえってるのだ。 これはすごい。日本で言ったら渋谷の街がもう道路まで人で溢れかえっているようなもんだ。 当然の如く写真撮影なんかをしちゃったりする。 あの西面の街が人で溢れかえっている光景なんて滅多に見られるもんじゃないのだ。 (ひょっとしたら最初で最後かもしれない) 老若男女入り乱れて歓喜の渦が出来ている。 最後の夜ぐらいはせっかくだから焼き肉でも食べようかということで、 ジョンさんに案内してもらう。もちろん現地人御用達の店。非常に流行っている。 入ってみて、周囲を見渡してみたが当然の如く我々を除いて日本人は一人もいなかった。 ついでに当然の如くみんな赤いTシャツを着てそして応援歌を歌ってる。 ベスト4って言うのはやっぱり歴史的なことなんだよなあ〜と実感。 実感はするもののなんか冷静に見てしまうのはやはり僕が日本人だからだろうかなあ。 それはともかく焼き肉は美味しかった! 肉の間からゴムのように流れる脂肪分。 ご飯が美味い。あふれる肉汁。 本場って言いますか、やっぱり流行っている店は美味しいと言うのは確かだねえ。 いっぱい食べたのにも関わらず、4人で2000円ぐらいだった。安いなあ。 今宵最後のイベントは、リュウくんや亮佑の生徒と再度合流して、お酒を飲みに。 みなさん韓国が勝ったからもうホントにご機嫌モード♪ ジョンさんの友達もやって来て、かなり大勢の訳わからんモードに突入。 お祭りやね。お祭り。 焼酎を飲んだりなんかしてもう皆さんすっかり酔っ払い。 亮佑は「先生飲んで〜」と言われて飲まされてる。あーあ、すっかり酔っ払いモードじゃ。 韓国まで来て粗相をしでかさないように祈っておこう。ってか押えとけよ>俺 ここでももうすっかり戦勝ムードで応援歌の大合唱が起きる。 もう酔っ払ってしまったらもうしらねえよって言う感じで僕ももう一緒になって大合唱。 一体になってしまったら後はどうでも良くなってくるなあ。 まあ、この居酒屋は結構騒がしかったので、あんまり話はゆっくり出来なかったのが残念だった。 時間も遅くなってきたので皆さんとお別れをすべく店を出た。 明日の朝もやはり早いんだよね、集合時間は9時半だからなあ、早めに出ないとまずいことになるもんなあ。 ロッテホテルの前でみんなで一緒に写真撮影。 心から韓国おめでとうって思う。 次回はいつ来られるのかなあ、ジョンさんにもリュウくんにもいつ会えるのかなあ。 そんなことを少し寂しく思いながら、お別れした。 亮佑ん家に戻って、荷物を片づけて、そんで韓国に別れを告げる準備をする。 今回もまた多大なるお世話になりました。多謝! |