乗り場の行列の先は ご年配の杖をついたご夫婦。 動きがスローで、荷物も大きく、タクシー案内係の制服姿の 若いお兄ちゃんが、運んで手伝っている。
その後ろの40代のサラリーマン男性、さも忙しそうに 次に入ってきたタクシーに先に乗り込もうとする。
案内係のお兄ちゃん むっとして 順番ですから!と 制止。 タクシーの運転手さんも サラリーマン男性にはドアを開けない。
誰がどう見ても サラリーマン男性が悪い。 彼にも親はいるだろうに。
足腰の弱った老夫婦の姿は 自分の故郷の親と重ねてみえる。 私ぐらいの年になると、みんなそうだと思う。
商談に遅れそうだからって 老夫婦を押しのけて仕事がうまくいったら、 なんの商売であれ それは誠意あるビジネスとは言えないのでは・・・
それとも、あの男性は、自分の親といい関係を 築けなかったそういう生い立ちなのでしょうか・・・
などと 想像を巡らしてしまいました。
かけあし東京、寒かった。
わんこそばで有名な老舗だから、休日は観光客や家族連れで 店の外まで行列です。
行列一番前は、店内で立って待ちます。
私と長女が 立っていたら 目の前の 4人掛けテーブルでお一人だけの御年輩のご婦人が 「相席どうぞ、私一人だから どうぞどうぞ」と言ってくれました。 有り難くご厚意に甘えることにしました。
ご婦人はかけそば。
私は鴨せいろ。 アツアツの汁に おそばをつけてズルズル〜〜 ご婦人がこっちをチラチラ見てまして 「あのーー ちょっとお伺いしますが・・・ そのおつゆは熱いの?冷たいの?」とお訊ねになりました。
私 「これはアツアツなんですよ、カモの出しなので ヤケドしそうなくらい」 ご婦人「・・・・そういうのも あるのねえ」と しげしげ・・・
鴨せいろを ご存じない方もいるんだ・・・と 私もびっくりです。
「オニオンそば」とか「野菜そば」「牡蠣そば」「舞茸そば」 「ウニそば」珍しいメニューもたくさんある老舗で 市内では一番美味しいと思います。 鴨せいろ、 さして珍しいメニューではないと思いますが 例えばずっと一人暮らしだったりすると 馴染みの店でいつも馴染みの同じものを注文し続け 別のメニューに気づかないこともあるのでしょう。
そのご婦人が 次に「鴨せいろ」を召し上がってくれたら 嬉しいですね
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