twitterも書いております。
『ミライの源氏物語』のAmazonページはこちらです。
『微炭酸ニッキ』  山崎ナオコーラ

(新たなご依頼をいただける場合、あるいは、既刊の作品についてご質問をいただく場合も、
拙著の刊行がある出版社さん宛てにメールにてご連絡をいただけませんでしょうか?
転送してもらえますので、私から返信します)。

私は貴兄のオモチャなの
2004年01月31日(土)

岡崎京子のマンガで、今まで一番すきだったのは「Pink」という話です。
これはホテトルの女の子がアパートでワニ飼う話。
でも最近、「私は貴兄のオモチャなの」が抜きました。

彼女のマンガは初期の頃はポップで音楽みたいに楽しいのだけども、後期になるにしたがって重くなります。
昔は明るいのが好きだったんですが、最近は、重い話も、いいなあ、と感じるようになりました。

岡崎京子のことなら、熱く語れる。
マシューTVでの、東野幸治が「ゴルゴ13」について語るくらい語りたいです。
フリップ出して、「バーン」とか。
「この絵の雑さがいいんです」
「ここは、大島弓子のパロディなんです」
だとか。

「私は貴兄のオモチャなの」は短編集です。「でっかい恋のメロディ」「虹の彼方に」「私は貴兄のオモチャなの」「3つ数えろ」の4つが入ってる。
どれもいいです。

「『生きることは召し使いにまかせろ』とリラダンは言ったわ。でも現実にはあたしが召し使いなんだわ」
「だって愛とかわかんないんだもん。みんなわかってんのかー!って聞きたいよ。よくみんな口にするけどさああ」
なんて科白。

一番好きなのは、今までも何回か書いたのだけども、
「失恋やココロがキズついたときはぁ、友情と文化とセックスしかないっす」
って科白。本当そうだなって思う。

ストーリーはわりと救いがなくって、昔は「何でこんなマンガ描くんだろう」と思ってたんだけど、最近はなんとなくわかるような気がする。

きっと愛って、そんなキレイなもんじゃなく、エゴイスティックなものなんだ。
でもそこにあるものだから、みんな頑張ってんだ。そんな感じ。

「私は貴兄のオモチャなの」なんて、あんまりにも男の子がひどくて、何でこんな男が好きなんだ?と思うのだけども、こんなものか、とも思う。
昔は、友だちの話なんか聞いてよく「何でこんなひどい男と別れないんだろう。バカじゃねえのか」と思ったものだ。
だけど、きっと、ひどいという理由で人を嫌いになることはできないように人はできているのだろう。

オモチャになってもいいって思える位、好きな人がいるのっていいかも。

まあ、そんなヘビーなこと本気で考えているわけでもないんだけども。

こんなマンガみたいに重いものはそんなないかもしれないけど、誰だってそれなりに困ったこと抱えて、明るく生きてるのかかもなあ、って思います。



私が思うのは
2004年01月27日(火)

議員の経歴偽造のニュース。
こういうときに、マスコミの風で、一般の人もいくらでも悪口を言えるというのがすごい。
日本人の性なのだろうか?
こういう性が、戦争に走るときなど、役立つのだろうな。

私が思うのは、こんなニュースに時間を割き過ぎじゃないかってことだ。
もっと大事なニュースはないのだろうか?
どうしても、くだらないことに思えて仕方ないのだが。


中学生の虐待のニュース。
児童相談所が動く、ということは日本ではとても難しいことなのだろうと思う。
法律面でもっと変えていかなくてはいけないのじゃないだろうか?
私が思うのは、日本は、子どもに対して親に権利がありすぎるってこと。
現状では「親が『なんでもない』って言っているのに、家に踏み込む」というのは大変なはず。
「子どもにはたくさんの権利があるということ」そして「子どもはみんなで育てていく存在だということ」、こういう感覚が必要なんだろうなって思う。


それにしても、しょっぱいものはおいしいですね。
なんでしょっぱいものはこんなにおいしいのだろう。
お菓子よりしょっぱいものの方がずーっとおいしいですね。



ジャランジャラン
2004年01月15日(木)

オレは常にふざけている。
ふざけるなと言われてもやめないだろう。
タオルのループは全部切る。
そうしきでも冗談を言う。
先生に怒られるときは、
いつも下を向いて笑っていた。
口角を上げて笑う。
甘皮でもないのに剥く。
犬は撫でる。
雨降りでも萎えないプライド。
親指の自由のない靴。
横から口出されるのが大嫌い。
インクの代わりに粘土。
嘘はいくらでもオレの口を回すが、
小心のため、あとで何度でもあやまりに行くだろう。

折り鶴のしっぽは全部顔にする。
オレは横断歩道の白い部分は踏まない。
丸いマンホールも。
オレは土管をくぐっても、
地下の世界には行かない。

マスクをしている人の話は注意深く聞く。
大きい声を出す人の話には耳を塞ぐ。

オレは100円自販機を常に探してる。
神様の横腹つつく。

食パンの耳はまーるく残す。
タクシー運転手の首の裏を、
いつまでも覚えている。

オレは歯医者の音のCDを持ってる。
マフラーのフリンジを触られるとキレる。

オレはバスに乗るだろうか?
月面着陸するだろうか?




2004年01月14日(水)

私はもともと気ままで気まぐれだったはず、と思い出す。

私のみみずの十万の大軍が陸を駆け巡る。



眼鏡のつるは耳にかかっていないのです
2004年01月13日(火)

ヨミネちゃんと紅茶を飲む。
ヨミネちゃんの書いた小説を少し読ませてもらったら、すごく面白かった。

家に帰ってきたら、くうと眠ってしまった。
どうやら風邪を弾いたらしい。
くらくらして、のどが痛い。

でもすぐに気力が湧いてきて、夜中にカレーを食べた。
やがりバカなのか。




2004年01月08日(木)





そうですか
2004年01月03日(土)

暑い国へ行きたい。
とことこ歩きたい。
夜に詩集を読みたい。

日焼け。
骨接。

水玉模様のひとつひとつに世界が入っている。

「真実のマレーネディートリヒ」という映画を見る。
泣いた。そんなに泣くものでもなかったとも思うが。

最近読んでいるのは「長距離走者の孤独」。ライ麦みたいな感じだ。

りんごの芯の窪みのところに何か入ってる。

奇数のボタン穴。

ファスナーというファスナーを滑らないようにしてやる。

おみくじに全部「大」と書き込み。

バーコードを読めるんですか?

今年こそ、聖書の謎を解読。




キノコ
2004年01月02日(金)

最近、頭が重いときがあるなあ、と思っていたら、気が付いた。
おだんごにするのにあめ玉みたいなゴムで結んでいたから、これが重いのだ。

それで髪を切ってしまった。
新宿の美容院が開いていた。

そしたらキノコみたいになった。
なんでかなあ、と思うに、丸顔だからだ。
でもこれはこれでかわいいかな。

美容師さんが最後にあめ玉みたいなゴムを返してくれた。
あめ玉みたいなゴムはきらきらしていた。



おばあさん
2004年01月01日(木)

腕をくにゃりと曲げて、
妙な姿勢で横になっているとき、
このままミイラになったら面白いな、
化石になったら後世の人が笑うか、
と思う。

ミイラになるとしたら、
このおっぱいもなくなるのか、
と、指でつついてみたら、
プシュウと空気が抜けていく気がした。

いや、これは本当のことなのだ。
私は確実におばあさんになってしわしわになる。
その前にも、30代になったら体の形が変わるだろう。
いまの形はつかの間の夢か。

ああ、だめだ。このことを考えるのは。
宇宙の芯に吸い込まれそうだ。
このことを考えるのは怖すぎる。
考えてはいけない。
空気の抜けた後の体が、彼方にふっとんで行く。
ブラックホールに飲み込まれそうだ。

何でこんなに怖いのだろう。
実は体型に自信があってそれがなくなるのが怖いのか、
あるいは、
女でなくなることが怖いのか。

いや、
おっぱいだけでなく、
脳みそだってなくなるのだ。
いつかは中年女性のような考え方をするようになるのか。
そして消えてしまうのか。

私は幻影。
クリオネのように半透明の体に感じる。

おっぱいは、幻影。
二本くっ付いている足は、
どこへも歩いて行かないから、幻影。
手は、パソコンしかいじってないから、幻影。
髪は、もうすぐばっさり切ってしまうから、幻影。
目は、コンタクトを通してしか見られないから、幻影。
舌は、舌ばかでおいしいものがわからなく、雰囲気で「おいしい」とか言ってるから、幻影。
睫毛は、マスカラを塗るから、幻影。
おへそは、使っていないから、
最初から使っていないから、生まれていないから、幻影。

例えば、ここに赤ちゃんの写真が一枚ある。
この赤ちゃんが私であるという証明はできるのであろうか。

私は赤ちゃんではなかった。

最初から幻影だった。

若い気でいるけれど、今も私はおばあさん。

私は半透明。
くらげ。

あの、大量発生して漁師を困らせている、
魚の網に引っかかっている、汚い半透明の。

あれが私だ。

女でもない。男でもない。思考もない。

この瞬間も私はおばあさん。



無口でわがままで、とげがあったり甲羅があったり
2003年12月29日(月)

私の夢の中には、「無口でわがままで、とげがあったり甲羅があったり」というものがものすごい頻度で現れる。
それが私っぽいものであることもあるし、他者であることもあるのだけども、「無口でわがまま」とそれに対してかならず思うのだ。つまり、うまくコミュニケーションがとれない、というのが最大の難関なのだ。

例えばこんな夢だ。

私は地味な女の子だ。
そして、10階建てのデパートで買い物をしている。
レジで私の前に並んでいる男の子は、背が高くて、体が大きい。坊主頭で、アロハシャツを着て、靴はセーラームーンの絵が描いてある子供靴のようなものを履いていて、ちょっと風変わりだ。
その男の子は買う段になって、自分の財布がないことに気が付いた。ハンガーのようなものを買いたいらしいのだけど、店員の前で、ポケットを探ったりしてあせっている。
男の子はパニックになっているようだったので、私が「じゃあ、私が払って置きますよ」と言ってお金を払った。
男の子は私に対してはうまくしゃべれないらしく、「〜〜〜」というようなことを言う。私にはあー、とかうー、とか言っているようにしか聞こえない。
でもたぶん、ありがとう、とか、ちゃんと返す、とか言ってるんだろう、と思って、住所も聞かないのに信じて、そのまま別れてしまった。
しかし、私は、エスカレーターで3階まで降りたときに、さっきの男の子の財布が落ちているのを見つけてしまう。なぜわかるのかはわからないけれど、私にははっきりと持ち主がわかるので、すぐにハンガーの売り場に戻ったのだけど、いない。さらにエレベーターを上り下りして捜すと、いた。
「財布みつけたの」
と渡そうとすると、「〜〜〜」と押し返す。
「どうして?」
と聞くと、走って逃げ出してしまった。
私は途方に暮れて、仕方なく財布をちょっと開けてみると、中は10万円ぐらいの札束だ。これは渡さなきゃ、と思い追いかける。
私たちは10階あるエレベーターを上り下りして追いかけっこする。
男の子は足が速い。
見失ってしまった。
10階の非常口階段を上ると、ひみつの11階があることがわかった。
11階は、なぜか普通の人の家だった。と言っても高級住宅風だ。
そして私の友達らしい設定の女の子がいた。その女の子は美人でブランドのバッグを持っていた。私はその子の聞き役のような設定らしく、急に二人で何かを話し始めた。要は、その女の子は今日、彼を自分の家に呼んだのだけど、現れない、なんなんだろう、と私に愚痴っているようだった。私は「わかるよ」とか「それは男の子が悪いよ」などと相槌を打っていた。
すると、さっきの坊主の子が現れた。
女の子は「なんなの?時間にも遅れるうえに、坊主は止めてくれって言ったじゃない。お母さんに紹介するのにアロハシャツってなに?その靴、なに考えてるの?」
などと怒る。この坊主の子が彼氏らしい。坊主の子は言われてることを気にも留めずに他の事を考えている風なので、私は可笑しくなってくる。
お母さんが現れた。
お母さんは中村玉緒だった。

他にもあるのだけど、今日はこれだけ書いて力尽きてしまったのでまたにします。今度、とげ、や甲羅、の話をします。

あと、今日見た夢はこんなだった。

私は年下の仲の良い女の子(らしい)を自転車の後ろに乗っけて運転している。
女の子がふざけて危ないので、つい、「おまえなんか死んじゃえ」と私は言ってしまう。
女の子は手を離して落ちようとする、私は必死に手を捕まえて「ごめん」「ごめん」と言うのだけれど、女の子は黙って落ちようとする。
恐ろしかった。

私の怖い夢は、決して私は被害者でなく、加害者だ。
何かに追っかけられる夢は見たことがない。おばけや怪物も出ない。
私が何かをやってしまう。




BACK   NEXT
目次ページ