弟とわたしと どうしてそんなに扱いがちがうんだろう
でも そんな事にも慣れてしまっていた
「この子は手が掛かるもの」 「あんたはお姉ちゃんなんだから」
そうだね
弟は手が掛かるもん
わたしはお姉ちゃんだもの
弟が泣くと、わたしは母に怒られた
「どうしてちゃんと見てないの」 「あんたが付いてるのに!」 「あんた何かしたんでしょ!」
だから弟が泣かないように 泣いても すぐ泣きやんでもらうように気をつけていた
わたしが泣くと、母に笑われた
「へんな顔ね」 「いつまで泣いてんの?」 「何その目。親をにらんだりして…なんて子だろうね!」
だから泣かないように 泣いてもすぐにとめるように していた
アルバムの写真はどれも
弟のそばに母が立ち 弟の肩や腕に手を添えたり 手をつないだりしてる
わたしはその横にひとりで立っていたり 父と一緒に写っていたり あるいは写っていなかったり
写真って おもしろいくらい正直だ
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