は〜〜〜〜〜〜。厳しい月末でした。
ただでさえ振るわない6月の売上が、今年は輪をかけてよろしくありません。不況やら、飲酒運転の取り締まり強化やら、さまざまな要因がからみあっているのでしょうが、一番響くのは地元消費の低迷です。
午後おいでになった東洋商会(安土町で吟醸酒醸造用のいろんな便利な道具を製造販売しておられます)の高木社長と雑談していますと、経営を学生にたとえ、こんな笑い話がでました。
「昔は60点の経営でやっていけた。今は90点以上の経営をして、なおかつスポーツが国体級であるとか、絵がずばぬけているとか、そういうセミプロ級の特技を持っていないと事業を拡大していけない。」
まことにその通りです。ただマジメに朝から晩まで働いているだけでは、売上を右肩あがりにできなくなってしまったのです。
マジメに働くことはもちろん、新しい発想やアイデア、強力なリ−ダーシップがさらに一層求められているのだと思います。
下をむいていても仕方ありません。暇なときには、時間がなくてできなかったことをやりましょう。
明日への顧客開発のために、ホームページの充実や、中元ギフトのDM発送などをがんばりましょう。
PS.この日記を見て専務あてに融資の電話をしても取り合いませんので、ノンバンク(邦語訳/高利貸し)の皆様はムダな電話代をつかわないように。
7月1日にホームページの表紙を更新するため、午後からデジカメをもって取材です。ウェブマスターの幡さんがせっかく頑張っているのですから、できるだけ活きのよい情報を仕入れねばなりません。
いまのところ、滋賀県の蔵元では一番イキのよいサイトだと自負いたしていますので、少なくとも1年間はこのハイテンションでやってみようと思っています。
夜、一杯やりながらホームページのことを考えていると、いろんなアイデアがわいてきます。みなさんに造り酒屋の1年を、できるだけ身近に、ユーモアーをまじえて疑似体験してもらうためにこれからもがんばります。
7月からは、週がわりでマキノ山田錦の田んぼを定点撮影したコーナーがアップします。2ヶ月くらいたまったら、コマ取り撮影風のアニメにしてみようかと思っています(NHK教育テレビ理科教室2年生のアサガオの観察を御想像ください)。
お酒の話題ばかりでは食傷されると思いますので、マキノの観光情報も、より地元密着した、ローカルな話題を提供していきたいと考えています(何をかくそう、ほろよいはマキノ観光協会特産品部会理事などという、訳のわからない仕事をしているのです)。
「地方限定キティちゃんをさがせ(地キティをさがせ)」のコーナーもこれからますます充実させていきます(とりあえず滋賀限定キティを専務が営業の途中でさがしてきます。浜大津の琵琶湖汽船お土産売り場に1種生息しているという未確認情報がはいっています)。
7月1日には、ほろよいと、幡さんの共同作業で、竹生嶋のホームページがより魅力的に更新されます。
乞う御期待。
昨年からJAマキノ町の後押しで、マキノ町産の「吟吹雪」を仕込みに使わせてもらっています。JAマキノ町さんは特産品開発の一環として、マキノ産コシヒカリ「清水桜」というブランド米をすでに販売していますが、ほろよいの蔵が地元マキノ町で山田錦を栽培していることを知り、酒米もぜひやってみたいと打診がありました。
徳島や兵庫に大切にしている栽培者があるとはいっても、弊社はやはりマキノの地酒屋です。やる気のある地元の栽培者さんが手を上げている以上、ひと肌ぬがないわけにはいけません。
マキノ町蛭口の安井保雄さんと、寺久保の久保井五夫さんが吟吹雪をつくてみようということで、昨年は2人で約8反(80アール)作付してもらい67俵の収穫がありました。
品質はモミ摺り(表皮であるモミガラを除去して玄米にする作業)直後は、未熟米や汚い玄米が目立ちましたが(あとで聞くと1.9のふるいで選別したのが原因でした)、2.0のふるいで2度選別しますと、見違えるように綺麗な米粒ばかりになり、みごと米穀検査は1等にとおりました。
吟吹雪は「玉栄」という滋賀県の酒造好適米に「山田錦」を交配した大粒米なので、血統上、心白の出現率は高いのですが、マキノのそれは、ほとんどに心白が入った優秀なものでした。
今年は、お二人の吟吹雪だけで「竹生嶋・純米酒」を仕込み、いつにまして味わいの濃いコクのある純米酒ができあがりました。
今夜はそのお米で仕込んだお酒のおひろめを兼ね、JAマキノ営農販売課長の伊吹さんと、安井さん、久保井さんと、ほろよいの4人(マキノ吟吹雪の会と勝手に名前をつけました)で駅前の「ととろ」で宴会でした。
宴会で3人さんと歓談しながら、ほろよいは、しのび持ったデジカメで皆さんの笑顔を狙います。実は、このお酒の裏張りに2人の顔写真を入れようという思惑があったからです。
いつもはいかついお二人さんも、お酒を飲めば笑顔満面、いいお写真がとれました。さっそく顔写真入りの裏ラベルをつくらねば。
吟吹雪を植えた田んぼは知内川の中流域にあり、今さかんにホタルが飛んでいるあたりで、いわゆるマキノの「里山」の1部を構成している田んぼです。ここでとれたお米で酒造りをすることで、里山の保全に間接的にお手伝いできるのもうれしい話ではありませんか。
もう数年栽培を続けて、お二人が吟吹雪の栽培に慣れたら、マキノ里山の地酒として、新しい商品設計で、純米吟醸あたりを造ってみたいなあと夢見ています。
そろそろ奈良漬用の酒粕が出回る季節になってきました。
個人的には7月も半ばすぎの、少し茶色っぽくなったくらいが漬け頃かと思いますが、最近どんどん出荷時期が早まり、生白い粕が市場に出回るようになっています。
これでも漬からないことはありませんが、精がきついのか漬けるものによっては形が崩れてしまうことがあるようで、もう少し熟成が進み、ベッコウ色になって味が慣れたくらいのものを使った方が結果が良いと大奥様は申しています。
とはいえ注文もちらほらと入りはじめ、お客様を待たすわけにもいきませんので、今日は社員さんに、今年はじめてタンクで熟成させていた粕をスコップで掘り出し、4キロ入りの袋詰を詰めてもらいました。
昨今は、液化プラントで醸造したお安いパック酒が増えてきたためか、昔のようなエキスのある粕が少なくなり、昔からの醸造方法で造っている地酒粕に人気が集まっています。(この事情について詳しく知りたい方は、弊社のホームページ蔵だよりのコーナー「酒粕がおかしいぞ」を御参照ください)
7月にはいり、夏本番となり、キュウリや瓜などが次から次へとなり始めると、田舎のお爺さん、お婆さんたちは、食べきれない分を塩漬けにして、どんどん粕に漬け替えていかれます。
7、8月は生酒の出荷と奈良漬粕の出荷で、また少しばかり忙しい日が続きそうです。
2003年06月24日(火) |
今日は銀紋のビン詰めでした |
午前中、銀紋普通酒のビン詰めでした。
これからどんどん暑くなるので詰口本数は800本程度、これでまあ1ヶ月分くらいでしょうか。日本酒メーカーにとって、2月、6月、9月は需要が中途半端で、売上に苦心する月の代表です。
銀紋はいわゆる晩酌用の酒なのですが、原料米は金紋本醸造とほぼ同じ米を使い(やや加工用米の量が多いくらい)、麹はすべて玉栄、オール精米歩合65%で、白米1000キロあたりの100%醸造アルコール添加量が200リットルと、このクラスのお酒としては、かなり原価の高い酒を入れています。
ところがどうも最近売れ行きがよくありません。お客様がもっとお安い酒に浮気しておられるのか、焼酎を飲んでおられるのか、飲酒の取締りが厳しくなったから飲む機会が減ったのかよくわかりませんが、弊社の売上のかなり大きな部分を占めるお酒の売上が減っていくのは、ボディブローのように経営に響いてきます。
純米酒や純米吟醸酒の生原酒が好調とはいえ、銀紋でへこんだ売上の穴を埋めるのは並大抵ではありません。はやく梅雨があけて夏本番となり、生酒がどんどん売れればよいのに。
月末を前にグチをこぼすほろよいです。
今日は湖西5蔵元セットのセットアップの日です。
作業場には9時前に到着。すでに大方の小売組合の役員さんと、各蔵元さんがお待ちで、すぐに流れ作業ができる段取りを開始。最初にきっちりと作業の準備をしておかないと、300セットの化粧箱の組み立てや、各蔵元のお酒を1本ずつ入れていく作業能率が悪くなります(ルーズに作業すると絶対ひとつの箱に同じお酒がダブってはいってりして、最後に余ったり、足らなかったりして泣きを見ることになります)。
とはいえ、みなさんお店や会社にかえれば一国一城の主なので、あれやらこれやら各自が良いと思ったとおり動かれるので、なかなかうまく事前準備ができません。
これはもしかすると舟が山に登るかなあと危ぶんでいましたが、30分ほどかかり、ようやく準備完了、流れ作業が始まりました。箱を組み立てる人、酒を箱に入れる人、できたセットを車に積んでいく人、まあまあなんとか順調に流れていきます。
酒販業が元気だった時代は、いろんな利益のでる商材があって、みんながお互いにライバルで競い合い、共同で地酒をセットして販売するなんて発想はうまれなかったのですが、今は量販店やDSと勝負できる商材がほとんどないといってよいでしょう。なんとか消費者さんに興味をもっていただける商品を自分たちの手でつくっていこう、という意欲がみなさんに出てきているのかもしれません。まさに呉越同舟を地でいくような光景です。
せっかく汗を流して作った商材です。ぜひとも将来への展開につながるような販売ができることを祈っています。
「こんなもの売れやしない、酒販青年会もムダなことをする」などと考えている小売さんがいたら(絶対いるんですが)、怒られるかもしれませんが、こう申し上げたいと思います。
「それじゃ、あなたは何を売ってこれから生活していくんですか?」
ビール?大手のパック酒? ……「仕入れ価格では勝負になりませんな。」
ワイン? ……「フランスやドイツのワイナリーに1度くらい行ったことはありますか。きちんとお酒の説明ができないと消費者さんや、有名レストランのシェフは相手にしてくれませんよ。ところで少しはフランス語できるんでしょうね」
焼酎? ……「もうあらかた、乙類焼酎の有名ブランドは有力な小売さんに押さえられてしまい、なかなか新規の取引は無理でしょう。ところで1度くらい宮崎や鹿児島のメーカーに見学にいったことはありますか、これからというあなたはもう遅過ぎます。」
結局、地酒しか選択肢はないと思うのですが。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 御案内
湖西5蔵元セットを吉田酒造でも販売いたしております。 24日午後2時現在、12セット残っていますので、御希望の向きはメールかお電話にて御注文ください。在庫限りにつき、売切れの場合は御容赦のほど。
2003年06月21日(土) |
泰山鳴動してネズミ一匹 |
食道内24時間pHモニタリング検査の結果を聞きに、きのう京都府立医大病院へ行ってきました。。病院通いも3日もつづくとほんとにゲッソリです。予約をいれてあるので、指定時間に受付へ行き20分ほど待って、先生の診察室へ通されました。
結果はシロ。食道への胃液の逆流は見られず問題ないそうです。今後、胸焼けなどを感じたら来院してくださいということで投薬もありません。「泰山鳴動してネズミ一匹」どころか、ネズミも出なかったというお粗末。
まあ、なんともないのが一番で、読者の皆様にも御心配をおかけいたしました。
病院をあとにして北大路通りの「おうむ亭」さんに、今夜のイベント「近江銘酒蔵元の会20本セットを楽しむ会」に使うお酒をお届けして、ちょうどお昼時、御自慢の日替わりランチをいただきました。こういう心配事が失せた後のごはんは、まことに美味ですねえ。
午後は県庁前の滋賀会館(いつもいい名画をやっているんだよねえここは。私が大学時代にがんばっていた京一会館を思い出します)にある滋賀県酒造組合連合会で「近江銘酒蔵元の会」の正副部長会議、今年8月の総会で役員改選があるので新役員の構想などを意見交換しました。
マキノへは午後8時に帰りつき、マキノ町観光協会の臨時総会に出席、新理事の選出。ほろよいは特産品部会を代表して理事を勤めており、今回は後任に成り手がなくあと2年理事を勤めるハメになりました(サマーカーニバルの協賛金集めとか苦手な仕事があるんですよこれが)。
総会が終わり、駅前の「栄とこ」で一杯、御主人の谷口さんと怪気炎をあげ、帰宅は午前様。はーしんど。
(金曜の日記なのですが、日付を土曜にして書きこんでしまい、どうも訂正がきかないようなので、きのうの日記としてまとめています)
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