2001年05月31日(木)
雨、小高い丘の墓地で

小高い丘のちいさな墓地
たった一粒からはじまった雨は
気付けばどしゃぶりになっていた

ひさしぶりだね、元気にしてた?

微笑みながらあなたに話しかける

いつものようにあなたは無言だけど
あたしにはあなたが笑ってうなずいたような気がした

ほら、覚えてる?
あのときあなたが言ったこと
夏が近づく前に一度海へ行こう、って

去年はつらくて行けなかったけど
今年はちゃんと行ってきたよ
あなたはいないけど
ちゃんと行ってきたよ
これで約束、守ったって言えるかな?

今日はね
その報告ともうひとつ伝えたいことがあるの

あたしね
あなたから卒業する
いっぱい考えて決めたんだ
あなたはあたしの心の中でまだ生きてる
あなたのために幸せになってみせるから…





差していた傘をたたんで
身体をどしゃぶりの雨にさらす

今日が雨でよかったよ
あたしの涙、あなたに見せたくないしね
きっと神さまも
あたしの背中押してくれてるんだよね

あたしはあなたに背を向ける
涙を隠す雨の音にまじって
あなたの声が聞こえた気がした

あなたの声は
あのときと同じように優しくって
あたしはまた溢れてくる涙を
必死に止めようとしていた



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なんか突然書きたくなっちゃいました♪
この話の前後はみんなで想像してくださいませ(無責任
たまにはこんなのもいいですね。



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