想い出の樹

2002年09月20日(金) ピアノへの思い

今日、ある方が見学にいらっしゃいました。
高校までピアノを続けていて、
大学時代も合唱などでピアノに触れ続けていたとのこと。
とてもピアノが大好きで、
弾きたくて弾きたくてたまらないという方です。

ただ、現在ご実家にピアノがなく、
習うことになっても、ピアノを練習することができないんですね。
それでも、近くのスタジオでピアノを弾くとか・・・
いろいろ方法はありますから、
こちらは構わないですよ、というお話しをしました。

お話しの最後に、
「あの・・・これから生徒さんいらっしゃるんですか?」
という質問が。
その視線の先には、ピアノ・・・。
「来ないから、弾いていってもいいよ。」と答えました。
それから30分、楽しそうにピアノを弾いていかれました。

本当にピアノが大好きなんですよね。
この方かなり弾けるのです。
ということは、結構練習して過ごしてきた方なんだと思うのですが、
そういう中で、ピアノが楽しい、ピアノが好き・・・
という思いを抱き続けてきたということ、本当にすばらしいと思います。

ピアノをやめても、ピアノへの思いを抱き続けるって、
本当に素敵なことだと思います。
そこにこそ習ってきた意味があるのですもの。

この方を見ながら、
私の小さな生徒たちも、こんな風にピアノへの思いを
抱き続けてくれるかな・・・なんて思いました。
たとえお教室を離れたとしても、
音楽やピアノへの思いを、ずっとずっと大切にしていってもらえたら、
ピアノ講師としてそれほど嬉しいことはないです。
そういう思いを大切に育んでいける、
そんな指導者になれたら、とつくづく思った一日なのでありました。


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中嶋 [HOMEPAGE]

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