MIKI.PRUNEの方丈日記
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2003年07月19日(土) |
「夢浮橋」に辿り着き |
源氏物語54帖「夢浮橋」を読み終えました。 「浮舟」から「夢浮橋」は読みごたえがあり、 どうなるのだろうと一気に読み進んだ。 千年も前にこのようなストーリーを書いた紫式部は 偉大な作家だと言わざるを得ない。
男と女をこれほどまで突き詰めて書き上げ、 しかし、男と女の仲は、所詮、はかない 夢の中の逢瀬のようだとでもいうつもり だったのか。 それで「夢浮橋」の題名になったとかもしれないと 瀬戸内寂聴さんは書かれている。
又、浮舟の苦悩に対して、二人の男はどれほど悩んだ というのだろうか。匂宮の悩みは、ただ単純に、 気に入った女を独占したいという欲情の焦りであり、 薫の場合はいつでも愛より世間体を気にして、女の 裏切りの対しても、自分の面子が傷つけられたという 怒りが先に立っている。 2人とも、浮舟の四十九日までは、嘆き悲しんでみせるが それ以後は呆れるほどの早さで、ほかの女との情事に 右往左往している。 このあたりの男の下らなさを、なぜ紫式部は綿々と書か ねばならなかったか。所詮、男の心はその程度のもので 情熱も誠実もたかが知れていると言いたかったのでは ないだろうかとも瀬戸内さんは書かれている。
ここまで、男を酷評されてはと思うのだが、世の常は 大方このとおりである。 男として、否定できないところが悲しい。 では、男はどうすればよいのか。 つまり、素敵な女性に負けないよう身も心も 磨かなくてはいけないと強く思う。 1人の女性を誠実に愛し続ける。そんな男でいたい。 その1人の女性。いつめぐり逢うことができるのだろうか。
今日の一首
読み終わり 男と女を 想うとき いま浮き舟は 何処にいるのか
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