MIKI.PRUNEの方丈日記
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2004年04月15日(木) 愛と永遠の青い空

 今日、辻仁成さんの「愛と永遠の青い空」を読み終える。
 
 この物語は、主人公白河周作は75歳。真珠湾攻撃に参加した
 元日本軍人で、自分の気持ちを直に伝えることの出来ない
 昔かたぎな無骨な男。
 そして、周作の妻、自分の気持ちを書き綴った日記を残し
 小枝は3年前に突然自殺をしている。

 物語は、周作ら3人の戦友たちは、死ぬ前にかつて攻撃した
 真珠湾に行き、自分を見つめ直す。
 周作は小枝が残した日記を読みながら、今更ながら小枝を
 愛していたこと、愛されていたことを感じる。
 何故小枝が生きていた時にそうしてあげられなかったのか、
 自分の行動がそんな辛い思いをさせていたのかようやく
 わかる。
 そして、周作らは日系のガイドに真珠湾やハワイを案内して
 もらったり、元アメリカ軍兵士達との交流を通じて和解をしたり、
 そして、ハワイに残っていた九七式三号艦上攻撃機を修理し
 また真珠湾の大空を飛ぶ。

 この物語の主人公は、永遠という言葉を懐疑しつづけた。 
 愛という言葉を容易には使わなかった。実直に人生と向き合い
 本質を求めようとしていた。彼がしまいつづけた愛の物語は
 彼が人生を最期まで投げ出さなかった記録でもある。そして、
 永遠の愛ではなく、愛の永遠を求めつづけた証でもある。と
 作者はいっている。

 愛することの素晴らしさを教えてくれる1冊の本です。

      
   


 
 
 

 
 


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