オミズの花道
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『クラブにスカウト!初出勤レポート』
2002年11月01日(金)


案の定クラブにスカウトされたので転職、初出勤だ。
早いな、おい。

今度はミナミでもそこそこ名の在るお店で、将来を考えるときっと役に立つだろうと思う。その代わり随分と高くなった。お客様は付いて来てくれるかな。(不安)
変な話だが「ここにいました」って言える店でないと、動いても意味が無いからな。ピカピカで嬉しい店内。前に比べるとアップ。


そして今日は例の真っ白の着物が仕立てあがって来たので早速着用。
帯は黒地に金とエンジ色の模様の入ったもの。
帯締めは金、襟はエンジ、帯揚げは白、まあ極妻なこと(笑)。

この着物は前出の地元ぱぱ(某有名人)が買ってくれた。
私の事が昔から可愛くて仕方のない奇特な御仁。
着物を着てみようかと思う、と何気なく口にしたらポンと投資してくれた。

「嫌ぁ〜!!私の体が目当てなのねっ!」と言ったら、
「着物着たらどんなんやろと思うて。拝観料やな。」ですと。
まあ何と粋(無駄)な遊びをしなさるのざんしょ。

そういう訳なので着付けて使用はしたものの、目立たない部分に仕付け糸を残している。
買ってくれた人に、仕付けを切ってもらうのが昔からのしきたりだから。
ありがと、ぱぱ。愛してるわん♪



さて、初出勤は3名様の動員。

3人のうちのお一人、実は某映画館のオーナー。
私にはそうは思えなかったのだが、一緒に来られた他のお二人が言うにはこの人、とっても難しい人だったらしい。
ミナミであろうが北新地であろうが、どんな有名店であろうがランクの高い店であろうが、どんな女の子もキャッチ出来なかったのだとか。

「飲みに誘ってもつまらなさそうにしているから誘いにくくてねぇ。
 それなのに今日はコイツから『なおちゃんの所に行こう』って
 誘いがあってさ。いやもうビックリしたよ。」

そう聞いてビックリしたのは私の方だ。
映画が大好きな私は意外とマニアックなイタリア映画やスペイン映画も見てて、その話で盛り上がって楽しく接客出来たというのはあったが、何だか自分ばかりが熱く語ってしまい、反省しないと・・・くらいに思っていたのだ。

その旨を映画館オーナーMさんに告げると、彼はこう言った。
「うん。なおさん『ライフ・イズ・ビューティフル』に凄いコメント出してたから。」
きょとんとする私になおも続ける。
「あれね、映画会社のキャッチコピーは『人生は宝物』だったんだけど、
 あなたはあの映画を『世界一美しい嘘のつきかただ』と言ったでしょう。
 何だかそれがツボに入っちゃってね。』

ああ、そうだった。
あれは私の映画鑑賞人生においてベスト3に入る名作だ。
おんおん泣いたのを覚えている。


「ちょっと鳥肌が立っちゃってね。この人はどういう人なんだろうって興味が湧いて。」


接客の基本は、こういう所なんだろうなとしみじみ思う。
話す相手との共通項を沢山持つことが、自分という人間に興味を持たせる手段なのだ。

つまり自分が日々何事にも興味を持ってチャレンジすること、
枠を広げていくこと、知識を有効に活用すること。


綺麗なホステス、出来るホステス、賢いホステス、がお客様は好きなのではない。
素直に吸収できる、一生懸命な『人間』が好きなのだ。


馬鹿でもいい、懸命に日々を輝いて生きてるならば。
ミスをしてもいい、素直に頭を下げれる人間ならば。
綺麗でなくてもいい、心からの笑顔で迎えられれば。


そんな風に日々を生きていれば、こんな細かい事で、一本の映画で、
人を惹きつける事が出来るのだから。

特別な『ホステス』になる必要などない。
ただ面白い人間になれば、人は惹き付けられるものなのだ。


「今度試写会があるから一緒に行こうね。
 プレミアショーの時はお洒落しておいでよ。」
「な、生トム(トム・クルーズ)見たかったです。
 前回はご一緒出来なくって申し訳ありません。
 でも、一緒に映画を見れる男の人って中々居ないから嬉しいです。」
「そう?そうかな?映画はいいもんなのにねえ。」
「ですよね〜。でも男性ってしっとりと浸って見るって苦手なようですよ。
 お客様なんて特に(老眼が多いからか?)字幕を嫌がる方が多くて。」
アフターの銀座寿司での会話である。


帰りは着物に気を使って戴いて、タクシー代まで出して戴いた。
すいませんね、オーナー。いたれりつくせりで私は幸せもんです。


さて、今度時間を作ってオーナーお勧めの「トリプル・X」を見に行こう。
興行収入は余り良くないらしいが面白いらしい。これもお勉強、な〜んて思わない。本当に好きで行くのだ。


わ〜い。楽しみ♥
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