オミズの花道
old day
days list
new day
『狂暴なおせち・接客の話題に使えるお雑煮の妙』
2002年12月30日(月)
重箱マニアの私は当然おせちを作る。
だがしかし。
毎年毎年田作りだの栗きんとんだのは、つまらないので変わりおせちになる。
だってせっかく一年に一度の料理なのに。
毎年毎年同じでは面白く無いではないか。
その傾向は年々派手になって行くのだが、去年は特に好評であった。
鯛の塩焼きの尻尾を塩茹での蟹がハサミで掴んで持ち上げている
という、
立体的な構造にしたのであった。
その周りには定番の物から只の酒のつまみまでてんこ盛り。
蟹のお尻から鯛の頭までの高さは約40センチ。
これはもう、もはやオブジェであろう。
伝統などクソ喰らえ。
情緒など何処吹く風。
しかし、一年の始まりがこんなに狂暴なおせちでいいのだろうか。不吉ではないか。
まあいい。面白い一年なら少々狂暴でも良しとする。
・・・・と思った今年の元日であったが、やはり今年はそこそこ激動であった。
うう〜ん、恐るべし。おせち。やはり一年の計は元旦にあり。
かといってこの面白さは止められず、今年もオブジェな計画を練っている私だ。
今年は
チキンの丸焼きが小鯛を何匹も踏み敷いている
なんてのはどうだろう?
・・・・ただ単に鯛苛めのような気がして来た。
ここまで来ると箱庭療法に通じるものがあるな。
何か病理があるんだろうか私。おせちによって癒されるのか?
おおお、メンタルおせち。いいかも(嘘)。
ところでもう一つお正月の定番と言えば『お雑煮』である。
うちは母が九州なので焼いたブリを入れたすましの雑煮なのだが、
その昔関東のお客様にひどく驚かれてから、これを接客時の期間限定話題にしている。
お客様の出身地によって微妙に違うお雑煮の具。
小さい頃の思い出や、御尊父御母堂のお雑煮のやり取り、(←結構モメるらしい。)
奥様がいかに自分の味に合わせる努力をしたか、など話題は尽きない。
口下手なお客様もこの話題なら、と喋りかけてくれるし、
聞いているこちらも楽しくなる事が多い。
お雑煮に限らず食べ物の話はどれもそうなのだが、接客には非常に便利だ。
水商売には幾つかの鉄則があるが、『話題に困ったら食べ物の話をしろ』というのは、
その中でも定番中の定番である。
人の噂話のように罪は無く、
エロ話口説き話より美しい。
そうそう。
うちの親父の方のお雑煮は、母と同じくすまし仕立てである。
それに焼いたブリが入っていようが、イクラが乗っかっていようが、
小芋が海老芋だろうが、無神経な彼は一向に気にしない。
だが毎年うちの親は、元旦の朝に同じ喧嘩をしているらしい。
元旦の朝、雑煮を見た親父の第一声は、
『何やこれ!
餡子餅
と違うやないか!』である。
それに対して母はこういう。
『元旦から雑煮に餡子餅入れるなんて気持ちの悪い事出来るかいな!明日や明日!』
何十年も同じ喧嘩を続けている彼等はある意味敬意に値する。
美しくは無いが。
old day
days list
new day
mail
home
photodiary
Design by shie*DeliEro
Photo by*
Cinnamon
88652+