オミズの花道
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『お客様と寝てはならない』
2003年05月04日(日)


さてホステスと言うと、一般の方から見てすぐ客とイタしちゃうと思われがちだが、
実際の所はそうでもありません。

だって病気が怖いじゃないですか。顔に書いてある訳じゃ無いんだもの!!
・・・・ぢゃじゃなくて。
最近良く『ナンバーワンにはどうしたらなれますか?』と聞かれますが、
所詮は三日天下という感の否めない私ですので、余り参考にはならないかと思います。
単独首位じゃ無いってのもアカンと思いますしね。

確かにここのところ暇な割にはノルマもこなしているし、入店して初期の頃から上位には居ますが、持っている客層の業界が5月は恐ろしく忙しく、今月はどうなるか解りません。
鯨ちゃまもいきなり外国に行っちゃったしね。行ったら中々帰って来ないのよ、あのヒト。

ヤバイなあと思う今日この頃です。



そんな拙い私に少しでも秘訣として言える事があるとしたら、ただひとつだけ。

『お客様とは寝ない。』

この一言に尽きます。



寝ちゃうと逆にナンバーワンにはなれないと思って下さい。
勿論これは、そこそこ良い店に勤めて初めて成り立つものだとも思います。
そしてこれって暴言のようですが、ちゃんと根拠はあるんですね。

この仕事にまだ慣れてないとか、お酒に弱いとか(連れ込まれ易いって意味で)、数字マジックにハマってしまった人とか、余程に良いパトロンを見つけた人とか、口説かれるのが好きとか、そういう方なら身体を張ることも在り得るかと思います。
でも個人的に思うのは、数字のために身体なんか張るくらいだったら、いっそのこと風俗に働きに行った方が割が良いかと思います。
だっていかな不景気とはいえ、ホステスの日給よかずっと良いんじゃないですか?

良く見かけますが、あの女には負けたくない、みたいなものがあるんでしょうね。
そんなマジックにハマるのも店側の謀略にはめられているんです。
だからと言って寝ちゃうなんて安易な方法で勝ったって面白くないし、達成感なんか無いんじゃないかと思うのですが、如何なものでしょう?


大体、そういう事をして周囲にバレ無い訳が無い。
さあ問題はここなんですね。


男という生き物は女よりずっと嫉妬深く心が狭いもんです。
てめぇは浮気し放題なのに、女の浮気は絶対許さないと言う人が殆ど。
この辺りもオスなんだな。(勿論そうじゃない人もいるけれど)

だからお目当ての女の子が誰と怪しいかとか、自分の彼女が浮気してないかどうかが、気になって仕方がなかったりします。
女絡みじゃ無くてもお客様ってお互いが「どんな奴であるか」見ながら飲んでいる所があるしね。

誰それとあの子が怪しいだの何だの、あの黒服とデキてるんじゃないかとか何だの、そういった事を探りたがる。好きだねぇ、みんな。
んで、意外と男の勘って侮れなくって、当たってる事もしばしばなんです(笑)。


そして裏切ったと思ったら、途端にえげつない復讐をしてくるのも、どちらかと言うと男が多い。
そういうのを目の当たりにしていると、男社会でもこういうのは多いんだろうなと、男でなくて良かったとしみじみ思ってしまいますね〜。

女は感情的に復讐をするが、男は実質的な仕返しをしてくるから被害も大きい。
いや〜ホント男って大変っすよ。

また彼等はどうしようもなく自慢したがりなので、ついつい自慢しちゃう。
店内でなくとも、どこかの店で『いや〜あの店のあの子とやっちゃってさあ。』、なんて暴露されちゃったりすると、当然皆に知られてしまって自分の首も絞まる。
そういう噂ってどこで発生したか解らないくらいに伝わるのが早いのだ。
で、お客様って結構行く店がダブっているから、お客様の耳にも当然入るんだよね。

口も堅く嫉妬もせず、アッサリ身を引いてくれる男が居たら私だって考えちゃうが、そんなの砂浜で一粒の胡麻を探すようなものである。
今も昔もそういう粋な男は中々居ない。
居たらいいのになとは思うけれど、どんなに遊び慣れた男であっても、自分の物になったと思った瞬間から嫉妬深くなる。


そういうのをいちいち相手にしてるとキリがないので、そんな男性の心理を逆手に取り、絶対落ちない女になり、サクサクと色を抜いた方が得と言うもの。
確率は悪いが、この売り方をしたほうが最終的には息も長いのだったりする。

割り切って瞬発的に稼ぐなら、特攻隊でも良かろうね。
一ヶ月二ヶ月なら食い繋げるのではないだろうか。


さて、ここまでだけでもリスクの大きいことは解って戴けたのではないかと思うが、これよりもっともっと怖いものは 『女の敵は女』 という言葉通り、本当の爆弾は中で共に働く女性達なのである。

何のかんの言ったとて、お客様はまだ楽と言えば楽だ。
お客様の気が変わってミナミに来なくなったり、クラブ→ラウンジへフィールドを変えれば、いつかはほとぼりも冷めようかとは思う。が、女性達はそうはいかない。
誰かと誰かが必ず繋がっていて、どこにフィールドを変えようが必ず付き纏う。
つまり下手を打つと、いつまでもいつまでも、それこそ引退するまで言われちゃうのだ。

ことに 「誰かを蹴落として客をゲット」 するなんて、一番手間もかからないし、自分も大した努力をしなくて良いからうってつけだ。

この辺りの鬩ぎ合いと来たらまさに見事としか言いようが無い。
生業になると誰しも生活がかかっているので、裏に回れば足の引っ張り合いが多いし、そういうネタはフルに活用!・・・・とでも言わんばかりに武器にする。

あの人があの子の男なのよ、そう吹き込まれて打撃にならないホステスは居ない。
しかも中が中を引っ張るのだ。真実味も増そうというもの。

またカタギさんと違って凄く演技に長けているから、始末に負えなかったりする。
日頃お客様相手に演技の連続だから、自然に磨かれるのだろうか。
凄いのは、身内を売った自分の尻尾を、お客様には決して掴ませない所だ。
貴方が可哀想になっちゃう、とか言っちゃうんだよな。

私は何よりもこの辺りが一番怖いのである。
いや、女って怖いよ〜ホントに。

でも、こういう事したりする女性「も」結局は上位に行けないのが事実なんだけどね。
だって人の足を引っ張ったり、悪口満開の奴って信用が出来ないのは誰しも同じで。
やっぱ真っ当が一番強いんですよ。


お客様とは寝ないこと、と言うのは最初の段階で教えられる事ですが、上位に行こうとすればするほど、こんな風に最初の基礎が求められます。
それを守り、付随して色々な調整をしていけば、かなり上には昇れるでしょう。


勿論、そんな事も何もかも投げ捨てても構わないというくらい、イイオトコが出て来たら、何でもいたしちゃって下さって良いんじゃないかと思いますが。





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文章粗いです。
・・・・いつもの事かぁ。
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