海が見たいと言っても 聞こえないフリをしてた 可愛いとか 好きだよとか お世辞にも言わない人だった 二人で海を見た時 はしゃぐ私を怪訝な顔で見てたよね どんどん先に歩いて いつも追いつけなかった 途中で座り込んだら 面倒くさそうに待ってくれた 私のどこが好き? そうたずねたら 優しいから と だから優しくなるのに必死で 優しくない私には 苦しくて 心を殺して自分を殺して 誰かに 必要とされたかったから ずっと あの海で 屈託ない自分を 私は