あふりかくじらノート
あふりかくじら



 出張くじら講師サービス京都編。

人数120人程度。経済学部の専門講座の異色なやつ。

自らの学生時代を思い返してみれば、いわゆるパンキョーという
授業にはまったく単位のためだけ出席のためだけに顔を出していた。
その授業は言ってしまえばそんな「空気」が流れていた。
我が母校の国際学部のアフリカ地域研究の授業で講演したときとは
えらい違いである。

はっきりいって疲れる。
ぼけても反応なし。
私語をする者は少なかったものの、テンションの低さといったら!

わたしは講演をする際ノートなどをほとんど見ることがない。
かわりに学生の顔をじ〜っとみている。
なんだかこっちの顔を見ているやつ。
まじめに配布物を繰るやつ。
寝ているやつ。よく見えるんだ、教壇ってやつは。

顔だけをみると、やる気がない。魂の抜けた顔。
そういうの、疲れる。

でも、わかっている。
そりゃあ、心の底からつまらんと思っているものもいるだろうが、
ほんとうはわたしの言葉は一人相撲ではないこと。
数年前のわたしみたいに、無表情で座っていてもきちんと感動し
きちんと考えていること。

だからわたしは、こんな講演を嫌いではない。
あんたたちの秘密、ほんとはちょっとわかっちゃってる。
だからわたしは、にやにやする。

でもほんとは少しだけ、くじらは淋しがりやだけどね。

2002年01月09日(水)
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