めろめろ日記...花智ふう

 

 

それは猛毒だ - 2009年04月06日(月)

池田晶子氏の本を購入。

すでにお亡くなりになっているのですが、本の帯にぶっ飛んだ。

「死んでからでも本は出る」

いや、まあ、確かに。

この方の本は、精神的にすごくダルくなっていた時期に、ジャケ買い(?)して、一気に読んでしまった。
で、その1ヶ月後ぐらいに仕事を辞めてしまった。

で、それから半年ほどたって、「被告」になってしまった時も、この人の本を読んでてよかったなあ〜とつくづく思った。

書店員の友人にこの人について尋ねたら、「結構酷評されてる。何が言いたいのかわからないんだって」と言われた。

なるほど。確かに。
でも、それはこの人の本から、直接的な答えを読み取ろうとしたからであって、それは人の本の読み方としては、違うと思う。

著作の目次をパラパラ見ると、確かに勘違いしてしまうんですけどね。
「どうして人を殺してはいけないのか?」とか。
「援助交際してはいけないのか?」とか。
答えが書いてあるような気がするじゃないですか。
でも、それはない。

あるのは、ひたすら言葉に対する考察だけ。
延々と思考の流れが書いてあるだけ。

前者の問いに対しては「NO」と書いてあるらしいけれど、その理由はあまり明確には読み取れません。
私なんぞは未だに答えられない。

けれど、彼女の思考の流れを追体験することによって、頭の中がすっきりしてくる。何気ない言葉の奥の奥を読み取ろうとする。
文字を書く人間にとっては、言葉に正直であろうとすることはとても大切なことだと感じる。
でも、これは本人も書いていますが、猛毒です。
世界を構成するものが無機物であれ、有機物であれ、人間の思考が言葉によって成立していくのなら、人間にとっての世界は言葉なんだと。
その言葉をつまり思考を、世界を突き詰めていくと、何と言うのだろうか。諦めのような、感情がさらさら流れていくような、そういう感覚にとらわれます。
だから、彼女の本は人には勧められない本です。
この人の本を必要じゃない人は結構たくさんいると思うので。

そして、この人の本を楽しむ私は、ときどき、ぽろっと社会からはみ出してしまうのです。

・・・なんてことを書きながら、私の頭ん中では、さっきから「ニコニ●動●流星群」の曲がだかだか流れてて、うっとおしい。






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