ポチの告白,藤の家,ゆうばり国際ファンタスティック映画祭閉会式,SAYONARAパーティー,グレース


 11:30から夕張商工会議所にて、私の今年のゆうばり映画祭の最大の目的、楽しみ、ミッションである『ポチの告白』ワールド・プレミア。

やはり今年の夕張は暖かい。雪ではなく雨が降っている。
高橋玄さんチームの人たちは胸に「高橋組」背中に「ポチの告白」のロゴ入りスタッフジャンパー「刑事(デカ)ジャン」着用。

外国人のグループが3列目ぐらいに席を取っていた。
会場は会議室、椅子も会議用パイプ椅子で段差がないので、後ろに座ると字幕が見えない。 
「最前列が空いているから、字幕が見えるように前に座ったほうがいいですよ」と教えてあげる。
椅子はギッチリ並んで100席ぐらいだろうか。満席。

「3時間15分ありますから、皆さんトイレは大丈夫ですか」と玄さんが挨拶をして上映開始。
私は2回目だが、初めて見た時より良いと思った。なんでだろう?
長いという感じも全くせずに、引き込まれて見た。

しかし、トイレに行きたくなって、スタッフロールでトイレに駆け込む。
川本淳市さんが出口でお客さんと話していて行く手を遮られ、私は酷い形相をしていたかもしれない。
舩木壱輝さんが「(トイレの)電気点けときました!」
ひ、恥ずかしい。

上映後のティーチインでは菅田俊さんの表彰話や、観客の感想、質問など。
警察犯罪エピソードはどれも実際あった話で、裁判官も実在する名前、という玄さんの言葉に驚いた人が多かったようだ。
優しくて気のいいお巡りさんとか、社会正義に燃える刑事など1人も登場しない内容は衝撃的だったらしく、信じたくないというような発言をした人もいた。

お客さんたちが帰って、控室の前で待っていたら舩木さんが「寒いから、どうぞ」と控室に入れてくれて、菅田さんは濡れたソファを拭いてくれて「どうぞ」。恐縮する。

 みんなで『藤の家』。
私は玄さん、菅田さんら先発隊と一緒の車で店に入れたが、混んでいたため後から来た人たちは入れず。申し訳ない。

今日はカレーそばにしてみた。菅田さんが全員にご馳走して下さる。
ありがとうございます!

 車でホテルに戻る。
16時半からクロージング作品『プロデューサーズ』を見ようかと思っていたのだが玄さんチームの人たちは誰も行かないみたいだった。
『MARIBAR BBS』にゆうばり映画祭レポートを投稿作業。
夜の飛行機で帰京する菅田さんの見送りに間に合わず、ご挨拶できず。

 19時からの映画祭の授賞式・閉会式に行く行かないで、なんとなく不味い雰囲気を感じる。
行かない方がいいとか、行くならどうやってとか、よくわからないけど二転三転する。
結局バスで行くことになったのだが、集合したロビーで「前回と全然違うでしょ。玄さんがいなかったらあり得ないでしょう」とある人に言われる。
「ハイ、本当に。破格の待遇で」と答えながら、そういうことを言われるのは、そういう状況をわかってないと思われているからだよな、と思う。

なんか怒られてる?なんで?映画人じゃないのに仲間ぶってるから?
私なりに(というのが問題で映画界の掟とずれているのかもしれない)遠慮はしていたつもりだけどそうは見えず「何をこいつは勘違いしとるかね」状態なのか?
一般客なのに控室に入ったから?ご飯でメインテーブルにいたから?
いつも先発隊で車に乗ってるから?わからん。
ああ、こんなことをグジャグジャ考えるより1人で『プロデューサーズ』を見に行けばよかった。

 授賞式・閉会式会場のゆうばり文化スポーツセンターに着いた時は、最後にゲスト全員がステージに上がって客席にサインボールを投げるところだった。

終了後、玄さんと中田圭さんについて行ったら「ここはゲストの控室だから出た方がいいよ」と言われる。
私もゲストパスはもらっているが、やっぱりそういうことね。

ロビーで、情報誌『Variety』のオーストラリア人記者Rさんとお話。
Rさんはいろいろな会場で見かけたけれど、初めて話しかけられた。
受賞結果はヤングファンタスティック・グランプリが『血の涙』、審査員特別賞が『三差路ムスタング少年の最後』で、私の一押し『シチズン・ドッグ』も何か賞をもらったと教えてくれた。
感想を述べ合う。
Rさんは『ポチの告白』を見ないで同じ時間にやっていた『子ぎつねヘレン』を見たそうで、残念。

「閉会式のスピーチで映画評論家の塩田(時敏)さんは泣いていた。なんで?」
と聞かれる。
「前のプロデューサーの小松沢さんがいつも泣いていたから、後を引き継いで泣いたのでは」と適当なことを言った後で
「あ、違う。多分映画祭の強力サポーターだったパブのマスターが亡くなったからだと思う」と訂正。

他いろいろな話。
Rさんはゆうばり映画祭は初めてだそうだが、東京国際映画祭や世界各地の映画祭に行って記事を書くのが仕事だそうで、いいなあ。楽しそう。
「君は何をやっているの?女優?」と聞かれて困る。

 会場を出る最終バスで戻る時も、ホテルマウントレースイの停留所で「降りないの?」と指差される。降りろってことか?
「皆さんは?」と聞くと「シューパロに行く」。
「私も行ってもいいですか?」と聞くと「いいんじゃない、(ホテルは)出入り自由なところだし」
「パーティーに行くんですか?」「そう」
私は行くべきではないのか?考え過ぎか?わからないけど、ついて行く。

とりあえず開場まで離れたところにいてみた。

 夕張青年会議所主催の『SAYONARAパーティー』が始まってすぐ、「玄さんのお陰でしょ」と私に言った人もいる前で、玄さんにお礼を言う。
これはいやらしいアピールかもしれないが、私の本心でもある。
私が夕張にいること、夕張であったこと、得たもの、何もかも玄さんと玄さんの映画が機会とパワーを与えてくれた。
本当に感謝している。いっつも。
常に尊敬している。伝わってなくちゃ意味がないのかもしれないけど。

『Variety』のRさんと再会、日本語で「久し振り」と言われる。

ファンタスティック・オフシアター・コンペティションの審査員内田春菊さんとお話。
バンドについて。開会式もそうだったが、セクシーで素敵な衣装について。

映画祭の夕張事務局幹部でもあり市の職員でもある方とお話。
パンフレットについて、各種イベントについて、札幌市との連携についてなど。
誠実にお話してくれ、素敵な方だった。いいなあ、夕張。

お料理も美味しかったし、抽選会も盛り上がって、チケットも売切れ大盛況で昨年の極寒ストーブパーティーより、かなり良いパーティーだったのでは。
ビバ、夕張青年会議所!

 終了後、Rさんにみんなと飲まない?と誘われるが、私は玄さんたちと『グレース』。
マスターは24日に倒れて亡くなったそうだが、映画祭期間中は葬儀は行わず通常通り営業を続けているとのこと。
私はマスターと直接話をしたことはないと思うが、23日夜Fさんに「行くなら送りますよ」と言われたのに、と残念。

みんなで映画と映画祭の話などしていたら、酔っ払ってカラオケをガーガーやってた人がテーブルとソファの上を土足で走りこんで来た。
Kさんが「てめえ!」と叫んで立ち上がり酔っ払いを引きずり降ろす。
Nさんが謝る様に言うが酔っ払いの男は「嫌だった?嫌だった?」
嫌じゃないわけねえだろ。
玄さんは一瞬「おお」と言っただけで若者と映画の話を続けている。

私と同室のKさんが「謝れ!」と大きな声で叫んだので驚く。
大声など聞いたことがない、いつも涼しい笑顔のKさんだが、考えてみれば舞台出身の女優なのだから、こんな啖呵など慣れたものなのだろう。
カッコ良かった。

外でやれ、と言われて表へ出る酔っ払い男と叱る人たち。
寒いのに、大丈夫だろうか。
暫くして、酔いも醒めたようで男が謝りに来る。
私は勘違いして調子に乗るとこうなるのだな、と自らに置き換え震え上がる。
嘘だけど。

 玄さんが帰る車で一緒にホテルまでMさんに送ってもらう。
そんなこんなの夕張最後の夜だった。

 昨日康夫ちゃんと夕張で再会したのも面白かったが、24日のディープコアナイトでゴスロリ、チャイナドレスなどのコスプレで司会をしていた女性が玄さんと話していて、『月蝕歌劇団』の女優さんと知った。
「あれ?もしかして(略)の会社で働いてます?」と聞いてみた。
「働いてます」
「おお、私もです!」
噂で聞いていたけど顔を見たことがなかった会社の人に、夕張で会うとは驚き。

彼女とは初対面なのだが、『噂の真相』愛読者で宮台真司ファンの私としてはその存在は昔から一方的に知っていて、初めて会ったような気がしない。
彼女が女優で、会社にいると聞いた時(1月)も「へえ」と思った。

更に最近(3月)、彼女が北村龍平監督の『VERSUS』のヒロイン役を演じたと知り、今日(3月28日)この日記を書くにあたり彼女の現在の名前を知った。へえぇ。

ホント夕張ではいろんな出会いがある。
2006年02月26日(日)

抱茎亭日乗 / エムサク

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