えびたま

2002年07月20日(土) ベルンハルト・シュリンク「朗読者」を読む

普段、翻訳ものってなかなか手が出ないんです。
これは作者その人の文体じゃなく翻訳者の文体なんだーと、
頭を切り替えて読もうとするからでしょうか。
そのせいか
翻訳ものを読むときって、
いつもより時間がかかったりするんですよね。

「朗読者」も、ちょっとかかりました。
でも、よかったー
15歳の主人公がかなり年上の女の人と
関係をもってしまうところから始まり
それがすごくはかなくて危うい幸せな日々として描かれていて
その後の展開が意外なだけに
どうしてもハッピーエンドになってほしいと
祈ってしまうお話でした。
ドイツ文学って意識があったからかしら。
すごくストイックな気がしました。
前半の甘美であろう日々の描写が、淡々としてて。
でも、年上の女性・ハンナの存在は生命力が溢れてたなあ。
歴史や、それに関わった世代への断罪だとか
複雑なものが絡んでくるんですが
それらすべての要素が緻密に関わり合い、
無駄なもののないお話だと思いました。
そこもストイックに感じられます。

これも吉野朔実さんが紹介してて、気になった本だったんですが
「こういう本が売れると安心します」と書いてました。
なるほど。
これをベストセラーにする世界なら
まだ捨てたもんじゃないかも。

>そして今日も飲みのわたくし

未来樹代表こっぺさんちで。
幸せな一時でした。
あすこのおうちの食べものはみんなおいしくて
お話もいつもたのしい。
何より、酔っぱらったこっぺさんが
一番楽しみだったりします。
黒く、キュートに酔っぱらう。
いつものこっぺさんじゃなーい。
またお邪魔させて下さい。


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