ふと、ショーウインドウの前で足が止まった。 まるで引き寄せられるみたいだった。 飾られていたのはペアのシルバーペンダント。
かつてペアでつけていたペンダント。 今でも彼は持ってるだろうか。
夜の電話は頼まれていたノートの催促。 荒げる声の裏側は、怒りではなくきっと焦り。
その言い分に私は思わず腹を立てた。 けれど、つき返すことなどできなかった。 彼の気持ちは痛いほどによくわかる。
信用できないわけじゃなくて 心配でたまらなくなってしまう。 その人を責めたいわけじゃなくて 誰かのせいにしたくなる。
私だって同じ思いを抱えたことがあるというのに。
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