不思議な匂い。薄れていく罪悪感。どんどんと新しい世界がひらけていく。普通に生活していたらきっと出会うことのなかった人たち。私の知らない大きな世界。それに次々と引き合わせてくれる友達。彼のアパートはとても素敵な建物で自分がいる場所に錯覚をおぼえそうになる。適度に散らかった部屋。当たり前のように存在するセンスのいい家具。香水やタバコの匂い。この人と同じ場所で生活している友達。私とは住む世界のちがう人たち。意気地なしの私には憧れることしかできない生活。