振り向いてほしかった。私を見つめてほしかった。ただ、それだけ。まだ暗い早朝の街。つめたい空気。電話番号を聞いてくれたことは、たとえ「ついで」でもうれしかった。でも、きっと。あなたは私に電話をかけてはくれないね。並んで眠った電車のなかで私は夢をみていた気がする。どんな夢かは憶えてないけど。あなたの声で目覚めた、さよならの時間。また、会えるかな。