LOVE ME

2003年03月12日(水)  甘い声


みんなの輪からそっと離れる。

「これからどうする?」
「うん、ちょっとだけ」

冷たい風がふく夜のオフィス街。
「なかなか時間とれなくて、ごめんね」
タクシーをつかまえる、彼。

窓を流れていく景色は
なんだかちょっと悲しげで
わたしは思わず黙り込む。

まっすぐすぎる視線に顔を上げられない。
今は、わたしだけのもの。
お願いだから、ほかの人の話はしないで。

家に帰ったわたしの髪には
ほんのり残る煙草の匂い。


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