ひさびさの電話。当たり障りのない話から、一気に急転。感情に追いついていかない言葉。言葉では支えきれない想いが涙になってあふれ出す。何年も抱え続けたまま、ずっと言えずにいた不安。こんな涙を流したのはどれくらいぶりだろう。「俺とつきあうか?」「嫁に来るか?」うそつき。そんなふうに思ってなんかいないくせに。彼との結婚を考えなかったといったら嘘になる。けれど、現実に考えられるかというと自信はない。わたしのこの想いは何なのだろう。わたしの気持ちを揺さぶってばかりで、彼はずるい。