昨日・今日・明日
壱カ月昨日明日


2005年03月16日(水) 旅は道連れ

 テアトルのレイトショウで「フェスティバル・エクスプレス」を観た。Tが昨夜観て帰ってきて、グレイトフルデッドがカッコよかった、と言って、夜中だというのに「New Speedway Boogie」を声高らかに歌っているのを横目で見て、何かうらやましかったので観に行くことにした。
 1970年に行われたロックフェスのドキュメンタリー。「カナダ版ウッドストック」と呼ばれているらしい。
 貸切列車の中で行われる数々のセッションの様子がいい。思い思いに唄ったり、ギターを弾いたり、飲んだり食べたり、ボウと車窓をながめたり、ジェリー・ガルシアがジャニス・ジョプリンに急に「愛してるよ」と告白してみたり、実際のライブシーンよりも車内風景を見ることの方が楽しい。
 映画全体としてのつくりは、ライブ映像を淡々と流しつづけてみたり、関係者の証言を画面分割でみせてみたり、少々退屈でありふれていて、70年代の音楽周辺が好きでない人にはちょっとつらいかも。わたしもフライング・ブリトー・ブラザーズと、ジャニスのライブシーンでちとウトウトしてしまった。ジャニスはオーラがあるし、魂が入ってて圧倒されるし確かにすごいと思うんだけれども、なんて言うか、どこか親密な気持ちになれないところがある。何故かはわからん、趣味の問題か。それからデラニー&ボニーのライブがカットされてたのが残念。列車の中にはいたのにな。
 でも総体的には満足した。ジェリー・ガルシアは森の熊さんみたいでカワイく、やっぱり「イイ奴」だったし、ザ・バンドも良かったし、右ナナメ前方に引きつられるように熱唱するバディ・ガイにも惚れた。Tに頼まれていたパンフを買う。

 レイトショウまでに行ったこと。
 三番街でうどんを食べた。大きいちくわ天ののったうどん。一緒についてくる半熟卵をうどんにつけて食べる。ダシが少々薄めだが、まずまず旨し。
 旭屋で「草思」の4月号をもらった。特集は「八〇年代の意味」。それから未知谷から出た小沼丹の新刊をみつけてビックリした。4200円という値段にもビックリ。紹介文を読むと、『青春ユウモア小説』だそうで、今日のところはとりあえず見送り。わたし、『青春ユウモア小説』って苦手なの。なんか馬鹿馬鹿しいから。でも古本屋さんで見かけたら買うかも。
 ドトールで「海辺のカフカ」の上巻をほぼ読了した。物語の行く末にはあまり興味がないのだが、やっぱり村上春樹は細部が巧いわ。食べ物と読み物と音楽、持ち物と服装のそれぞれの選択、タバコの吸い方、コーヒの淹れ方と飲み方、体の洗い方、車の走り方、運動の仕方、話しかたと聞きかた…。そのあちこちに現れる規則正しさと清潔さが、悔しいけれども好きだ。すごく好き、と言ってもいいかもしれん。悔しいけどね。

・購入物:「Festival Express」パンフレット

・朝食:キノコのクリームシチュウ(昨夜の残り)、トースト、ヨーグルト、珈琲
 昼食:コロッケサンド、はっさく、ヨーグルトドリンク
 夕食:三番街で。ちくわ天玉ぶっかけうどん


フクダ |MAIL

My追加