2005年12月25日(日) |
かすみゆく日々:HDD換装 |
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ノートPC(Let's Note CF-T2)が不調。 HDDから異音。カーネルにエラーが発生し、ブルースクリーンが連続して現れる。 このシリーズを使い続けているが、HDDの耐久性がやや弱いのは共通している気がする。持ち運びが多いために壊れやすいのは仕方がないことかもしれない。
このシリーズの最新機種のスペックをチェックするが、わずかなグレードアップしかないようだ。反対に、重量の点ではT2より重くなっているし、現在使っている交換用バッテリが使えない。
HDD換装を決意。
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新宿のビックカメラへ。 脇目もくれず、一直線にPCパーツ・自作コーナーへ向かう。 品定め。データシートでPinのアロケーションを確認済みのHDDの中から、5V駆動型の5400回転・流動軸受のHDDを探す。結局、バルクで約15,000円のHitachi Global Storage社製、HTS541080G9AT00を購入。バルクのHDDが陳列されているガラスケースに張り付いて品定めをする姿は、まさしくgeekである。
ほかに、HDDケースは必須。HD革命Copy Driveがあったので吟味。環境を完全に移行するためには、この種のソフトが必要だが、現在持っている同種のソフトは使い勝手が良くないので、探していた。比較の上、購入(結果として正解だったが、パーティションソフト同梱タイプを選ぶべきだったかも)。
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帰宅し、環境を整える。CF-T2のHDD換装に関する情報収集。ネット上には、ほとんどなし。当該HDDの換装の実績は見つからなかったものの、別のHDDの換装記録を頼りに手探りで術式開始することに。
深夜、作業開始。
幸運にも、データ移行が終了するまでは、HDDは生きていてくれた。新HDDへのデータ移行成功。しかし、隠しパーティションエリアがHPAで保護されているようだ。この部分は結局諦める。リカバリしなければならない場合が面倒であるが、救命が優先だ。
電源とバッテリを外し、裏面のネジというネジを外す。一番手前の一列のネジが硬くて開かない。たしかT1をバラシたときも同じ経験がある。ひょっとすると、特殊なネジ止めを施しているのかもしれない。HDDに近い、もっとも肝心な部分であるだけに、力を入れて何度も粘り強く試す。最後には、ネジ山が崩れてしまい、いくら精密ドライバを揮っても動かないという最悪の事態になってしまった。
仕方なく、別の方法を試す。奥から手前に向け、キーボードを取り外し、スピーカにつながるコードのジャックを丁寧外す。キーボードのフィルムコードの爪を外側から外し、傾けて優雅に引き出す。そこからは少々強引だが、筐体がたわむのを委細かまわず、割れない限度ぎりぎりまでこじ開け、HDDを引き出す。フィルムコードを外す。Matsushita製のHDDを覆っている黒いプラスティックシートを取り去り、クッションとなっている黒くて細長いウレタンをそっとつまみ上げる。ゆっくりとHDDをジャックから外す。筐体の一部がピシと音を立てて割れるが許容範囲内。
ここで、新しいHDDのピンのうち、3.3Vのロジックへの電源供給ピンである41pinと、そもそも穴が存在しない44pinを折る。さすがに失敗するとまずいので、HDDケースにて一応動作確認。5Vの駆動系への電源供給pinから、ロジックへの連動がなされているため、これで動作するはずだ。逆に、これを行っておかないと、3.3V駆動型2.5インチHDDを仕様としているCF-T2の場合には、いずれショートして電源落ちを招くことになる。Pinのアロケーション等についてはここでチェック。
旧HDDの代わりに新HDDを同様に包み、フィルムコードの先のジャックに装着する。元のとおりに安置する。ネジが外れなかったことから、強引な姿勢で何とか設置仕様と試みる。フィルムコードの装着口のプラスティック・ジャックが上手く外せず、苦闘することしばし。ようやくある程度まで装着できたと見て、そのまま元の状態へと戻す。キーボードを元のとおりにし、所定のネジ穴にネジを固定する。ネジ穴の位置は、よく記憶しておかなければならない。ここにはダミーのネジ穴が、まるできつね狩りの意地悪な罠のように散在しているのだ。
さて、外見だけは元通りになり、バッテリを装着。逸る気持ちを抑え、電源を入れる。画面は真っ暗なまま、Operating System cannot be found.の文字列が。
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そこで、再び丁寧にネジを外してバラし、HDDの在り処までたどり着く。この時点で、既に午後11時30分。世間では、そろそろトナカイの鈴の音が聞こえてもいい頃だ。HDDに繋がるプラスティック・ジャックの爪を丁寧に外し、斜めに立てる。フィルムコードをゆっくりと押し込み、ジャックを元の方向におし戻す。かちりと言って上手く装着できたことを確認して、HDDを再び所定の場所へ安置し、ぐらつきがないことを確認してから、ネジをキリキロキリキロと締める。
外見だけは再びもとどおり。焦りは禁物。安定した場所に置き、ACアダプタにつなぎ、電源を入れる。
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全く何事もなかったように、以前と変わらない壁紙が現れ、寸分たがわぬ位置にデスクトップ上のフォルダが現れる。成功である。
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反応が早くなったこと、40Gから80Gへの増設、データのスムーズな移行、流体軸受けの効果か静音化できたこと、これだけのメリットがありながら、〆て20,000円である。素晴らしい。さらに、余勢を駆って、Feature Toolを導入。Quiet Modeにする。この効果は特筆ものであった。HDDのカリカリ音がほとんど聞こえない。ここに、完全静音化ファンレス80G流体軸受装備実働6時間連続使用可モバイルノートが出来上がった。
動作に不安が全くないことを確認したのち、パーティションを切りなおす。フォーマットを待つ間、従姉妹がロンドン留学の際に買ってきたお茶を飲む。さても静かな、夕べかな。
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