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■ 新しいトラウマ
決戦の最中。
店の電話が鳴りっぱなし。
新人は電話を取ることも思いつかないようで
他の女は、客といい最中。
あたしも指名客についてたけど
客との会話に電話の音が邪魔で、
しかたなく電話に出た訳で。
本当はあたしは出たくなかった。
こういう店は、基本的に店の名前は言わない。
相手が誰か、確認出来てから丁寧に対応すればいい。
愛。『はい。』
相手。しばし、無言・・・。
更に無言・・・・・・。
『ツーツーツー・・』
朝の４時半にこれでもかというくらい
しつこく鳴らしてきて
はい、と言ってから、切るか？普通。
大体この店にかかってくる電話といえば
店長への援交の紹介の電話か（笑）
店長からの指示の電話。
この店に１年もいて
それしかあたしは取ったことがないけどね。
店長から以外は、週に１回ぐらいしか鳴らないし。
一昨日も同じ時間帯にあったらしいけど。
あたし宛ての電話とは限らないね。
あぁ、又考えすぎ。
けど、先週。店の女が
あたしに電話があったと伝えてきた。
時間は同じ早朝４時半。
「２０歳くらいの若くて可愛い声をした女。ちょっとハスキー。」
から電話で
愛は出勤しているか、と。
あたしは、この店以外で、「愛」という名前は使ってないし。
店の電話番号をわざわざ教える相手もいない。
客も携帯に電話してくる。
わざわざ店に電話してきて
客でもないのに、愛は出勤しているか、とはなんの確認か。
若くて可愛い声をした、
ちょっとハスキー女の正体もわかっている。
あいつが、都合よく使える女。
あたしを探るのはもうやめてくれ。
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本日の稼ぎ、８万円。
普通の金曜日とあんまり変わらんやん。
店長、こういう一見客で稼げそうな日は
あたしの指名客を断って、帰す勇気をもってくれ。
指名は又、いつでも来るから。
2004年12月18日(土)
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