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2003年12月03日(水) |
月冴...研ぎ澄まされたときに生まれるもの |
冬の空は 冬の真夜中の空は そして 冬の暁とも暁闇ともいえる刹那の時間の空は ひとの心ばかりでなく神経まで研ぎ澄ます.
なにかが集中していくように なにかが覚醒していくように 集まり,そして変わっていく.
それは鋭利な刃物でもつくるようなものなのだろうか.
殊更,満月の夜はそれが激しいのだろう. ひとを狂わすとはよくいったものだ.
破壊と創造の歴史はそんな背景にあるのだろう...
創造だけでは物事も歴史もつくられない. 破壊あっての創造だと思うからだ. ぼくもそんな表現者でありたいと思う.
水分を失って軽くなった葉も カサカサと音を立てて寄り集まって 別の力が加われば山をも焼き尽くす.
それでも山は生まれ変わり,芽を必ずや生み出す. そうやって幾度も幾度も山は壊れては創られてきた.
そんな光景を月はずっとみていたのだ. これからもずっと見続けていくのだろう. 飽きるくらいの時間の果てまで.
そして 気の遠くなるくらいの時流の中 ちっぽけなぼくの破壊と創造を月はみていてくれるのだろうか.
新しい芽は月が研ぎ澄まされたときに生まれる. その芽は土の中で,月光により光合成をして待っているのかもしれない.
満月まであと6日.
★ 月冴(つきさゆ) 冬の月が冷たく澄むこと.
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