information : 01/01 BMR gallery/photo/小艾/001 up!!
君の代わりに 今... ぼくの横にいるのはminolta SR-1という ぼくが生まれる以前に製造されたカメラだ.
(親父がこういうのを買う人だったとは...ちと,意外だった.)
ぼくの人生そのものを ずっと映しこんでいたといっても過言ではない存在.
だからなのか コイツはずっしりと重い.
ぼくの魂を吸い込んできたからなのか 今となっては古参のカメラだからなのか
そのどっちもなのだけれど...
ぼくが生まれてから ぼくの歴史そのものを写し取っていたわけだから.
そうそう...
コイツが 一緒に写真を撮ろうといっていたカメラ.
ぼくと君の歴史を綴っていこうって 話していたアイツだよ.
コイツの中の魂に もうひとつ映っていくはずだった
コイツの中の魂に もうひとり映っていくはずだった
君を想いだしながら シャッタ−を切ってみた.
昔ながらの 懐かしいその機械音は
カシャァッ
ぼくの子供のころの記憶を呼び覚まし
カシャァッ
そして コイツで撮った ぼくの子供のころの写真をみて ゲラゲラ笑っていた君の記憶が蘇ってきて
カシャァッ
カシャァッ
カシャァッ
カシャァッ
......
壊れたのか... ピントが合わない.
こんなときに... なんだよ...ッたく.
しかし,壊れたのは ぼくだった.
さっき角砂糖をもってきてくれた ちとばかり 君の話し方に似たウェイトレスさんが
ハンカチを そっと... 置いていってくれた.
....................つづく.
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