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ZS日記 「 海 」-8・・・・・tako - 2004年01月08日(木)

サンジの白い掌が、海の、小麦色に焼けた少年らしいそれを
慈しむように包んでいる。
この光景が現実の物と認識できず、俺の脳はフル回転しながら、
その実、停滞していた。

「とうさんの…会社の?」
海は、少し首を傾げながらも、その唇には微笑みを浮かべ、
「とうさんがいつもお世話になってます。」
ぺこり、とお辞儀をした。
一瞬の間の後、サンジが破顔したのと、俺の脳が動き出したのは同時だった。
「しっかりしてんなぁ。何年生?」
「4年生です!」
つるつる滑るカーテンのパッケージを3つ、落とさないように必死に抱え、
『です』に若干力のこもった返事をする。
サンジが手を差し出すと、素直にそれらを手渡した。

「もう決まったの?」
「う〜んと、まだ…。 どれにしようかなぁ…」






この後、ベッドカバーも選ばなければいけないし、
寂しくなった冷蔵庫の中身も補充しなければ。
その時、ショッピングモールの大きなからくり時計から音楽が流れ、人形が踊り出た。
午後1時。腹も減った。
「海、先にメシにすっか? サンジ、お前もう昼メシ喰った?」
「いや…まだだけど…」
案の定、躊躇いの色を含んだ返答。
それを払拭したのは、海の無邪気な一言だった。
「うん、おなか空いたよ。サンジ…さん?も一緒にご飯食べよう!ね、いいでしょ?」

こんないたいけな子どもの誘いを断れる奴じゃないのは分かってる。
曖昧な笑みを浮かべながらも、サンジは首を縦に振った。
「そうだな、俺も腹が減ってたんだ。海くんは何が好き?」
「『海』でいいよ!『くん』なんて誰も付けないし、それにくすぐったい。」
人懐っこい眼差しを真っ直ぐサンジに向けると、

「分かった。じゃ、俺も『サンジ』な?」



奇妙な協定が結ばれた。



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