囁き
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どうしても許せなかった奴がいる。今でも、そいつは許せていないと思う。
自分意外に、ここまで強い怒りの感情を持ったのは、久しぶりのことだった。・・・もしかしたら、自分の事もあるかもしれないけど・・・
女性に手を上げることは、絶対に許せない。例え、どんな理由があっても。そいつは、手を上げた。自分の彼女に対して・・・ もともとそいつは、心が強い奴じゃなかった。つけたばかりの根性焼きを、僕に見せたりしていた。一人が怖かったのかもしれない。そして、そいつの彼女が・・・同じ痛みを持っている奴だった。 その娘の事は、親友と呼べるだろう。驚くほど似た過去と、精神を持っていた。暫くして、相談を受けるような仲になっていた。それが、そいつには気に入らなかったらしい。嫉妬深くて・・・どうしようもなく嫉妬深くて、俺を憎んだ。 憎まれるのは、構わなかった。ただ、その娘には、連絡しない方がいいんじゃないかとは言った。けど、承諾しなかった。相談内容の約半分ほどは、そいつの相談だったから。他の奴らには出来ないと言った。そして、同じ精神を持ったゆえの相談もあり・・・ そいつも、なった。いや、演じた。本人は、もしかしたら演じている事も気がついていないと思うけど・・・演技だから、すぐに治った。 嫉妬深さゆえに、その娘の携帯の男の名を全て削除した。勿論、僕の名前もあった。けど、その娘は、女の子の名前をかぶせて、僕の番号を残した。ばれて、消して、登録して、ばれて、消して、登録して・・・ 勿論、僕以外の名前もあったろう。そして、そいつはその娘に手を上げた。帰ろうとしたその娘を、帰さない事もしばしばあった。別れることを勧めようとした。けれど、出来なかった。その感情の中に、嫉妬心が含まれていないとは言いきれなかったから。今でもわからないけど・・・ その娘も、酔って好きだって言った。信用はしていない。そして『自分がいないと、彼氏がどうなるか分からない』という理由で、別れなかった。
そして、手を上げられた彼女が、手を酷く骨折した。
夢があった。パティシエという。それは、二度と叶えられることがなくなった。憎んだ。女の子に手を上げたそいつを。友人の夢を奪ったそいつを。けど、止められた。俺の心の中を読まれて。 『あの人には、あたしが必要だから・・・あなたの言、好きだけど・・・一緒にいれたら、凄くいいんだろうけど・・・そういうわけにはいかないから・・・あたしが痛くても、いてあげないと、壊れちゃうから・・・』 止めざるをえなかった。
今でも、目の前にいたら殴るくらいの事はしてしまうと思う。あれから、そいつとは顔もあわせていないから。そして、同じ痛みを持った親友は何をしているんだろう・・・
夢に見た。その娘と、それ以外の友達と、『彼女』と、みんなでギターを持って騒いでいた。目を覚ましたら、泣いていた。 あいつとの時間は、濃い。これだけじゃ、語りきれないほど・・・
そして、もう一つ。
淋しい・・・
何時逢えるのかな、『彼女』に。許されるのなら、そんな時間を過ごしたい・・・ やっぱ、好きなんだな、俺・・・愛して欲しいのは、『彼女』なんだ・・・誰でもいい訳じゃないんだ・・・
自分のその思いを完全に信用しているわけじゃないけど、少しだけほっとした・・・
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