リュカの日記

2006年04月19日(水)

しばらく呆然としているうちに、何も考える事が出来ていないのに、自然に涙が溢れてきた。
泣こうとはしていなかったけど、そのまま声を出さずに少しだけ泣いた。
本当に、少しだけ。
この程度なのか。
今までの事を振り返る。
色々な事について、メッセの子に対して申し訳ない気持ちになった。
今までその子に対して感じ続けていた意識や偏見。
そういったものについて。

色々と考えようと思ったのだが、タイミングよく周囲の音に邪魔された。
自分には、メッセの子の死を悼む事も許されないのか。

まだ死んだと決まった訳じゃない。
昨日、メッセでもあんなににこやかな感じで話を終えたのに。
メッセを切る前、向こうも「また^^」とか言ったのに。
メッセの子に何かあったとしたら、以前のようにその子の家族から俺に連絡が来てもおかしくない。
もしかして、携帯の履歴を全て消して、または携帯そのものを壊すなりして、それから自殺を試みたのか・・
ネットでしか繋がりが無いから、その子の安否をすぐに確かめる事が出来ない。その子の携帯が残っていたら、または、家族がその子のパソコンを立ち上げた時に目につくようにと、携帯とメッセの両方にメッセージを入れておいた。

ボーっとしてると、どうしてもゼェゼェ過呼吸になる。
結局、今日1日その子のメッセが上がる事は無かった。

眠れない。苦しい。
もしもメッセの子が死んでいるなら、自分の頭の中の思考も筒抜けだ。
俺の程度を知って、その子はどう感じただろう。
そんな事を考えていた。
眠りに就こうと横になっていたのだが、ずっと意識の中でその子に語りかけているような状態が続いた。

今日は午前10時40分頃に目が覚めた。
今日の授業は2時限目から。10時50分から授業が始まる。
遅刻はするけど、2時限目には出れそうだ。
夢の余韻か、気持ちは大分落ち着いていた。
しばらくボーっとしているうちに、時間がどんどん経ってしまった。
現在午前11時41分。
2時限目には間に合わない。
メッセの子は無事だろうか。
数日前、メッセの子はよく「4年前に戻りたい」と嘆いていた。
まだ、自分が何もされていなかった頃の意識状態に戻りたい、と。
その子がもう死んでしまっていて、その子の親から連絡が着たら、
その子は嫌がるだろうけど、その子がされてきた事をその子の親に言うつもりだ。
その子に猥褻行為を働いた奴で、調べればすぐに身元が特定できる奴らが何人か居るからだ。
メッセの子の姉貴の友達でもあり、最近死んだメッセの子の同級生が、死ぬ直前までつるんでいた女2人。
メガビにも書き込みをした、三上とかいうショタコン親父。
もしも書き込みが携帯からによるものだったとしても、IPからは無理でも、サブスクライバ情報等を辿れば、すぐに身元にたどり着く。
その子の親に、俺が知っている限りのそいつらの情報を全て与える。
その子は、その子の弟や、その子の知り合いでもある年下の子が同じような目に遭わされた事にも、酷く苦しんでいた。
その子達についての話題は避けて、何とか上手く話してみるつもりだ。
とんでもない事になっているかもしれないのに、俺は本当に呆れるくらいに呑気だな。

今日の授業は2時限目からだったけど、俺が学校に到着したのは3時限目の半ば頃。弁当を食べたり、教科書を買ったりしていて、結局3時限目には出なかった。
4時限目は「美学美術史演習��A」
卒業論文を書くための授業だ。
俺は実技で卒業するので、卒業論文は必要ない。
だけど、単位が足りないので、この授業も取らねばならない。
一応、ノートを取ったりしたのだが、何の事やらサッパリだった。
それに、授業は聞いていたのだが、全く気持ちを集中させる事ができなかった。
5時限目は「フランス語」の再クラス。
今日学校に到着した時にフランス語の教科書も買ったのだが、このフランス語の再クラスというのは、実は2つあるそうだ。
俺は、間違った方の教科書を買ってしまっていた。
返品は出来ないらしい。
明日、また新しい教科書を買わなければならない。
フランス語も真面目に授業を聞いてノートも取ったが、後半から全く訳が分からなくなってきた。
授業を終えて、家に帰った。
学校に居る間も、メッセの子について考えていた。
俺が今更ながらにその子についてあれやこれやと考えるのも、結局その子に対するただの罪悪感逃れでしかないのだ、という事を俺は知ってる。
何で俺はこんなにも酷い奴なんだろう、と、とてもばつが悪くて後ろめたい。他人に対する感情が、殆ど昔に戻ってる。
タイプの少年に対してまで、昔の自分に戻ってる。
男の子が酷い目に遭う事について発狂しそうになっていた時期は、元々の自分では無いのだと思う。本当は、とても淡白人間だ。
凄く酷い事になっているかもしれない、もしかしたら死んでしまっているかもしれないというのに、自分はこんなにも冷たくて、本当に申し訳なく感じる。
何て酷い奴なんだろう・・

自分がその子について考えるのも、心配するのも、全部「その子の気持ちをおざなりにした」とか「その子に対して酷い奴だ」という、罪悪感を払拭する為だけに他ならない。結局は、全て自分が安心するため。
その子は「そんな事は無い」とか言ってくれるけど、そんな話題を出してそう言わせてしまう事自体、無理やりそれで安心感を得ようとする自分自身のエゴに他ならず。
本当に後ろめたい・・・
昼にもメールを送ったけれど、未だに返事は返ってこない。

何でタイプの子がここまで追い込まれたのに、俺はこんなに平静なんだ。
その子が、メッセの子だからか?
酷すぎる。

普通は、慣れ親しんだ相手だったら余計に大事にするものなのに、俺はその逆かもしれない。
そういう自覚があるからこそ、こんなに後ろめたいのか。
俺は、そういう子たちが持っているような純粋さ、綺麗な心というものを、何一つ持ち合わせてはいないのだ。
メッセの子が、自分の知り合いの小さな子に対してこういう状況に陥っていたら、今の俺のようには絶対ならない。


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